6月, 2016年

トールエクスプレスジャパン 6月14日大阪地裁に提訴

2016-06-16

残業代請求訴訟と記者会見

6月14日、労評トール広島分会の組合員9名は、会社が労働基準法37条の趣旨に反し、不法に時間外手当(残業代)を差し引いていることに対し、会社は発生した未払い賃金を過去二年間にさかのぼって支払えと大阪地裁に提訴しました。

提訴後の午後2時から大阪地裁司法記者クラブにおいて指宿弁護士、中井弁護士、労評の長谷川委員長、前堂大阪府本役員の4名で記者会見を行いました。各全国紙の記者(朝日、毎日、読売、産経)、共同通信社記者、各テレビ局が取材に来られ、活発な質問と応答が行われました。

記者会見では、原告の以下のコメントが読み上げられました。

「長時間働いても、そうでなくても、毎日(毎月)もらう給料にさほど差がないことに気がつきました。給与明細書に残業代を付けたように見せかけていることは明白な事実です。このようなインチキ、詐欺、と取れるような給与規則で、ドライバーを長時間タダ同然で使い、その反面、上司(経営陣)などは、多額の報酬を得ている。また、相変わらず人手不足の本当の理由もわからずにこの状況を続けようとしている」

 

トールで働く路線や集配で働くみなさんは、どんなに残業を多くしても、又少なくても時間外手当(A)と能率手当とを合わせた金額がほぼ変わらないことに「おかしい」と思っていたと思います。原告(労評組合員)のコメントは、まさに、とりわけ路線、集配ではたらいているトール労働者全体の思い、怒りを表現していると思います。

6月9日の団体交渉

6月9日の団体交渉で時間外手当の差し引きについて、結論として「現行通りとする」という回答だったので、「それなら司法の場、裁判で決着をつける」と返答し、今回の裁判に至りました。労評、及び労評トール広島分会は、今回の裁判はトールで働く労働者全体の利益のみならず、交通運輸で働く労働者全体の待遇を改善する裁判として取り組んでいます。

団体交渉において労評側から会社に対し、以下の問いただしを行いました。

①ご存知だと思うが、政府が今年2月に「改正物流総合効率化法案」を閣議決定し、最近それが施行された。この法の背景には、トラックドライバーの深刻な人員不足、高齢化問題がある。人員不足で日本の物流が維持できなくなり、日本の全産業に悪影響を与えるという危機感がある。

②このことは毎日毎日トラック運転手が働くことによって日本の物流が支えられ、日本の産業と国民の生活が支えられていることを意味している。交通運輸で働く労働者は、このように誇りある仕事をしている。

③しかし、トラック運転手は低賃金、長時間労働という過酷労働を強いられており、彼らの社会的労働は正当に評価されていない。

④低賃金、長時間労働となる原因としてトールと同様に歩合給から残業代を差し引く、あるいは歩合給に残業代が含まれているとして残業代を支払わない違法な賃金体系がまかり通っていることにある。だから労評は交通運輸の産業別労組をつくって、業界全体の改善問題として取り組み解決しなければならないと思っている。

時間外手当問題は、司法の場で決着をつけるが、人員不足問題、その背景にある低賃金、長時間労働について会社としてどう思っているのか。

会社からは「物流業の社会的地位を向上させなければならないと思っている」「会社も精一杯努力している」という一般的な答えが返ってきましたが、現在の賃金規則のままでトールの人手不足が解決できるのか、このことについてどれほど会社が真剣に考えているのかが問題です。

トールエクスプレスジャパン 続報

2016-06-04

トールエクスプレスジャパン広島分会の組合ニュースを転載します。この1週間、各地区でビラを配布しましたが、現場の労働者からは共感を得ています。メールで質問も受けています。私たちは本当の労働組合活動を進めますので、皆さんの加盟を待っています。

 

***********************************************

労評トール広島分会の「組合ニュース」第1号です。

発行日2016年6月2日 労評トール広島分会発行

トールの問題

トールで働いている皆さん、とりわけ集配職の労働者の皆さんは、手取りが20万円そこそこの低賃金で働いています。残業を40時間、50時間したとしても収入はほとんど変わりません。それは賃金対象額から時間外手当を差し引かれて賃金が支払われているからです。こうした低賃金に嫌気が指して、「馬鹿にするな!こんな賃金じゃ食っていけん!」とトラック運転手は次々と辞めていき、集配現場は深刻な人手不足となっています。しかも、しょっちゅう求人募集していますがトラック運転手は、なかなか応募してきません。また入社したとしても残業をして手取り20万円そこそこの低賃金に嫌気が指してすぐに辞めていきます。

 

なぜ人手不足になるのか

今、トラック運転手の不足、高齢化、その背景にあるトラック運転手の低賃金、過酷労働が社会問題化しています。トールでも同様で、現場労働者、そして現場を知る人はみんな「トラック運転手不足は深刻。その背景に低賃金がある」という共通認識を持っていると思います。

なぜ低賃金となるのか、残業をしてもなぜ収入が増えないのか。それはトールの賃金規則細則が集配職、路線職において以下のようになっているからです。(なお、整備職も時間外手当を差し引く仕組みとなっている)

 

 各要素から計算された賃金対象額(*要するに歩合)が、時間的効率向上により時間外手当(A)を上回った場合は、その上回った額を能率手当として支給する。

能率手当=賃金対象額-時間外手当(A

    (賃金規則細則より引用)

 

トールの賃金規則細則では賃金対象額を算出するための各要素は、集配職においては配達重量、集荷重量、配達枚数、集荷枚数・・等々となっています。要するに賃金対象額として算出された賃金は、世間一般で言う歩合給です。このように歩合給から時間外手当(A)を差し引いた残りを能率手当として支給しているから、いくら残業をしても収入はちっとも増えません。

集配職のみなさんの給与明細書を賃金規則細則に照らし合わせると「職務給+能率手当〔賃金対象額-時間外手当(A)〕+時間外手当(A)」となり、これでは残業代が支払われていないのと同じです。こうして残業をした分、能率手当が減額される仕組みが、トールの低賃金の原因となっています。このようなやり方は労働基準法37条の趣旨に反し、違法です。

 

労評トール広島分会の方針

私たちは、トール全体の労働者のために、またトールと同様に、歩合給から残業代を差し引かれて低賃金で苦闘している交通運輸業界のトラック運転手全体の利益のために労評トール広島分会を立ち上げました。

トールにおいては、まず残業代(時間外手当)の差し引きを止めさせ、世間並の賃金に少しでも近づけ、人手不足問題を解決しなければならないと思っています。低賃金の解決なくしてトールの人手不足問題は決して解決しません。

そのために「差し引いた残業代分の賃金を過去2年間に遡って全額支払え、今後残業代を差し引くな!」という要求方針をもって活動しています。もし会社が要求を認めなければ裁判を起こして闘う方針です。

トールの「賃金は低い、残業代を差し引くのはおかしい」と誰もが思っていると思います。このように同じ思い、同じ要求を持つ労働者の仲間が団結して声を上げることで私たちの生活は改善できます。黙っていることは、現状の低賃金、不法な残業代差し引きを認めることと同じであって、いつまでたっても私たちの生活は良くなりません。労働組合は労働者の権利、利益を守るために団結して闘う労働者自身の組織です。皆さん、労評に加盟し、共に闘いましょう。

 

***********************************************

 

Copyright© 2013 日本労働評議会 All Rights Reserved.

〒169-0075 東京都新宿区高田馬場3-13-3-404
電話:03-3371-0589(代表)FAX:03-6908-9194