7月, 2017年

都労委 凸版印刷命令7月26日に下る

2017-07-19

凸版印刷の団交拒否に鉄槌が下る

7月26日、都労委で労評が申立てている不当労働行為救済申立てに対する命令が出される。労評としては救済命令が出されると確信している。凸版印刷に団体交渉の申し入れを行って、はや1年と4か月、理由もなく団交拒否を続けてきた凸版印刷にどのような正義もない。番町綜合法律事務所の河本弁護士らと結託して、正当な組合活動を弾圧してきた凸版印刷はこの都労委命令を契機に、違法行為を行ってきたことの責任を問われることになるであろう。

凸版印刷の違法行為の責任を今後徹底して追及する

命令が確定した段階で、改めて報告するが、大企業である凸版印刷が団交拒否という最も犯してはいけない初歩的な段階での違法行為を行って平然とすることは許されない。労評はどのような上場企業であれ、名の通った企業でこれまで団交拒否をされた経験はない。これも番町綜合法律事務所の河本弁護士らが指南したことは想像に難くないところであるが、大企業である凸版印刷がこのような弁護士の手法に軽々と乗せられるとは零細企業並みのコンプライアンスである。

いずれにしても、この都労委命令を機に労評は全面的に凸版印刷の社会的責任を問う行動に起ち上がるであろう。

7月4日付でネギシ・マタハラ事件の上告棄却・上告不受理を決定。妊娠中の女性に対する解雇を認容する不当決定である!

2017-07-18

去る7月4日付で、最高裁は、ネギシ・マタハラ事件の上告を棄却しました。3月4日に「上告申立理由書」を提出してからわずか4カ月での決定でした。この決定は、妊娠中の女性労働者に対する解雇を容認する不当決定であり、均等法9条4項を有名無実化するものです。

 

均等法9条4項の存在意義はどこに?        

均等法9条4項「妊娠中・産後1年以内の解雇は「妊娠・出産等による解雇ではないことを事業主が証明しない限り無効となる」 が2006年新設された背景には、妊娠中の解雇が横行していたからです。妊娠しても解雇の心配をせず、女性が、安心して働き、子育てができる環境を作るための法的整備でした。
この法律の特徴は、ひとつには期間を定めて解雇を禁止していること。当該期間内の解雇を強く禁止しているということです。
これは労働基準法19条「業務上災害による休業期間とその後30日間もしくは産前産後休業期間とその後日間の解雇禁止」についても同じです。

もうひとつは、「解雇を無効とする法律効果が与えられているものを覆す立証が求められている。」つまり、労働契約法16条「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする」の適用場面よりも一層高い立証が求められているということです。均等法9条4項は、違法な解雇が行われない「抑止力」として新設されたのです。
ところが、最高裁は、わずか4か月という速さで上告棄却を決定しました。
一審ですら、解雇には当たらないとした事案に対し、二審では、会社が従業員を総動員して作ったシナリオを鵜呑みにし、均等法9条4項の存在意義を考えることもなく、形式的に上告人Aさんの解雇を有効とし、マタハラ解雇ではないという判決を出したのです。そして同じように最高裁も均等法9条4項の存在意義を考えることもなく、それを追認したのです。このままでは、均等法9条4項が新設された意味がありません。
労評では、今回3月31日の最高裁上告報告集会を皮切りに、署名活動等の取り組みを行いましたが、これからという時点で、棄却されてしまいました。

 

司法の反動化を許さず、継続して妊娠中の女性労働者を守り、解雇禁止の法律を定着させよう!

しかし、労評はこのような司法の反動化を許すことなく、これからも継続して女性労働者が安心して働ける職場を目指し、職場で、街頭で運動を進めていきます。上告人Aさんも最高裁の決定があった後も、「自分の問題をきっかけに、マタハラについて考えてもらいたい」と運動を続けていく気持ちをしっかりと持っています。署名活動にご協力をいただいた方々、ありがとうございました。またこの問題に注目していただいた方々、これからも労評より発信を続けていきます。よろしくお願いします。

鹿島臨海産業のパワハラ問題 その2

2017-07-07

栄養士の資格と経験を活かすため入社

鹿島臨海産業株式会社に社員として勤務している主婦でもあるAさんは、二人の子供の子育てと両立し、大手通信会社の優秀な派遣社員として長年勤務していました。しかし「栄養士の資格と経験を仕事で活かしたい」と思い、約3年前にハローワークネット求人で鹿島臨海産業の「栄養士」の求人募集を見て、一大決心で思いっきって転職しましたが…

 

怒鳴りちらす社長、不衛生な環境、仕事の引継ぎもなく

しかし、入社してみるとそこには予想もしなかった衝撃的な光景が多々ありました。社長はよく大きな声で従業員を怒鳴り、叱責していました。時には新人社員が1,2時間立ったまま社長から説教されている姿も見かけました。いてしまう新人女子社員に向かって「わしはパワハラやが、泣くのはセクハラや」と怒鳴っていたそうです

そして食品を扱う工場であるにも関わらず、衛生環境も決して良い状態とは言えませんでした。一部の従業員は仕事に追われ、エアシャワーを通らず、裏口から工場に入ることが黙認されていました。また常に求人募集をしてるため、人の出入りが多く、気付くと知らない人が工場や社員食堂で働いていたりします。本来、食品を扱う作業者は保菌検査(検便)が義務づけられていますが、面接の時点で「すぐに来てほしい。」と言われ、翌日から仕事に入る人もいました。

そしてAさんの前任の栄養士はAさんの入社と入れ替わりで退職してしまい、仕事の引継ぎはほとんどありませんでした。また会社にはタイムカードもなく、不払い残業があること、新しく人が入っても社長のパワハラで次々人が辞めていくなどの衝撃の事実を入社して間もなく同僚から聞かされて知りました。

 

仕事内容は「わしも何もわからず一人で行ったんや!」

そしてAさんは「栄養士」として入社したにも関わらず、いわゆる「栄養の指導に従事する」ような栄養士らしい仕事をすることはありませんでした。お弁当や社員食堂、社員寮の一日3000食前後もある献立作成などの一般的な栄養士の業務は、栄養士や調理師の資格のない社長と社長の奥さんが担っていました。そして社長は「栄養士は献立など立てる必要はない。管理表(献立表)も見なくて良い。栄養士は渉外活動だけやっていればいい」と言い、栄養士は食材の発注業務などの渉外担当を任されていました。しかも客先を回る頻度も入社時の「週2箇所」が、入社1か月後位には「一日2箇所」に変更されました。その上、会社と客先との関係性や、具体的に何をしに行くのかなどの業務内容について何も教えてもらえませんでした。

次々と人が入れ替わるため、周囲に聞いても誰もやり方を知らず、社長に聞くよう言われました。しかし社長に聞いても「わしも何もわからず一人で行ったんや!」などと言われるのみで、暗闇の中を手探りで仕事をする日々が続きました。他にも客先の宴会、イベントの見積もりなど未経験の仕事を色々任されました。顧客から「担当者がすぐ辞めてしまい引継ぎもしないで代わるので、毎年同じことを説明しなければならない」と批判、指摘を受けるほどでした。

そして社長は何度もAさんに「管理表(献立表)は見る必要ない」と言い、別の業務をやらせていたにも関わらず、数か月後には、突然「管理表(献立表)の見方もわからないのか!」とAさんを叱責しました。

 

新しく入ってもどんどん辞める労働者

そのような社長の態度に付いていける人がそう多くいるわけもなく、Aさんが入社した翌年には栄養士、管理栄養士を含む8名が新規に採用されましたが、そのうち、直接社長と関わりのある5名は、1年以内に退職していきました。中には入社して1日~1週間程度で退職していく人もいました。そして、ついに社長のパワハラの矛先がAさんに向かってきたのです。Aさんの受けた退職勧奨(パワハラ)については次号に掲載します。

 

※パワハラとは:「パワハラ」とは、「パワーハラスメント」の略で厚生労働省「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義しています。(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000126546.html)パワハラ行為を行った上司は、不法行為責任(民法709条)を負います。また、会社ぐるみでやっていたり、パワハラ上司への指導をきちんとしていなかった場合には、会社自体が法的責任を負います。

 

 

アート引越センターの違法行為の数々

2017-07-01

労評残業代を請求する会で団体交渉

クロネコヤマトの残業代未払い問題を始め、運輸業界の不法行為が明るみに出ていますが、引越し業界で2位と言われるアート引越センター(アートコーポレーション(株)本社大阪)では、驚くべき違法・脱法行為が行われてきました。労評は横浜市のある支店を退職した労働者達が加盟して、会社に対して残業代請求の交渉を行っています。その交渉は3回目になろうとしていますが、明らかになった数々の違法・脱法行為の紹介をします。

1.事故の賠償金をあらかじめ天引きしていた

アート引越センター(以下、アートと言います)は「引越事故賠償制度」を作り、毎月数万円の賠償金を賃金から天引きしていました。ご存じのように賃金から天引きをして良いものは税金や社会保険料などに限られており、本人との書面での合意を交わした場合のみ天引き可能です。アートは労働者から同意書も取らずに勝手に差し引いていたので、返還しなければなりません。アートはこれを認めて組合員に対して25万~38万の返還をすると述べています。しかし、これは2年間の天引きした分であり、アートの行ってきた不法行為は不当利得にあたるので、2年間に限定されるものではなく、10年間の請求が可能です。

アートは天引きした賠償金を返還する代わりに、組合員に対して事故賠償請求をしてきました。その請求金額はアートが返還するとした金額をはるかに上回る金額でした。アートの請求根拠は引越事故賠償制度にあると主張しますが、この制度自体、労評は無効と考えています。引越し業務に従事する労働者は顧客の家具や調度品を傷つけないように運搬しますが、スタッフには慣れないアルバイトや派遣労働者もおり、それらの労働者がミスを犯した場合も社員がその賠償責任を負うシステムになっています。一定の比率で顧客への損害賠償が生じるのが引越し業界の特徴であり、経営側はそのリスクを前提に労働者を雇用し、収益を上げるわけですから、労働者に重大な過失責任がある場合を除いて、労働者に損害賠償を請求することは非常識なことだと考えます。

2.労働時間を操作していたことを認める

組合員達はアート引越センターに勤務していた頃、長時間働いた割には残業代が少ないことを感じていました。アートではタイムカードではなく、電子式の出退勤の打刻をして、会社が集中管理しています。会社は組合員らの労働時間を操作したことを認めました。残業時間が多くならないように、主に退社時間を操作し、残業時間を削っていたのです。会社の説明では削った残業代は別の名目の手当で支払っていると述べていますが、それが正確な残業時間分かどうかは今のところ確認のしようがありません。

3.交通費を支払っていなかった

組合員らは誰も交通費を支給されていませんでした。勿論就業規則には交通費の支給が明記されています。団体交渉の席で、会社は請求がなかったから支給していなかったと述べました。会社は交通費を支給することを組合員らに告げなかったので、もらえることを知らなかったのです。アートのような大企業で交通費の支給をしていないという事実は驚くべきことです。

4.携帯電話代も自己負担

引越し業務は作業中も顧客や会社と連絡を頻繁にします。アートは社用の携帯電話を準備せず、組合員らは自分の携帯で仕事に使っているか、仕事用に別の携帯電話を購入して使用していました。当然にも会社が負担すべき費用です。これも大企業とは思えない杜撰さです。

5.組合に加入した覚えがないのに組合費を天引きされていた

組合員らは組合費の名目で毎月1000円天引きされていました。しかし、アートに労働組合があることも知らず、組合に加入した覚えもありません。アートの労働組合など幽霊団体のようなものです。これも会社にチェックオフ協定を提出することを要求しています。もし偽造したチェックオフ協定の下で組合員らの賃金から天引きしたのであれば悪質な不法行為です。

以上のように、業界第2位といわれるアート引越センターはその中身は零細企業のような有様です。すでに大阪本社には労基署の調査と指導が入っているようで、一面的に残業の規制を始めているので、残業で生活している労働者は、これでは食っていけないと次々と退職しています。

労評残業代請求する会は社内の労働者に働きかけ、現有の労働者による労働組合建設を目指します。会社の中から改革の火の手をあげていき、会社の制度、体質を改革していきたいと思います。

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