鹿島臨海産業のパワハラ問題 その3

2017-07-30

第二回団体交渉開催!! 社長、またしても逃亡

7月19日、第2回団体交渉が開催されました。組合が団交議題を社長のパワハラとし、事前にパワハラをした本人である社長の出席を再三要請していました。しかし、社長はまたしても逃亡し、前回と同じく、2名の管理職と、社労士(※)だけが出席しました。そして、欠席理由として、社長の診断書を持参し見せてきました。組合としては、当事者がいなくては事実確認のしようがないので、社長を出さない会社側の対応に対し不誠実団交として強く抗議したうえ、要点と要求のみ伝え、この日は終わりました。社長は、弱い立場の従業員に対しては偉そうに威張り散らしますが、団体交渉となって対等な立場で組合と対峙しなければならなくなると決まって病気になるようです。

※この社労士は、前回団交でほとんどの応答を行ったため、組合が非弁行為として懲戒請求を行った社労士です(6月12日付の記事をご覧ください)。もちろん、社長の行ったパワハラについて事実を知るはずもありません。

さて、以下は、前回のブログの続きです。

パワハラ社長の口癖は「いらん!」

お弁当工場に「栄養士」として入社したAさんですが、入社時には会社から業務の一貫として「週2回」客先を回るよう説明を受けていました。しかし、入社後には、「1日2か所」回る、という指示に変わりました。また、会社は次々と新しい栄養士を雇い入れ、そして社長のパワハラと職場環境の悪さから次々と人は辞めていきました。社長は気に入らない労働者に対しては「(お前なんか)いらん!明日から来るな!」と皆の前で平然と言ってのけ、何か問題が起こると社労士などを立てて問題をもみ消す、そのようなことが常態化していました。そんな中、事件は起こりました。

 

「いらん、現場に行け!」突然の配転命令 Aさんへの退職勧奨始まる
2015年8月、導入したての新しいシステムの研修を一緒に受けた同僚が退職し、未経験の仕事を、サッカー合宿用の弁当注文などが増える繁忙期の中で行い、受注ミスが起きました。しかも複数の電話回線が同時に鳴り、1人で対応できなかったため、さらにクレームとなりました。Aさんがクレームを上司に報告したところ、上司からそれを聞いた社長が激怒し、Aさんに対して「いらん、現場へ行け!」と怒鳴りました。Aさんが理解できずに聞き返したところ、社長は続けて「明日から工場に入って盛り付けと掃除をしろ!」と怒鳴りました。Aさんはこれまで現場仕事の経験はありませんでした。一方的な配置転換です。これがAさんに対する社長の退職勧奨の始まりでした。
その後、社長は自らの勘違いに気が付いたのか、社労士も間に入れてAさんに対して別の「配置転換の理由」を探そうと、Aさんの仕事に難癖をつけ、何人かから事情聴取を行いましたが、誰からも証拠なる証言を引き出せませんでした。しかし社長は「Aが悪くないのはわかった。でもAには明日から一日中工場に入ってそれなりの給料でそれなりの仕事をしてもらう。」と、Aさんの行っていた業務は翌日から別の従業員に担当するよう指示し、無理やりに配置転換を強行しました。

 

20リットル塩素をタンクに投入「男女平等」「女だからできない、は許さない」
その後、Aさんは、それまでは男性が行っていた、井戸水を消毒する用の20Lの塩素(12%)をタンクに投入する作業をやるよう指示されました。その際、社長と上司Wは「男女平等」「女だから力がないからできないとは許さない」といったことを細身で小柄なAさんに向かって言いました。明らかなパワハラです。

また会社は、2~3名で行っていた弁当の盛り付け作業をAさんが1人でやるようにと指示し、周囲の調理師が手伝おうとすると、その調理師が社長から怒られました。
さらに記録簿の作成はパソコンを使わずに「手書きで書け」「事務所には来るな」等の嫌味を会議で全体の前で言われ、Aさんが抗議すると社長は「そんな意味ではない」などと弁解してごまかしました。このように社長のAさんに対する陰湿ないじめ、嫌がらせは日々エスカレートしていきました。Aさんの懲戒処分と昨年末の団体交渉に至る過程は次号に掲載します。

 

 配転命令権の範囲とその濫用について

「配転命令」とは、使用者が労働者の職務内容や勤務場所について長期間の変更をする命令を出すことで、根拠は労働契約にあるとされます。したがって使用者の配転命令権の範囲は、労働契約の内容によります。多くの場合、使用者側は就業規則等に基づき広汎な配転命令権を主張し、労働者側は労働契約において職種・勤務地限定の合意があったとして争うことになります。

当然、職種・勤務地限定の合意があるのにこれに反した配転命令を出すことは許されませんが、それだけでなく、配転命令権が認められる場合であっても、➀業務上の必要性がない場合や、②不当な動機・目的があったり、労働者に通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせたりといった特段の事情のある場合にも、配転命令が権利濫用として許されない場合があります(判例)。Aさんの場合は、Aさんが質問をしたところ、社長が配転命令の必要性について「自分が決めたから」以上の説明ができなかったことから(また、自分から退職するよう追い詰める目的も疑われます)、権利濫用であることは明らかと思われます。

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