労働相談Q&A

皆さんが労働組合に対して感じると思われる疑問などを想定して、Q&A形式でまとめて見ました。一つの参考としてご覧下さい。

Q・労働組合に加入するメリットは何ですか?

会社を相手に、個人的に交渉するのは大変です。組合に加入すれば、本部や他の組合員の協力も得て、団結の力で、組織的に、かつ迅速に闘いを進めることが可能です。まず、会社は組合からの団体交渉を拒否できませんし、労働者の意見を無視できなくなります。また、労働基準監督署などの行政機関を利用する場合も、労働組合の関与があれば、軽視できず、真剣な対応が期待できます。団体交渉で解決できず、訴訟に移行する場合も、組合の顧問弁護士に依頼することが可能です。

Q・組合が欲しいと思いますが、私の会社は零細企業です。労働組合をつくることはできるでしょうか?

会社の規模の大小にかかわらず、労働組合をつくる事は可能ですし、必要です。他人に労務を提供し、その対価として賃金を得ている限りは、労使関係が存在しているのですから、労働者は経営者と交渉して労働条件などを交渉する必要があります。うちの会社は小さいから給料が少ないのは仕方がない、有給休暇ももらえないのもやむを得ないと考えるのではなく、経営者とちゃんと話し合うことが大切です。そのためには、労働組合に加盟する、または職場につくることが必要です。

Q・パートやアルバイトも労働組合に加入できるでしょうか?

sod02
アルバイトやパート、派遣労働者などの非正規労働者も同じ労働者です。勤務形態は違っても、労働者としての権利が保障されています。パートやアルバイトなども、雇用保険の加入(失業保険の給付)、社会保険の加入、年次有給休暇の取得など、一定の条件はありますが、権利がありますので、労働組合に加入して、権利を守りましょう。外国人労働者でも、日本で働いている限りは日本の法律が適用されますから、労働組合に加入する資格があります。

Q・組合に加盟すると何か集会や行事などに参加しなければならないのですか?

分会に所属する組合員は、分会の会議などには参加して下さい。分会執行部(もしくはその代表)は、月1回の各都府県本部の会議に出席します。個人加盟の組合員は、各都府県本部に所属し、月1回程度の会議に参加します。年1回開催される全国大会には参加して下さい。これは、組合員である皆さんの権利でもあるので、折角意見を述べたり、報告を聞く場がありますので、有効に活用していただきたいと思います。その他、各都府県本部で様々な行事が行なわれますが、良く説明を聞いて意義が分ったら参加して下さい。
労評は、個々の労働問題も、職場や地域を越えた団結の力で闘うことを活動精神としています。他の地域や職場でも多くの労働者が迫害され、過酷な状況に置かれています。皆さんの連帯が必要な時には適時支援を呼びかけますので、ご協力をお願いします。

Q・組合を結成したら、会社が倒産しないでしょうか?

sod01
倒産しません。少なくても、組合潰しのために(組合を作ったことを理由に)、わざわざ倒産などしません。なぜなら会社の目的は唯一、利潤追求にあるからです。倒産したら、唯一の目的である利潤追求が出来なくなるからです。もちろん、組合も会社の経営実情を無視した、法外な要求をしない事は前提です。ただ、一つ注意してください。経営者はクチでは言います。「組合があるなら会社を潰す!」「組合つくったら、会社が倒産する。」と言います。経営者がそう発言するのは、労働者の攻撃のためであり、実際に行動に移す可能性は極端に少ないといえます。

Q・会社に労働組合がありますが、労働者のために活動しているとは思えません。しかし、全員強制加入になっています。どうしたら良いでしょうか?

もし、労働者のために働いていないと思えば、新しい労働組合をつくることが可能です。例え、ユニオンショップ協定を締結していたとしても、新労組をつくることを条件に、会社の組合を脱退することができます。新しい組合は少数から出発せざるを得ませんが、組合費だけ取られていて、役に立たない労働組合に加入することから見れば、よほど充実感をもてると思います。

Q・組合に加盟し、解雇されることはないでしょうか?

sod03
組合活動を始める時、多くの人が心配するのが解雇です。とりわけ、中高年労働者にとっては、再就職が厳しいこの時代に、大きな不安を覚えると思います。しかし、労評の組合活動の経験からすると、皆さんが心配するような解雇というのはほとんどありません。「100%・絶対」とまでは、確かに言い切れませんが、滅多に解雇はありません。理由は簡単です。経営者は、労働者の団結の力を恐れているからです。労働者が「解雇されるのでは」と恐れる以上に、経営者は労働者の団結を恐れています。「解雇なんてしたら、組合が何をするか分からない」これが経営者の恐怖心です。ましてや、これまで、散々違法・不法行為を繰り返しても「従順」だった労働者が、団結して、怒りをもって立ち上がるのです。会社はこの団結力を前に、内心では「解雇したい。顔を見るのも嫌だ」と思うでしょうが、経営者は組合への恐怖心から労働者を解雇できません。また、できない位の組合の団結と闘争を強化する必要があるのです。