10月, 2016年
介護施設における夜勤1人体制(ワンオペ)について考える
<主要な問題>施設における夜勤1人体制(ワンオペ)は 危険で重労働!
夜勤に複数職員がいても、実際は1人で20~30名の利用者さんの介護をするなど、夜勤の1人体制(ワンオペ)問題を耳にしま す。こういった状況では、災害など万が一の事態が起こったとき、適 切に対処が出来るのか、不安を感じるのではないでしょうか。 人の命に関わる重大な問題です。1人で夜勤の仕事をすることは、 肉体的、精神的にきついことであるのに、休憩が十分にとれないことや手当が少ないことも大きな問題だと思います。
<原因>介護業界の人手不足の原因は、 低賃金・長時間労働にあります!
介護の仕事は、給料が安く、労働時間が長いことが多いと思います。このことから、常に人手が不足し、夜勤に1人体制で仕事をし なければならない状態になってしまいます。また、低賃金であることは、そもそも介護報酬が低いことも原因の一つだと思います。
<解決の方向>夜勤を2人体制にすること(ワンオペ廃止)、 低賃金・長時間労働の改善を求めよう!
介護の仕事をしている人は、自分を犠牲にして我慢して働いている人が多いと思います。しかし、我慢して働き続けることは、利用 者さんに影響が及んでしまうのではないでしょうか。例えば、利用 者さんに対する暴力、身体拘束の問題がそうだと思います。これら の問題は、行政や経営者に原因があると思います。でも、行政や経営者に異議申立をしてこなかった現場の労働者にも責任はあるのではないでしょうか?利用者さんのために、より良い介護を目指し、できるところから、共に行動しませんか?
この問題について、解決の方向を考えたい方は、ぜひ、連絡してください。
相談窓口(相談はこちらにお問い合わせください。)
電話 090-6508-2098
メール rouhyoukaigo@yahoo.co.jp
相談時間帯 AM10:00~PM5:00 (月曜から金曜まで。ただし祝日を除く。)
介護労働者への訴え(ビラの内容) https://www.rouhyo.org/news/457/
求人詐欺問題
求人票や求人案内を信用できない
最近、求人詐欺問題というものを耳にします。人手不足のなかで、低い労働条件で雇用するため、意図的に実際よりも良い条件を提示して募集をかける企業が存在し、その被害にあう若者を中心とした労働者が増えているようです。
「正社員の募集だったはずなのに、パートの契約だった」、
「給与+手当と書いてあったのに、手当なしだった」、
「社会保険完備と説明されたのに、一向に加入させてもらえない」など、悪質な例が多く存在します。
また、必死に内定を得るために就職活動に取り組む学生がターゲットになることも少なくありません。自分や身近な方の体験談として、耳にしたことがあるのではないでしょうか。
法律的には、虚偽の内容で募集を行うことは許されていません。しかし、「求人票」と実際に働く条件の合意文書である「契約書」の違いを悪用していたり、労働者が文句を言えないことを利用し、暗に契約内容に合意したものと勝手に解釈していることが原因としてあるようです。会社から「求人票を信じるほうがおかしい」と発言された人もいるようで、驚きを隠せません。
求人票と実際の労働条件が相違していても、あきらめて妥協したり、会社を辞める必要はありません。働き続けるなかで、まずは求人票どおりの労働条件を実現できるよう、仲間と共に声を上げるという選択もあります。労働者が声を上げなければ、求人詐欺を行う悪質な会社がますます増えてしまいます。一人ひとりが、できることから、行動に移していくべきです。
あきらめずに、労評に相談してください。
労働相談日 毎週水曜・金曜 18時~21時 03-3371-0589
労働相談日のお知らせ
碑文谷病院のパワハラ問題
看護部長の横暴な支配と無責任な病院の対応
東京都目黒区にある碑文谷病院で団体交渉を行っています。碑文谷病院には一般病棟以外に療養病棟があり、そこでは介護労働者が働いています。昨年8月に赴任してきた看護部長は職員に対してパワハラを行っています。パワハラに耐えられず退職する労働者がいるなかで、介護労働者が労評に加盟して、団体交渉を行い、職場環境の改善に起ちあがりました。以下は、その概要です。
パワハラの実態は以下のとおりです。
1.看護部長は月の初めにその月のシフト表を作成し、職員がそれを確認して自分の予定を決めると、 突然勝手にシフト表を変更し、休みの日に出勤するように命じます。すでに予定を入れてしまって急には変更がきかないと出勤を断った労働者に対して、欠勤措置をとり、その後日勤のみのシフトを強要し、結果的にその労働者は賃金が減額となって退職せざるを得ない状態に追いやられてしまいました。
2.組合員は現在日勤のみのシフトになっています。介護労働者は日勤と夜勤をこなし、夜勤をすることで一定の賃金額を確保しています。雇用契約上も夜勤を含んだ勤務をすることで合意しています。ところが、看護部長はある時から組合員に夜勤を与えず、日勤のみのシフトに変えました。これは嫌がらせです。かつても、退職に追い込む方法として日勤のみを与え続けました。病院側は弁護士を通じて、病院の裁量で夜間勤務を命じることができるという誤った回答をしてきました。組合は雇用契約に反する行為なので11月分のシフトから元に戻すよう申し入れましたが、相変わらず日勤のみのシフトを強要しています。
3.組合員が左腕腱鞘炎で1週間の安静が必要だとの診断書を提出しているにも関わらず、無理やり出勤させ、「両足と右腕は動くだろう」と三角巾で左腕を釣った状態の組合員を現場に行かせました。患者の家族や同僚は大丈夫なのかと心配するほどでした。翌日も看護部長は無理やり出勤させ、遂には二日目の午後に、現場で組合員が倒れる状態に至りました。病院側は弁護士を通じて診断書には「1週間の安静加療を要する」と記されておらず、「今後1週間の局所安静を要する見込みです」と記されているから、勤務させて良いと馬鹿げた主張をしてきました。局所安静というのは左腕が使えないという意味であり、「要する」か「要する見込み」かの違いに厳密な規定はありません。「要する」と断言調で書くか、「要する見込み」と婉曲的表現で述べるかで、医学的に判断が異なるというものでもありません。組合員は左腕が動かないことを医師の診断書を添えて訴えているにもかかわらず、両足と右手は動くだろうと述べて仕事をさせたことが問題なのです。病院側も弁護士も詭弁を弄して、自らの安全配慮義務違反の違法行為を必死に正当化しようとしています。
4.看護部長が組合員の健康診断の書類を隠し、組合員に健康診断を受けさせなかったこともあります。組合員は病院から健康診断を命じられていたので、何度も看護部長に書類を渡して欲しいと要請しても、今度渡すなどと引き延ばし、結局期限内に受診させませんでした。実際に病院で勤務する職員の健康診断の受診を妨害したことは驚くべき暴挙です。このようなコンプライアンスの意識の薄弱な人間が看護部長をしていることは、由々しき問題です。
さらに、不当労働行為を働く
組合員が労評に加盟し、団体交渉の申入れをしたことに対して、看護部長は夜勤勤務の労働者を集めて、「〇〇が大変なことをしてくれた。弁護士を頼んで対応するから大丈夫だが、〇〇に加担した人間には、〇〇と同じようにするから」と労働組合活動に支配介入を行いました。病院側は必死にこの事実を否定していますが、多くの労働者が聞いている事実です。パワハラ行為を反省するどころか、労働組合活動に対する不敵な挑発行為は、この看護部長の悪質さを物語っています。
労評は介護職場で一生懸命働いている労働者を弄び、不当なパワハラをしている管理職を許しません。また、不当労働行為を働いたことについて、もし、認めない場合は組合は確たる証拠もありますので、東京都労働委員会に不当労働行為救済申し立てを行います。碑文谷病院の職場のように、労働者を見下げて人権意識のひとかけらもないような管理職の支配する状態は必ず改善させなければならないと思います。
皆さんのご理解、ご支援お願いします。