1月, 2019年

労評交運労トールエクスプレスジャパン労組 裁判報告③

2019-01-30

裁判報告第三弾 「労基法37条の趣旨」

労基法37条は、残業に対し割増賃金を支払うよう使用者に強制する法律である。

この労基法37条の趣旨は

①時間外労働について割増賃金を課すことによって、その経済的負担により時間外労働を抑制すること、及び②通常の労働時間に付加された特別な労働である時間外労働に対して一定の補償をさせること

にある。

 

ところが

「能率手当=賃金対象額-時間外手当A」であるから、残業をしても残業代支払いの負担は、被告会社に生じない。

能率手当+時間外手当A=(賃金対象額-時間外手当A)+時間外手当A=賃金対象額

となる。

 

このように幾ら残業させても被告会社は、残業割増賃金を支払わずに、つまり会社は全く経済的負担を負うことなく集配職員や路線職員、整備職員に残業をさせることができる。

 

証人尋問における裁判官の質問

裁判官も上記の労働基準法の趣旨から、被告会社証人対し、

使用者, 会社の側に対して,そういう一種の割増しの義務を課すことによって, 会社が長時間の業務命令をしないようにするという目的もありますよね。

と確認し、その上で

労働者のほうで, むやみに長時間になってしまうというような特別の事情

があるのかと問い質した。

 

これに対し、被告会社証人は、

ドライバーというのは, 支店の外に出て仕事をしている時間帯が長いので, その時間帯に, サボっていると言うと語弊があると思うんですけれども, 我々が直接見て, 指導できないので, 意識としてきちんと持ってもらいたいというふうには, 常々思っています。

と的外れな証言しかできなかった。

 

この証言に対し、裁判官から

先ほども, 例としておっしやったみたいな, すたすたと小走りぐらいで行けばいいのに, だらだら歩いてしまうような, そういう懸念もあるということなんですか。

と質問し、被告証人は

そうですね。

と証言する。

 

皆さん、被告会社の証言、どう思いますか。

能率手当という賃金規則をつくる特別な事情があるのかという裁判官の質問に対して、被告会社の証言はムチャクチャです。

最終的には裁判官が審判をするが、次のことは言える。

 

①会社は、労基法37条の趣旨に反して、残業代という経済的負担を負っていない。

しかも、残業代を支払わずに、賃金対象額の増加分しか労働者に支払っていないのだから、会社は丸儲けである。

なぜなら会社は、賃金対象額以上の金額で運送を請け負っていから、残業をさせればさせるほど利益を上げることができる。

つまり裁判官が残業割増しの義務を会社に課すことで「会社が長時間の業務命令をしないようにするという目的もありますよね。」と被告会社証人に確認したが、これに反する。

 

②大阪労働局は

平成25年、大阪府内では、トラック運送業の労働災害は1,169件発生しました。

その内訳を みると、荷の積み卸し(荷役作業)中の災害が67%を占め、交通事故8%を大きく上回っています。

また、荷役作業中の労働災害としては、墜落・転落が268件で最も多く、その発生場所内訳 をみていくと、その4分の3以上が配送先(荷主等)で起こっています。

と荷役作業中、しかも荷主先での労災多発に対し重大視し、行政指導している。

このことからも荷主先で小走りして荷役作業をしろという、裁判所での被告会社証言は全く受け入れらないだろう。

 

いよいよ3月20日、大阪地裁で判決が下る

大阪地裁の判決日が、本年3月20日に決まりました。

裁判の原告は、労評トール広島分会を結成し、「残業代を支払え」と裁判を起こすとともに、集配労働者の地位向上と待遇改善を求めて闘って来ました。

全国の支店で集配労働者の人手不足が深刻化しています。

荷物を運ぶ労働者が居なければ、会社は成り立ちません。

配達時間帯、集荷時間帯を守るよう必死で努力している集配労働者に対し、支店外でサボる可能性があるなどというのは、われわれ労働者に対する侮辱です。

このような会社に未来はありません。誰が稼いでいるのか、現業労働者が稼いで会社は成り立っています。労評と共に、このような会社の考え方を変え、働き甲斐のある会社に変えていこう。

2月の労働相談日のお知らせ

2019-01-28

労評では2月も毎週水・金曜、18時~21時まで 労働相談日を設けます。

この時間は、労評の相談員と電話で相談ができます。

もちろん秘密厳守、相談無料です。

職場での悩み、相談はお気軽にご連絡ください。

 

★労働相談日スケジュール★

2月1日  (金) 18:00~21:00

2月6日  (水) 18:00~21:00

2月8日  (金) 18:00~21:00

2月13日(水) 18:00~21:00

2月15日(金) 18:00~21:00

2月20日(水) 18:00~21:00

2月22日(金) 18:00~21:00

2月27日(水) 18:00~21:00

 

※上記の日程は、必ず電話が繋がります。

※これ以外の日も、随時電話、メールでご相談可能です。

 

~連絡先~

📞 03-3371-0589

✉ 労評のホームページの問合せフォームから

クリーニングステージ21、ドリームの「名ばかりオーナー店長」たちが労働組合を結成!

2019-01-25

千葉県に本社を置き、東京都内、千葉県内でクリーニング店の「ステージ21」、「ドリーム」を展開する(株)ステージコーポレーションで働くオーナー店長たちが、労評に加盟し、1月23日、会社に対して、団体交渉の開催を申し入れました。

 

「オーナー店長」とは名ばかりの実態

今回労組結成に立ち上がったオーナー店長たちの中には、もともとは直営店のパートとして働いていた人もいれば、募集に応じて店長となった人もいます。

パートから店長になった人の中には、ある日突然、社長から「嫌ならやめてもらう」とオーナー店長になるように強要されて嫌々なった人もいました。

 

望んでなったにしろ、強要されてなったにしろ、いざオーナー店長になってみると、想像以上に過酷な環境が待っていました。

「オーナー店長」というのは名前ばかりで、実態は、面倒な労務管理を店長に押し付けつつ、労基法等の義務を逃れるという、ただ会社に都合が良いだけの契約だったのです。

 

何が問題か、整理して見ていきます。

 

①契約で決めた委託手数料がそもそも低すぎるのに、それすら払われず、一方的に切り下げられている

 

オーナー店長になると、会社と年間で、委託手数料の契約を交わします。

この「手数料」は、すべてがオーナー店長の収入になるわけではなく、店長はそこから店を切り盛りしたり、自分の店で働くパートを雇ったりする費用を捻出しなければなりません。

「手数料」は、店舗の売り上げに一定の料率を掛け算した額で支払う契約になっていますが、この委託手数料には、一定額の「年間最低保証額」も設定されています。料率も「年間最低保証額」も店長ごとに違いますが、今回立ち上がった都内の店長は、全員料率21.6パーセント、年間最低保証額460万円と設定されていました。

年間売上額や料率からして、実質的に「年間最低保証額」=店舗の年収(店長個人の収入とは異なることに注意。ここから店の運営費用等も出さなければなりません。)となる店長も多いです。

 

まず問題なのは、この「年間最低保証額」が安すぎることです。

契約で店長に義務付けられた営業時間11時間に前後の作業時間を加えて1日12時間の労働時間とし、また年始3日を除き店を休むことは許されていないので362日の営業日、これを全ていわゆるワンオペで、かつ最低賃金ギリギリの時給(2019年1月現在、東京都なら985円、千葉県なら895円です)で働いたとして、法定時間外割増賃金も含めた人件費を計算してみると、それだけで東京都なら460万円、千葉県なら420万円を超えます。

 

つまり、「年間最低保証額」は、実質的に最低賃金で支払われる賃金額と同じくらいでしかないのです。

しかも、店長に実際に支払われるのは、ここからさらに販促費や保険料の名目で毎月1万円引かれた額なうえに、店長は店の運営のために必要な諸雑費もここから出さなければなりません。

そうであるにもかかわらず、会社は、この「年間最低保証額」すらきちんと支払わないことがあるのです。

 

そればかりか、会社は、昨年2月頃、都内のオーナー店長たちに対し、契約期間中にもかかわらず、年間最低保証額を切り下げ420万円にすると一方的に通告してきました。これは実質最低賃金以下しか支払わないということです。

これは、会社による、オーナー店長の「買いたたき」そのものです。

 

②一日11時間営業・年中無休を義務付けられ、休憩時間もとれない

オーナー店長は、契約で、お店を年中無休・営業時間11時間で運営することを義務付けられています。

また、店舗受付の休憩時間のために店を一時間ほど閉めることも認められていませんから、よほど売上額が高く手数料収入が多くて潤沢にパートを雇える店(現実的にはほぼ無理です)でなければ、受付は休憩時間もとれません。

 

結局のところ、オーナー店長自身が、ほぼワンオペで、休憩時間も、お盆や正月の休みもなく店を開け続けなければならない状況に陥っているのです。

これはあまりに過酷な労働条件です。もちろん労働者をこのように働かせることは完全に違法ですが、形だけ「オーナー店長」とすることで、労働基準法の規制を逃れられると会社は考えているようです。

 

③保証金で契約に縛り付け、しかも逆らったり辞めたりすると没収する

上記のように、まさに搾取というべきひどい契約なのですが、それに加えて、店長は契約締結時に保証金50万円を差し入れさせられます。

この保証金は、契約期間(3年と設定されることが多いです)中に店長が辞めたり、あるいは契約違反を行ったりした場合に、会社が返却しないことができるようになっています。

つまり、搾取のひどさやパワハラ(後述)に嫌気がさして辞めたり、過酷な労働に耐えられず病気になったり、あるいは冠婚葬祭のため店を閉めたりすると、差し入れた保証金は取り上げられてしまうのです。

このようにして、店長をあまりに不利な契約にしばりつけ、かつ逆らうことができないようにしているのです。

 

④クレーム対応もオーナー店長に丸投げ

クリーニング店の仕事は、ざっくり言うと

「店舗で衣類などを預かる⇒工場で洗濯する⇒再び店舗でお客さんに渡す」」

という流れです。

 

ステージコーポレーションには、本社に併設された1つの工場で、すべての店舗から集めた衣類を洗濯しています。

仕事の性格上、洗濯後の商品の不具合などのトラブルが発生することはありますが、この会社では、事故が発生した際に、原因を調査することもせず、クレーム対応をオーナー店舗任せにして、本社では一切クレーム対応を行っていません。

さらに、商品に不良などの事故が起こった際の賠償責任も、事実上オーナー店長に負わせています。

労務管理だけでなく、顧客対応や、事故賠償責任まで、面倒なことは全てオーナー店長に丸投げし、押し付けているのです。

 

⑤販促費や保険料の二重取りをしている

上に書いたように、オーナー店長は手数料収入の中から宣伝費や保険料の名目で、毎月1万円を支払っています。

しかし、実際には、会社が勝手に「20%オフセール」を開催して、売り上げの割引分を二重に負担させています。

また、店舗の火災などの保険料を毎月支払っていますが、実際に火災が発生した場合は、オーナー店長に責任負担があるという契約を結ばせています。これも筋が通らない話です。

 

⑥社長によるパワハラ

詳しくは書きませんが、店長を怒鳴りつけたり恫喝したりといった、社長によるパワハラが行われています。

このようなやり方で「管理・統制」しているということも考えられます。

しかも、上に書いたように、契約上、パワハラに耐えかねて辞めるような場合にも、保証金を返却しないことができるようになっています。

保証金を取り上げられたくなければ、店長は耐えるしかないのです。あまりにもすさまじい搾取・支配のありさまではないでしょうか。

 

適切なオーナー制度と健全な労働環境の実現に向けた要求

私たちは、このような、会社のやり方に対して、おおむね次のような要求を掲げ、会社と交渉を開始します。

 

(1)委託手数料について

①年間最低保証額の未払い分を支払うこと

②年間最低保証額の一方的な切り下げをしないこと 

③年間最低保証額をアップすること

 

(2)休日、休憩について

①年中無休の義務付けをやめ、毎週定休日を設けることを認めること

②毎日1時間、休憩中に閉店することを認めること

③年末、お盆休みを認めること

④臨時休業を認めるか、補填人員の配置を行うこと

 

(3)品質アップに努めること

 

(4)クレーム処理を本社で対応すること

 

(5)店舗に事故賠償責任を押し付けず、これまでの弁償分を返還すること

 

(6)販促費、保険料の二重取りをやめ、これまで店長が余計に支払った分は返還すること

 

(7)パワハラは即刻やめること

 

(8)不当な保証金の没収はやめ、解約時には即時に返還すること

 

(9)消費税の納付について説明すること

 

ステージコーポレーション、ステージ21、ドリームで働く皆さん。

会社の問題を正し、適切なオーナー契約で、健全な生活を守り、働きやすい職場、お客様に喜ばれるサービスを提供するために、ともに闘いましょう。

オーナー店長をはじめ、直接雇用で働く方の相談にももちろん対応します。いつでもご相談ください。

 

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