日本ユニシスの過去の不法行為について

2019-02-06

日本ユニシスは過去の不法行為を認めるべきである

労評では日本ユニシスで働く労働者からの訴えを受けて、日本ユニシスの過去の不法行為について団体交渉で話し合いを求めてきた。しかし、会社側は問題としている不法行為の事実が20数年前のことであるということから、時効を理由に組合が要求した事実確認さえも拒否してきた。やむを得ず、当時の事情を知る現取締役などに手紙を出し、会社の過去の不法行為を認めて謝罪してほしいとの訴えを行ったが、これも拒否されている。果たして、過去の企業の不法行為を時効を盾に事実調査も拒否することが妥当なのだろうか。今般、戦争当時の徴用工問題で韓国最高裁は企業の賠償責任を認め、新日鐵住金の差し押さえに入ろうという事実もある。労評が日本ユニシスの不法行為を取り上げているのは20数年前の出来事である。しかも、賃金不払いの請求が時効により会社に支払い義務がないのであれば、せめて過去不適切な労務管理により、社員に迷惑をかけて申し訳なかったとの謝罪の意思を示して欲しいという要求さえも拒否しているのだから、企業倫理から見ても許容できないと言うべきである。

 過去の残業代の未払い問題

会社の不法行為というのはこうである。20数年前、日本ユニシスはTRITONという金融システムの開発のために地方のJAに配属された社員は、毎日の残業に加えて、土日の

出勤も余儀なくされていたので、膨大な残業時間が発生した。36協定をはるかに超える残業時間は切り捨てられていた。しかし、会社はポケットと称する個々人の残業時間プー

ル制度に毎月蓄える方法で、36協定を超える残業時間をプールしていた。正確な形で36協定を超える残業時間を計算してプールしていたわけではないが、ポケット制度が存在

した理由は、「36協定ぎりぎりの時間が続くと不自然」「予定よりもプロジェクトに人的予算がかかっていることをかくすため」などの多種の理由により、金融システムに従事す

る労働者には「後で清算する」という建前で、このようなシステムを作っていたのである。

しかし、労評に加盟し組合員となった労働者は残業時間は常に36協定の上限を超えていたので、ポケットに蓄えられる残業時間はたまる一方であった。ポケットで蓄積された残

業時間は1000時間をはるかに超えていたと思われる。このポケットという制度は、2年間の時効などを考えたら成り立たないシステムであり、何年でも溜まっている残業時間

は清算してもらえることになっていたのである。しかし、組合員は地方のJAに4年ほど勤務し、その後本社勤務になったが、その時にポケットに蓄えた残業時間の上限を500時

間にされてしまった。その500時間さえも、組合員がポケット制度のない非金融部門に異動させられた結果、一円も清算されなかった。組合員が会社に騙されたのである。サー

ビス残業を強いられた未払残業代の金額は数百万になるであろう。

安全配慮義務を欠く業務命令

当然にもこのような過酷な働きぶりは、周りから見ても看過できないものであったが、当時の労働組合も問題視し、調査はしたものの、改善にまでは至らなかった。組合員の上司は、残業時間が多すぎると叱責し、事情を知ると何も言わなくなり、組合員に会っても無視するようになった。組合員が他の誰よりも超過勤務を強いられている状況を改善しようともしなかった。組合員は土日の出勤を命じられていたが、それは土日に出勤できるのが組合員だけだったことによるものであったからである。そして、平日の勤務においても、午前4時に帰宅して、午前5時に自宅を出るような極めて苛酷な勤務も強いられていたのである。

さらに、前社長がTRITONシステム構築を行っていた百五銀行電算センターにて、当該の労働者は過重な残業をするように、不当な指示を受けていた。この百五銀行電算センターにおいても、社員にはポケットの制度が設けられ、残業時間がプールされていたのである。その結果、組合員はうつ病を発症し、その後症状は改善されたものの、現在に至っても通院は続いている。

時効を盾に問題を究明しない日本ユニシス

このように、20数年前のことだからと不問に伏すことはできない問題である。団体交渉の場で会社は20数年も前の過去のことを調べることは無理があるとも述べ、また時効で残業代請求はできない以上、調べる必要もないと言った。ポケットという制度自体、時効などは考慮されていない残業隠しの手法であり、会社が時効を主張すること自体おかしな話である。労評は前社長や現在の取締役の中に、当時それらの仕事にかかわっていた人物がいることから、調査は可能であり、かつ事の重要性からして調査はすべきであると主張した。会社は持ち帰るとしたうえで、結果として調査はしないと拒否してきたのである。

労評としては、時効という法律の壁の前に、被害を被った労働者が泣き寝入りすることは許容できないことと考えているので、何らかの方法をもって、企業倫理からしても、一定の責任は取ってもらうよう継続して働きかけていきたいと思う所である。

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