不合理な「労働強化」、「非正規差別」を許さない!-労評スリーエス分会の闘い-

2019-02-21

偽装請負問題からの組合を結成。雇用契約、残業代請求交渉で全面勝利

労評が株式会社スリーエスコーポレーション(本社:京都府宇治市)で分会を結成して、2年半が経過しました。

 

結成当時のブログ記事はこちら

 

(東京支社の入るビル)

 

東京支社で働く約20名の労働者が、会社の悪質な偽装請負問題を是正させるために立ち上がり、分会結成。

組合員全員とそれ以外のすべての請負契約だった労働者の雇用契約獲得と、全社員に対して、総額1億円を超える過去2年分の未払い残業代を、組合が一致団結した粘り強い闘いで全額返還させ、結成当初の経済闘争では、大きな成果を勝ち取りました。

 

そこまでの闘いで特筆すべきは、団体交渉だけでもって、組合の要求を全て飲ませたところでした。

これは、会社からの抑圧を組合の団結の力に変えて敢然と闘った結果が表れたのだと思います。

 

人手不足による現場の異常な労働強化

最初の壁であった偽装請負問題を解決し、組合が出来たことによってその後も、現場で起こる問題は逐一団交の議題にし、是正をさせてきました。

しかし、それでも現場は問題は山積みです。

昨年の繁忙期後から大きな問題となっているのが「人員不足による現場の労働強化」です。

建設業界の繁忙期である3月には、100時間を優に超える残業をこなし、以前であれば、3人で行っていた現場を2人以下の人数で作業し、中には一日に1人で何軒もこなす人もいるような状態が続いています。

会社は私たちに未払い残業代を支払う一方で、退職者が出て人手不足になっても、人員を補充せず、現場では36協定を超える残業が横行していたのです。

当然組合もその状況は分かっていながらも、昨年の繁忙期は圧倒的な忙しさのなかで、とにかくお客さんに迷惑をかけないようサービスを提供するために、体を張って仕事をし、企業の存続のために貢献してきたのです。

現場のこんな状態にありながら、会社は昨年過去最高の利益を上げています。

このことから見えてくるのは、私たちは未払い残業代を自分たちの労働強化によって稼がされていたということです。

 

組合は新たな人員の募集と無期転換に伴う労働条件を要求

繁忙期が明け、会社に対して、速やかに人員補充をするように団交で申し入れました。

また、もう一つ懸案だったことが、無期転換による新たな契約締結後の労働条件についてです。

過去の偽装請負時代から併せても組合員でも半数以上が、無期転換の対象です。中には10年以上勤務している組合員もいます。

現場に出れば、アタマ(現場責任者の立場)として他のアルバイトを率いて、作業をし、顧客とのやり取りや、取引先との調整も行っています。

この実態をみれば、同じ工事部の正社員と現場での仕事の内容はほとんど差がないと言えます。

この現状を踏まえて組合としては、昇給の上限の撤廃、特別休暇の付与、休職制度、一時金(ボーナス)の支給、生活給としての住宅手当・家族手当を求めました。

 

団交で会社は「外注業者を増やして対応するから心配はいらない」と主張しました。

外注と言えば聞こえはいいですが、実態はスリーエスの仕事をこれから覚える業者がほとんどでした。

あろうことか、スリーエスの労働者が外注業者に仕事を教えたり、外注業者の作業の手直しもスリーエスが行うことになるなどと、到底、独立した業者と言えるものではありません。

会社は、「外注業者を入れることによって、直接に作業する現場数を削減でき、皆さんの残業時間も削減できますから」と自信たっぷりに言います。

しかし、そもそも組合の要求しているのは、定時までのなかで労働強化に陥っていることを問題にしているのであって、会社の言っていることは何一つ回答になっていません。

労働強化の解消を解決するどころか、より深刻化して現場に混乱を招くことは必至でした。

 

さらに、無期転換に伴う要求については、まったくのゼロ回答。弁護士を盾に、「法律上は雇用期間が無期になるだけですから」と何の誠意もありません。

 

団交で客観的なデータで追及、会社の本音を漏らす

その後も、会社は「とにかく外注を入れてなんとかするから直接雇用は当分しない」と何の根拠も示さず頑な態度を崩しません。

組合は、2018年9月~11月にかけて、現場で会社の言う外注政策によって具体的にどんな支障が出るかの事例を集め、さらに、同じ期間のすべての現場と、3年前の同じ期間のすべての現場の作業人数、作業量を比較、集計し、客観的なデータをもって会社を追求しました。

このデータで明らかになったことは、まず外注政策は、3か月間の間だけでも20件以上に及ぶ不具合が生じており、さらに、労働に関しては、3年前と比較して、1.5倍以上の労働を課せられていることが数字の上からも明らかになりました。

実態としては、不具合があったとしても、現場の組合員はクレームにならないように機転を利かせて、なんとか現場を納めているので、労働量では測れない、精神労働、感情労働の面をプラスされれば、労働者への負担はかなり増えているということです。

11月の団交で以上のことを厳しく追及すると、会社は社長以下何も言えず黙り込み、唯一、弁護士が「データのとり方に疑問があります」と言うだけで、ぐうの音も出ないというところだと思います。

それでも会社は外注で乗り切る方針を下げようとはしません。何故なのか、組合員は怒り心頭で社長を追求しました。

すると社長は「建設業界は、これから新しいマンションの着工数も減少していく。そのようななかで新しい人を雇用したら、仮に会社が傾いたときに辞めてもらうこともできないから、雇用するのはリスクなんですよ」と発言しました。

これは社長の本音だと思います。

労働者をリスクやコストでしか見ていないということです。

現場の切実な状況や、会社の無策ぶりが露呈したとしても、結局のところ会社の考えていることは、

「労働者に無理をさせておけばいいし、仮に今いる従業員が退職していったとしても、外注をうまく使えば、自分たちの懐は痛まないから関係ないや」

というところではないでしょうか。

まして、こういう状況で、サービスの質が低下し、顧客に迷惑がかかる、会社としての信用問題になるということは夢にも思っていないでしょう。

 

スリーエス分会は徹底して「労働強化」と闘う。

 スリーエス分会は、このような会社のやり方に対して決して妥協はしません。

社長の雇用はリスク発言に表れているように、いかに労働者と会社が非和解的関係にあるかが分かります。

企業は経営者の私物ではないですし、スリーエスは特に、アルバイトの組合員を含めた労働者が実際に床をコーティングしたり、営業をしたりしなければ会社は機能停止です。

どの会社同じですが、労働者の貢献がなければ企業は成り立ちません。

だからこそ、社長の発言は決して受け流すことはできないことであり、労働強化を強いられていることに対して、妥協することはできないのです。

直近のやり取りでは、年末の交渉で、1月末までに考えて対策を出しますと言いながら、団交で確認すると、同じ発言の繰り返しと、工事部の管理職が労働強化にならないようにコントロールすると、経営陣は責任転嫁をはじめました。いよいよ繁忙期が間近に迫っており、組合は、現場徹底して会社を追求していきます。

 

引き続き、報告をしていきます。

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