各分会で昇給交渉始まる

2016-03-31

政府と連合などの癒着による「官製春闘」はほぼ終了し、中小企業での昇給交渉はこれから佳境を迎えます。官製春闘で政府が財界に賃上げを要請しても、独占資本が一度貯めこんだ内部留保を簡単に手放すはずはなく、大企業においても昨年のようなニュースになるようなベースアップはありませんでした。当然のごとく、これから本格化する中小企業の賃上げは実質賃金の減少に歯止めをかけられるような金額になることは難しく、引き続き中小企業労働者は低賃金を強いられるでしょう。

そのような中で、労評の各分会も賃上げ交渉が始まりました。どの企業も経営状況の説明において、減収減益の報告が多く、羽振りの良い企業はまれと言えるでしょう。だから賃上げ交渉は厳しいと言えるでしょうか。決してそういうものではありません。経済闘争は単に賃上げを多く勝ち取ることが目的ではありません。中小企業にあっては厳しい企業経営において経営側の態度が問題となります。労働組合との協力を求めるのか、組合との交渉はするが「賃上げなどの労働条件は会社が決めるんだ」とばかりに、雇ってやっているという使用者意識を丸出しにして、労使対等の立場を理解しようとしないのかでは、根本的に違ってきます。すなわち、団体交渉に臨む労使関係に最も注目しなければなりません。

ある分会では査定基準が不明朗で、特定の会社役員が恣意的に賃上げ額を決めています。その手法は個別ミーティングです。非組合員に対しては会社役員が評価を一方的に伝えて「君はもう少し頑張ってもらいたいので、今回はこの金額だ」と、全体的基準を示さず上意下達で賃上げをします。組合が少数の場合、非組合員の情報を開示せず、組合員のみの査定を示して不透明な査定と賃上げの手法で労働者を支配管理しようとします。また、ある分会では55歳で昇給ストップという組合結成以前の制度に固執し、その理由を55歳を過ぎたら体力が落ちるから昇給はしなくて良いと言い張ります。

このような事例は、労働組合を交渉相手として尊重し、誠実に交渉して、労働条件は労使交渉を通して決定するという態度を取ろうとしない典型です。経営側が誠実に交渉に臨み、透明性のある賃金制度や査定基準をつくり出すように導くことが労働組合の任務と言えるでしょう。今春闘においても、労評としての力量が試されるわけですが、労使対等の交渉を貫けるように、一層の奮闘を期待したいところです。

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