「2018年問題」へ取り組み

2017-09-25

2018年4月、いよいよ改正労働契約法18条の適用開始

いわゆる「2018年問題」と言われている労働問題があります。

これは、2013年4月の労働契約法18条が改正により定められている

「有期雇用契約を5年以上継続した労働者が希望した場合は、使用者は無期契約に転換しなければならない」

という、いわゆる「5年ルール」が、2018年4月、いよいよこの改正労契法18条の適用が始まることを指してこのように呼ばれています。


改正法の3ルール

Ⅰ 無期労働契約への転換

有期労働契約が反復更新されて5年を超えたときは、労働者の申し込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。

Ⅱ「雇止め法理」の法制化

最高裁判例で確立した「雇止め法理」が、そのままの内容つので法律に規定されました。一定の場合には、使用者による雇止めが認められないことになるルールです。

Ⅲ 不合理な労働条件の禁止

 有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の相違を設けることを禁止するルールです。

 

2015年9月30日の派遣法改正により、派遣労働者の「2018年問題」もあります。

派遣先の同一事業所に対して派遣できる期間は3年となり、同一の労働者を派遣先の事業所における同一の組織単位に対して派遣できる期間も3年が限度となるため、2018年9月30日が抵触日になります。労働契約法改正の影響との相乗効果で、2018年に派遣社員を含めた多くの有期契約労働者が雇い止めされる可能性が懸念されています。


改正労働契約法18条の適用による変化と問題点

例えば、2010年位から1年契約でずっと働いてきた非正規労働者は2018年4月を過ぎたら、無期契約を申し込むことができます。

この法改正の背景には非正規労働者の地位の改善などの名目はあるものの、法律が定めているのは、有期雇用契約から定めのない無期契約に転換するだけであり、労働条件などの待遇面については一切触れられていません。

つまり、会社側は労働者の申し入れがあった場合は拒めないことから、できるだけ労働条件に触れずに契約だけを無期に変えるだけで終わらせようとする懸念があります。

一方、労働者側はこれを契機に待遇面の改善を要求し、2018年に入ったら労資間での熱い交渉が始まることが予想されます。

とある大手企業では、2000名の有期雇用社員を全員正社員にしたという情報もあります。

しかし、実情は労資双方において「2018年問題」の認知度があまり高くなく、準備を意識的に取り組んでいる労資は少ないのが実情ではないでしょうか。

このようななかで、悪賢い会社はすでに、労働契約法18条が改正された段階で、5年以内の雇用契約を締結し、2018年4月以前に契約満了で終わらせていることも考えられます。

労評の「2018年問題」への取り組み

労評に加盟する組合員の中にもパートやアルバイト労働者が多数おり、この2018年問題をしっかりと取り組んでいなければなりません。

例えば、A分会は組合員の過半数は5年以上有期雇用契約(形式上は偽装請負)で働いてきたことから、「2018年問題」が大きなテーマとなってきます。

まだ、これから取り組む段階ですが、A分会の組合員は、業務内容はほぼ社員と同じであることから、無期契約と同時に社員への登用を定めるかどうかなどの議論も必要となってきます。

また、日給制から月給制(いわゆる月給日給)への転換、1年位の休職期間の設定、特別休暇(冠婚葬祭)の増大など、無期契約の転換に伴って労働条件や待遇などについてしっかりと話し合って準備しておかなければなりません。

この無期転換に伴う労働条件の検討に当たって、労働契約法20条の規定を適用する必要があります。

労働契約法20条は「正規労働者と非正規労働者が同じ業務を行っている場合は、その待遇に差別的取り扱いをしてはならない」という趣旨であり、いわば同一労働同一賃金の原則に基づく援用を示したものです。

つまり、有期雇用契約から無期雇用契約に転換する際には、この労働契約法20条の規定に基づいて、業務内容や労働形態が正社員とほぼ変わらないのであれば、無期転換に関わる労働条件や待遇を正社員並みにすることを要求すべきであると考えています。

 

労働組合の経済闘争は単純に経済要求をぶつけるということではありません。

法制度を活用し、法の定めた範囲だけでなく、労働者の階級論理から経済要求を組み立て、資本側との闘いを通して権利を獲得することに尽力しなければならないと考えます。

 

 

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