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【不当判決を糾弾!】トールエクスプレスジャパン事件大阪高裁判決 弁護団声明

2021-02-26


 


 

トールエクスプレスジャパン事件大阪高裁判決

弁護団声明

 

2021年2月26日

トールエクスプレスジャパン事件弁護団

弁護士 指宿昭一

弁護士 中井雅人

 

2021年2月25日のトールエクスプレスジャパン事件大阪高裁判決(清水響裁判長)は控訴棄却(一審原告敗訴)の不当判決であった。

国際自動車第2次最高裁判決によれば、本件賃金規則による時間外労働手当の支払いが労基法37条の割増賃金であるといえるためには、通常の労働時間の賃金と時間外手当が判別できること(判別可能性)が必要であり、判別できるというためには、時間外手当が時間外労働等に対する対価として支払われていること(対価性)が必要である。本判決もこの前提は認めている。

 

本判決は、「本件賃金規則においては、能率手当を含む基準内賃金が通常の労働時間に当たる部分、時間外手当A、B及びCが労基法37条の定める割増賃金であり、当該割増賃金は他の賃金と明確に区別して支給されていると認めることができる」として、対価性を検討する前に、きわめて形式的な判断で「判別可能性」を肯定した。

 

そして、対価性については、①能率手当は「集配職の業務の効率化を図る趣旨で、出来高制賃金として能率手当を設けることには合理的理由があ」るという判断を前提に、②時間外手当Bは、国際自動車の「事案とは異なり、能率手当が発生しない場合に時間外手当Bだけが支払われるという事態が発生することはな」いから、「時間外労働に対する対価として支払われるものと認められ」、③時間外手当Aについては、「時間外労働等が増加しても賃金総額が変わらないという現象自体は、いわゆる固定残業代が有効と認められる場合にも同様に生ずることであるから、それだけで本件賃金制度における能率手当が同条の趣旨を逸脱するものであると評価することはでき」ず、「労働時間に応じた賃金については」、労基法27条と労働基準規則によって「出来高払制賃金と労働基準法37条の趣旨との整合性が図られて」いるから、「実質的にみて、本件計算方法を採ることにより、売上高等を得るにあたり生ずる経費としての割増賃金の全額を集配職の労働者に負担させているに等しいと評価することはできない」として、「時間外手当Aは、実質的にみても、時間外労働等の対価として支給されるものというべき」として対価性を肯定している(この点が、国際自動車第2次最判と最も違う点である)。

 

本判決の特徴は、国際自動車第2次最判が基準とした、時間外労働を抑制し、労働者への補償を行うという労基法37条の趣旨に従って、対価性及び判別可能性を判断していないことである(その代わりに重視する価値が「業務効率」である。)。労基法37条の趣旨は、判断の基準として形式的に述べられているだけで、実際の判断の中では顧みられておらず、実際の判断は労基法27条や労働基準規則に明確に違反していなければ、雇用契約と労使合意で自由に賃金規則を制定することができると考えていることである。強行法規である労基法37条よりも雇用契約や労使合意を上位に置いているとしか思えない契約自由の原則の一面的な強調が本判決を支える思想である。

 

清水響裁判長は、かつて国際自動車事件第2次訴訟一審において労働者敗訴の判決を書いた裁判官である。この判決も、契約自由の原則と労使合意を労基法37条の上に置き、労基法27条などの明文の規定に反しない限り、どのような賃金規則を作ることも自由であるということを前提になされたものである。この判決は控訴審で維持されたが、上告審である国際自動車第2次最高裁判決で明確に否定され、破棄差戻された。

 

これらの2つの清水判決は、契約自由の原則を一面的に強調することで、労基法37条の趣旨を否定し、「残業代ゼロ」制度としての賃金制度を容認する許しがたい不当判決である。このような判決が確定すれば、戦後労働法制が守ってきた労働時間規制が崩壊しかねないことになる。清水裁判長は、自らの判決が最高裁で否定されたことにも懲りず、亡霊のような反動判決を言い渡した。一審原告と弁護団は、本判決に対して上告・上告受理申し立てを行い、最高裁での逆転勝訴を目指す。

 

現在の裁判制度は、資本主義社会における体制維持の一機関にすぎず、我々はいわば敵の土俵の上で闘っている。裁判の勝敗よりも大事なことは、当該労働者を中心に団結が強化され、闘いが前進することである。本件訴訟においても、当該労働者らは、大阪地裁敗訴判決に負けることなく、労働組合としての団結を強化して、全国の労評の仲間とともに総労働の力で闘ってきた。今回の反動判決に対しても、当該労働者らは負けずに前進するであろう。弁護団も、当該労働者及び全国の労評の仲間と共に、トールエクスプレスジャパンにおける労働運動の前進と最高裁における逆転勝訴に向けて全力で闘うことを表明する。

以上

 


 

〇連絡先〇  

日本労働評議会(労評)

交運労トールエクスプレスジャパン労働組合

TEL:080-7560-3733

(労働相談専用電話番号)

日本労働評議会(労評)中央本部

TEL:03-3371-0589 FAX:03-6908-9194

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【労評交運労トール労組】トールエクスプレスジャパン残業代裁判  高裁判決は延期!!

2020-02-06

国際自動車の最高裁判決をにらみ、逆転勝訴の動き!!

残業代の不払いは交通運輸業界全体に蔓延しています。

その結果、どの会社でもトラック労働者の労働力不足が深刻化しています。

トールでも会社とトール労組は労働協約を結び、賃金対象額からそっくり残業代分の分を差し引き、その上で残業代を支払えばよいという賃金体系を作り上げました。

 

能率手当=賃金対象額-時間外手当A(残業代)

 

これに時間外手当Aを支払っても残るのは、賃金対象額のみとなり、残業代は支払われていません。

トール残業代裁判は、労評交運労トール労働組合広島分会によって取り組まれています。

この裁判闘争は、交通運輸業界全体に蔓延している残業代不払いという悪弊を正すための闘いです。

 

トール(トールエクスプレスジャパン株式会社)残業代裁判では、何が争われているのか?

以下は、大阪高裁に残業代を支払っていないことを実証するために提出した資料です。

控訴人は、労評の組合員のことで、被控訴人は会社のことです。

 

 

2014年10月、一ヶ月に82時間も残業を行って約25万6千円の支給総額でした。

裁判を起こそうと決意するきっかけとなった当時の賃金です。

一番上の棒グラフが、労働基準法に基づく支払いでは約34万円になりますが、実際支払われている賃金は残業代84,770円を賃金対象額から差し引かれ、25万6千円です。

つまり、割増賃金である残業代84,770円が支払われていません。

裁判は、この残業代不払いを過去2年間にさかのぼって支払えという裁判ですが、集配労働者の待遇を改善する裁判でもあります。

 

大阪高裁で勝訴判決が出たら、「御用組合」を辞めて労評に加盟し、残業代を取り返そう!

集配職労働者は、土曜日以外、毎日毎日残業をさせられています。

その残業に対し、会社は裁判で、

 

「残業をする労働者は労働効率が悪いから、だから残業代を差し引くのは正当だ、これは多数派組合であるトール労組と合意した労働契約だ」

 

と、主張しています。

 

こんな主張を裁判であつかましく主張するならば、社長、支社長、支店長、そしてトール労組の幹部は、集配業務を残業をせずに終らせることをわれわれに示してみたまえ!

 

残業代ゼロの賃金制度の廃止を求める裁判闘争は、日本で働く全労働者の権益を守る闘いです。

会社と御用組合の結託によって、残業代ゼロの賃金制度が作られました。

大阪高裁で勝訴判決が出たら、御用組合をやめて労評に加盟し、残業代を取り返そう!

 

労評は、各地で裁判説明会を開催予定です!

未払い賃金の請求権は、裁判を起こさなければ、2年間で失われます。

同じような賃金未払いを争っているの事件で、国際自動車の最高裁で口頭弁論が開かれることが決まりました。

ということは、労働者側の勝訴する可能性が強いということです。

国際自動車の裁判で、労働者側が勝訴すれば、大阪高裁のトールの裁判は、100%勝訴します。

労評は、トール裁判の大阪高裁判決後にはすぐに労評東京都本部主催、また関西地区、東海地区等で裁判説明会、相談会を開催する予定です。

判決結果を聞きたい人、自分も裁判に参加したい人はぜひ参加して下さい。

また、トール以外の運輸関係労働者の方からの相談も受け付けます。電話相談も受け付けます。

 

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