9月16日中商労災裁判控訴審「勝 訴」判決!
東京高裁は中商資本の安全配慮義務違反を認め、逆転勝訴判決を勝ち取った
● 当日の状況 ●
13:30 裁判長が「安全配慮義務違反があった」と判決を言渡し
13:30 東京高裁門前で旗出し
13:45~15:00 支援者集会(法律研究会サークル学生4名が支援)
14:40~15:20 記者会見
● 労評弁護団から ●
弁護士 指宿 昭一
神奈川県川崎市の産業廃棄物処理業「株式会社中商」において発生した重大な労災事故をめぐり、被災した労働者(日本労働評議会中商分会 分会長・奥浜正仁氏)が会社に安全配慮義務違反の損害賠償を求めている裁判の控訴審判決で、9月16日に東京高等裁判所にて「安全配慮義務違反を認める」とする勝訴判決が言い渡されました。
本件は、稼働中のコンベアのスクリューという高度の危険源がむき出しの状態で放置されていたにもかかわらず、会社側が「稼働中のコンベア内に手を入れてはいけないというルールが現場に確立・浸透していた」と事実と異なる独自の主張を展開し、被災した労働者の不注意による過失であると責任を転嫁している極めて重要な労働事件です。
労働安全衛生規則107条1項は、こうした危険機械の清掃・点検作業に際して原則として運転停止を義務付け、例外的に稼働を続ける場合は「危険な箇所に覆いを設ける等の措置」を講じるよう定めています。しかし会社は、開口部に金網等を設置していませんでした。さらに、作業マニュアルも存在していなかったのです。
横浜地裁川崎支部の一審判決は、安全配慮義務違反を認めず、労働者が全部悪く会社は1%も悪くないという判断でしたが、それが覆されたのが何よりも重要です。
今後の方針について、産廃処理業をはじめとする現場労働者の命と生活、尊厳を守るために不可欠な闘い今回の逆転勝訴を足がかりに、会社に対して安全衛生対策の点検と安全宣言を求める交渉を続けていきたいと思います。
● 労評の分析と見解 ●
一審判決は会社の主張を全面的に取り入れた判決だったが、控訴審で逆転勝訴となったことは重要である。中商では、提訴時から過去5年の間で8件の労災事故が起きており、危険な職場環境であったことは否めない。
高裁が安全配慮義務違反を認めたことは大きな成果だが、会社が本当に反省し安全な職場を作るかどうかは、これからの交渉にかかっている。
奥浜分会長は定年後再雇用のもとで現在も中商で働いているが、労評中商分会の団体交渉を通じて、定年後再雇用であっても賃金を100%維持する成果を得ている。定年後は2~4割の賃金が減額されるのが一般的だが、これは労働組合における成果であり、労働組合がなければ労働者の労働主権と人権は守られない。
重要な問題は、労働者個人の責任に擦りつけていることにある。労働者からすれば、いつ労災が起るかわからない状況で仕事をしており、仕事自体も危険な仕事である。労働者は商品ではない。労働者は血の通った人間である。労災事故の連鎖の事実が、単に労働者を「商品、物」として扱っていると言わざるを得ない。
● 控訴人 奥浜分会長から ●
安全配慮義務違反を裁判官が認めたことが何よりの救いだった。今日の判決をもって勝利したと実感している。これから新たなスタートラインだ。
現場の人手不足は変わらない、派遣に頼るのが実態、教育、指導は現場任せ、事故が起きたら誰が責任を取るのか。労災となり後遺症も患ったが、痛み以上に怪我をした自分が悔しかった。工場で起きた災害であり、資本は意図的に手を入れて自分から怪我をしにいったんだという主張に対し、そんなことは一切なく、怒りがこみ上げた。会社の義務を認識させ、労働者に意識を持たせ加入させたい。安全配慮義務違反は裁判所で認めさせたが、自分のことだけでなく、がんばっている労働者のために一人でも志を持つ仲間を増やしたい。
● 神奈川地区本部から今後にむけて ●
逆転勝訴、安全配慮義務違反を認めた最大の成果を武器に、①中商を安全衛生対策の典型にする、②安全宣言を求める、③労働者から安全をテーマにアンケートを集める、④裁判報告会を行っていきます。
労評は、勝訴後も労働者が安心、安全に働ける職場づくりを進めます。
日本労働評議会(労評) 労評中商分会
TEL:03-3371-0589
090-5514-7188(担当:鳥生)
090-2607-1152(担当:佐藤)
● 労働相談受付中 ●


