【タクシー】龍生自動車の無責任な不当解雇を許さない!
東京のタクシー会社、龍生自動車株式会社(東京・国分寺)は4月上旬に33名の労働者(乗務員及び事務所職員)全員の解雇を通告しました。
労評では、3年前に労働者が加盟し、龍生自動車と団体交渉を行ってきました。
過去の団交では社長が自らタクシーを運転し、「自分が少しでも稼いだほうが良い」と言い、経営管理に専念しない会社の経営体質の改善を要求してきました。
組合員の意見として、過去の内部留保を食いつぶしていくような経営態度であると述べているように、社長の熱意や責任感は感じられませんでした。
そのような中で、突然かつ一方的に「事業継続が困難である」と言い放ち解雇通知してきたことは、当然納得できるものではありません。
労評は速やかに団体交渉開催を申し入れ、4月24日に団交が行われました。
経営努力をしてこなかった無責任な龍生自動車資本
団交では、冒頭弁護士が作成した資料に基づき経営状態が苦しく、赤字から回復する見込みがないので「事業を廃止する」と言い、すでに債務超過に陥っている可能性があるとか、直近5年間ずっと経営が傾いており、社長の個人資産を投じて赤字を補填してきたが、ここにきて新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、一従業員当たりの売り上げが一日に2万円を下回るなかで最低賃金も保証できない状況であるなど、とても経営を維持できる状況ではないなど説明をしてきました。
新型コロナ禍にあって、タクシー業界が苦境に立たされていることは事実であり、龍生自動車の経営状態も決して健全な状態ではないことは偽りではないことはわかります。
しかし、労働者の生活がないがしろにされて良いわけがありません。
コロナ禍のなかで、解雇されては、どのタクシー会社にも転職できず、労働者の生活と命は危機にさらされます。
労働者の雇用と生活を預かる経営者として、解雇を回避するための努力を必死になってやることは最低限の役目だと思いますが、この資本にはその熱意が感じられません。
さらに龍生自動車の経営の悪循環は今に始まったことではありません。
今回の団交でも、新人を全く入れる努力をしていないことについて、社長は「自分の経営努力が足りなかったのは如何ともしがたいが、小規模では難しい」と開き直ります。
この状況を招いた責任は果たしてどこにあるのでしょうか?
「計画倒産」ともいうべき不当解雇は許さない!
このように、小規模な会社だから大きなところには対抗できないとか、社長は自分に経営能力がないと言い訳を述べながらも、長年に渡り、然したる経営努力もせず、内部留保を食いつぶし、かろうじて会社の形を維持していただけです。
つまり、今回の「事業廃止」は事実上の「計画倒産」と言っても過言ではありません。
このような経緯がありながら、いくら現状が苦しいという点だけを並べられて、いきなり解雇を宣告されても納得はできません。
今回、会社は事業廃止をしたのであり、会社法人は潰れていません。
他の会社に譲渡しようと思えば、労働者の雇用を維持しながら他社に譲渡すればよいことであり、雇用に責任を負う経営者ならば、このような無責任な解雇はしません。
労評は、このような無責任な解雇を許さず、徹底して闘います。
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