【労評交運労トールエクスプレスジャパン労組 】2019年春闘団交報告② -2/26第2回団交を開催-
2月26日、春闘第2回団体交渉が行なわれました。
1回目の交渉についてはこちら⇒『労評交運労トールエクスプレスジャパン労組 2019年春闘団交報告』
将来を見据えた賃金交渉
労評トール労組(労評交運労トール労組)は、係長以下一人当たり1万5千円の賃上げを要求しています。
この賃上げ額に必要な原資の総額は、年間にして約5億円です。
昨年は、年間約1億8千万円の賃上げ原資を確保し、一人当たり平均5.255円の賃上げ額でした。
今回の団交において、労評トール労組は、要求背景を以下、改めて説明しました。
【組合】
同業他社と比べて低い賃金を世間並みに近づけていかなければならないこと、確保した賃上げ原資は集配労働者の待遇改善のために集配労働者に多く配分すること、また勤続年数加給を引き上げトールに長く勤められるように配分する必要がある。
トラックドライバーの高齢化と不足が社会問題化している状況において、トラックドライバーの奪い合いが起きている。
数年間の計画を立て、賃金を世間並みに近づけるようしていかないとトールで働く人はいなくなる。
それでは会社の継続的発展はない。
以上が、今春闘の賃上げ要求の背景である。
【会社】
貴労組がめざしているところは、われわれが考えているところと違いはなく、異論はない。
(会社の賃上げ、一時金等の労働条件向上の努力を)去年から、目に見えて、実感してもらいたくて出してきたが、去年で終わってしまっては意味がない。
継続的にやっていく必要がある。
待ったなしだと認識している。
3月6日次回団交「焦点は世間並みの賃金に向けた賃上げ原資確保」
以上の原則的合意のもとに焦点は「一人当たり平均1万5千円の賃上げ原資、年間総額約5億円を確保できるのか否か」に移っています。
労評は、会社から提出された業績資料では不十分であると、損益計算書、売上原価明細書、貸借対照表等の財務諸表資料の提出を要求しました。
経営資料提出要求の背景は、以下の事実があるからです。
官報で公告されている2017年度決算のトールの損益計算書を見ると、粗利益(売上総利益)は、75億1千8百万円ですが、そこから「販売費及び一般管理費」=61億5千3百万円を差し引いた営業利益は13億6千4百万円です。
この損益決算内容は、同業他社と比べて異常です。
どこが異常かというと、売上高に対して「販売費及び一般管理費」の割合が異常に高く、それによって営業利益が著しく低下していることです。
この異常を改善し、現業労働者の賃金引き上げ原資を確保なければ、トールの将来はありません。
トールで働く現業労働者から「俺達が稼いだ利益を上が吸い上げている」という不満がよく出されるが、損益決算内容はこの不満を裏付けています。
官報公告では「販売費及び一般管理費」の用途の詳細は記載されていません。
それゆえ何でこんなに「販売費及び一般管理費」がかかるのか?
この疑問を財務諸表を提出させて明らかにし、関節費用を圧縮することで、賃上げ原資を確保するよう交渉していきたいと思っています。
ちなみに「販売費及び一般管理費」の項目には、役員報酬の項目もあります。
今のままでは、日産の前会長のように何億円もの役員報酬を受け取っているのか?
と疑われても仕方ありません。
次回団交は3月6日に行われます。