トールエクスプレスジャパン 広島で新分会結成される
本日、分会結成を会社に通知する
5月30日、以下の内容の要求書を大阪の本社に提出し、団体交渉を申し込みます。
要求書の内容
一、賃金対象額から差し引いた時間外手当分の賃金の支払いについて
貴社では賃金対象額から時間外手当(残業代)を差し引いた残りを能率給として支給しています。これは労働基準法37条の趣旨に反する違法行為です。
したがって、
①2014年6月度給与から2016年5月度給与までの間の、賃金対象額から差しい引いた時間外手当を全額支払うこと。
②2016年6月度給与からは、賃金対象額から時間外手当を差し引かずに賃金を支払うこと。
二、今後の労使関係について
①労使関係における会社側窓口を設置すること。
②貴社広島支店の会議室を組合活動のために使用することを許可すること。
トールエクスプレスジャパンで労働組合を結成した背景には、会社の残業代未払い問題あります。トールでは給与明細には形式的に時間外手当は支給されています。しかし、その時間外手当分が賃金対象額から差し引かれています。このように差し引くことが違法なので、2年かにさかのぼって全額支払うこと、及び今後賃金対象額から時間外手当を差し引かないようと要求しました。もちろん、広島だけでなく、全国のトールエクスプレスジャパンで働く労働者に共通した問題です。労評が皆さんに配布するビラを転載しますので、ぜひこれを読んで連絡をして下さい。
労評トールエクスプレスジャパン広島分会結成なる
労評大阪府本・労評トール広島分会
トールエクスプレスジャパン広島支店において5月22日に労評(日本労働評議会)トール広島分会が結成されました。簡潔に言えば、トールでは歩合給(賃金対象額)から残業代を差し引かれ、いくら長時間働いてもほとんど収入が増えないという、長時間・低賃金労働を強いられていることに対する労働者の闘いです。この点に関しては、歩合給から残業代を差し引くことは労働基準法37条の趣旨に違反する不法な搾取であり、過去2年間にさかのぼって残業代を全額支払え、また今後、歩合給から残業代を差し引くな!という要求を掲げて結成しました。このように労働組合の労働者独自の権利を守る闘いのために、トール広島支店の労働者は労評に加盟し、労働組合結成という方法を用いて挑みました。現在ある、トールの企業内組合は残業代未払い問題に対し、何ら取り組もうとしていない状況です。
交通運輸産業で働く労働者全体の労働問題
今、日本の社会・経済の状況は、アベノミクスの三本の矢は折れ、金融緩和政策等は成し得ず、金融機関、大企業、機関投資家、個人投資家等、一部の者だけが株、債券などで利益を得ています。大企業には大きな利益をもたらしたが、その得た利益を内部留保としてさらにため込み、そのために内需は拡大できず消費は冷え込み、実体経済はデフレから脱却することができない状況です。資本の利潤の内部留保により、大企業は膨大な利益を上げているにもかかわらず、労働者の賃金に反映されず労働者には低賃金と過重労働が強いられています。これは日本の物流を担う運輸業界においても同様です。現在、深刻なトラックドライバー不足が問題となっています。それは交通運輸業界においても個別の事業所、企業の枠を超えて、交通運輸資本の労働者への低賃金政策、過酷な長時間労働や過重労働が全国ほぼ一律に行われているからです。だからこそ労働者が個別企業、個別事業所等の枠を超えて総団結し、労働者全体の生活、利益の改革のための闘いに起ち上がることが今、切に求められています。
交通運輸労働者の総団結を目指して
トールの支店所在地は関東から九州に至ります。重要なこととして、このたび労働組合を結成した広島支店の労働者の願いは、労働者が団結し、連帯し、そして交通・運輸業の産業別労働組合を創りたいということであり、自分達の闘いは自分達だけの闘いではなく、トールエクスプレスジャパン全体の労働者の闘い、さらに同業種他社の労働者総体の闘いの一部としても考えています。この闘いの経過と過程、そして現状と今後について集会、および説明会を催しますので、ぜひこぞってのご参加を希望します。各支店の最寄りの労評地区本部にご連絡をください。また、労評弁護団顧問である暁法律事務所においても相談受付けをしております。
集会にあっては、労評トール広島分会の呼びかけのもと、全国の支店の労働者を結集して、交通運輸労働者の産業別労働組合を目指す大集会をいずれ開きたいと思っています。小さな集いは各支店の最寄りの労評地区本部にて開催していきたいと思います。いずれも自らの労働者としての明日の生活の改革に向かって闘い、そのためにも労働組合を武器とすることが必要です。トール広島支店の労働者の起ち上がりは一点の小さな火花にとどまらず、交通運輸単産建設に向かっていたるところに闘いの烽火を上げることになるでしょう。一人が万人のために、万人が一人のために、こぞってトール労働者の総団結を目指して起ち上がりましょう。
闘いは容易なものではないですが、その困難の先には労働者の利益を守る新しい道が拓けるでしょう。是非、心底よりご一報をお待ちしております。
詳しくは労評(日本労働評議会)のホームページ(https://www.rouhyo.org/wp/)をご覧ください。
<連絡先>
労評(日本労働評議会)大阪府本部
大阪府東大阪市西鴻池町2丁目2-10
TEL 06-7174-4523 Email rohyo-osaka@kansai.zaq.jp
労評(日本労働評議会)本部 ホームページ:https://www.rouhyo.org/wp/
東京都新宿区高田馬場3-13-3 高田馬場ファミリービル4F404
TEL 03-3371-0589 FAX 03-6908-9194 メールはホームページから
暁法律事務所(労評顧問) ホームページ:http://www.ak-law.org/
東京都新宿区高田馬場4丁目28番19号 きりしまビル4階
TEL 03-6427-5902 FAX 03-6427-5903 メールはホームページから
暁法律事務所は「法を尊び、法に頼らず」の精神のもと、労評とともに、徹底して労働者の権利を守る法律事務所です。労働者の声に耳を傾け、労働者と討議し、労働者と共に勝利を目指しつつ、勝敗を別にしても道理を貫いて戦い抜きます。今回、トール広島支店の労働者から相談を受け、トールの賃金規則の問題点を明らかにし、労評分会結成を支援してきました。今後、訴訟を通じた解決が必要になれば、全面的に支援します。