ロイヤルリムジン第4回団体交渉報告
5月6日にロイヤルリムジンとの第4回の団体交渉が行われました。
前回までの交渉の経緯はこちらから
今回の団交に向けて労評がロイヤルリムジン資本に対して要求した内容を以下の通りです。
労評の要求内容
要求書
2020年5月4日
ロイヤルリムジン株式会社
代表者代表取締役 金子 健作 様
東京都新宿区高田馬場3-13-3-404
日本労働評議会中央執行委員会
委員長 長谷川 清輝
喫緊の要求事項
事実が明確な事項から要求しますので、これらの事項は団体交渉以前に回答してください。
- M組合員の祝金の支給を速やかに行って下さい。
- M組合員の賃金不足分約10万円の支給を速やかに支払って下さい。
- 大阪のY氏の内定取消は実質解雇と同じです。解雇予告手当を含めて賃金六か月分を支払って下さい。
- 親会社であるロイヤルリムジンの決算書及びグループ全体の連結決算書の提出を求めます。
- 一二三交通の組合員の賞与の支払いの約束をして下さい。
次回団体交渉に向けての出席者の要求
この間、団体交渉に金子社長しか出席しません。一つは金子社長だけでは掌握していないことも多く、団体交渉の場で答えられないことも多くあります。他の取締役や弁護士が必要な場面もあります。不誠実交渉にならないためにも、必要な人員は出席させて下さい。二つ目には他の取締役は無責任です。経営責任を取り、矢面に立って交渉に臨むべきです。したがって、組合は次回団交に取締役、弁護士の出席を求めます。
上記の要求以外の団体交渉の議題
1.組合員の保証給の支払
民法130条の規定に基づき、貴社は5名の組合員に対して保証給4月分、5月分を支払う義務がありますので、約束通りお支払いください。また、貴社が主張している休業手当にしても、労働実績が1か月しかない場合には法律を正しく適用して支払う必要があることを通知します。
2.組合員の休業手当の支給
組合は休業手当を請求しているのではなく、賃金の全額支給を請求していま
す。あくまで100%の賃金請求することを改めで通知します。もし、貴社が休
業手当を支払うというのであれば、その差額は労働債権として後に請求します。
なお、休業手当の割合はどの企業の労使交渉でも、労基法26条の60%以上と
いう基準に基づき、労使自治のもとで決めています。政府も100%給付をする
場合には40%の全額負担をすることにしました。機械的に60%支給をする
ことはもはや非常識と言える状況にあることを認識すべきと思います。
3.雇用調整助成金の活用
雇用調整助成金の活用をする場合は最高額である8330円まで活用していただきたい。前回の団交で助成金が支給されるまでの間に資金繰りができない場合はいったん支払ったことにして欲しいとの要請がありましたが、協力するかどうかは貴社の誠実な態度如何に関わっていると申し上げます。
4 事業再開に対する方針
事業再開の計画は聞きしましたが、組合としては次のように考えます。
- ハイヤー事業の可能性を探るべきではないか。これはハイヤー業務を行ってきた組合員から見解を述べさせていただきます。
- 目黒自動車交通で勤務する組合員と勤務できないと述べている組合員がいますので、6日の団体交渉までに明確にしておきます。
- 目黒自動車で勤務する場合の労働条件について、貴社からは転籍という言葉が語られていますが、当然にも現在の労働条件を下回らないことが条件となります。条件提示をお願いします。
- 一二三交通の事業再開の見通しについて協議したいと思います。再開のめどを立てる意思があるならば、そのために、一二三交通の従業員名簿を提出いただければ、組合から人員確保に努めます。
5 O、K組合員の請求
上記2名の組合員は復職を望んでいません。要求は以下の点です。
- 賞与のために積み立てた預り金の返却
- 解雇予告手当を含む六か月分の賃金
- 最終月の賃金が最低保証給与の日割り金額ではなかったので、全額支給して欲しい。
6 解雇撤回と謝罪の表明
他の労働組合は労使協定書を作成し、一部の報道では問題が解決に向かって
いるように宣伝されていますが、当組合はまだ何も解決していないと思っています。ロイヤルグループを解雇された労働者のほとんどは未だに怒りを抱えながら放置されています。金子社長をはじめとする取締役がすべきことは、記者会見を開いて、解雇は撤回することと不適切な対応をしたことを謝罪することであります。そうすれば事業再開に協力する労働者が再結集することにもなります。
以上
団交での議論は平行線
今回も金子社長は、一人で現れました。
前回までの団交で一人では責任ある回答ができないことから他の2人の役員の出席を求めていたのにも無視した不誠実な対応です。
要求に対する回答も渋いもの。
一部賃金計算の間違いについては認め、支払うことを約束しましたが、それ以外の項目は議論が平行線です。
金子社長の回答は、「自分では分からない」「持ち帰って確認させてほしい」を連発。
組合員が強く要求している保証給の支払いについては、前回と「同じ60%を支払う」という回答。
社長は「資金がない」と今回も繰り返しますが、「ない」という根拠を示せと要求しても答えません。
さらに労評からは、雇用調整助成金の上限が増額されたならば、労働者の賃金に充てるのかと問うと、「それは分からない」とはぐらかした回答。
事業再開についても社長は「目黒自動車での再開を」と言いますが、組合員の要望である、一二三交通での再開の可能性やUber事業の再開の可能性については、できない根拠は延べません。
労評からは、他のタクシー会社とっているように、全台稼働ではなく、台数を減らしてでも事業再開を目指すなど、具体的な策はないのかとさらに追及しましたが、ただひたすら「目黒自動車では再開できる」というだけです。
金子社長は1台タクシーを稼働させた場合、いくら売り上げが立つのか計算はできないが「たぶん赤字だと思う」から稼働しないということです。
金子社長の主張を我々は鵜呑みにはできません。
金子社長は、自分の観念的な見通しを押し通そうとするだけで、何一つ根拠に基づいた回答は出来ていないのです。
実際に、コロナの影響が出ていた4月であっても組合員は、一定の売り上げを上げていたのであり、一方的に「できない」とだけをつげるのはおかしな主張です。
労働者の雇用や生活を守るという最低限の経営者としての社会的責任を負うというところからの真摯な回答ではありません。
労評は金子社長の開き直りを許さず、徹底して闘います
さらに、今回の団交では、今回の一連の大量解雇の問題については、自分の経営判断に謝罪の意思はなく、メディアが先に「解雇」と報道したことが混乱の原因だと言います。
「事業停止」といったことを「解雇」と勝手に報じられたから問題が大きくなったと人のせいにしているのです。
これは、全く許せません。
「解雇」と書かれた退職合意書にサインをさせ、説明会でも「解雇」といい、離職票も出している。
「意図はなかった」といっても労働者に大いに誤解を招くようなやり方をしたこと自体が騒動を大きくし、多くの労働者を路頭に迷わせたことに対する社会的責任については、何の反省もしないというのは、厚顔無恥もいいところです。
ロイヤルリムジングループの皆さん、労評に加盟し、一緒に要求しよう!
ロイヤルリムジングループ雇用されていた皆さん。
金子社長は、働く意思のある人には職場を提供すると言っています。
労評は、社長のいう「目黒自動車だけでの事業再開」だけではなく、可能な限り、他の営業所でも再開を目指すことを要求します。
今からでも遅くはありません。
労評に加盟し、一緒に労働者の権利が守られる職場を目指しましょう。
〇連絡先〇
日本労働評議会(労評)
TEL:080-7560-3733
(労働相談専用電話番号)
メールはこちらから
日本労働評議会(労評)中央本部
TEL:03-3371-0589 FAX:03-6908-9194