ロイヤルリムジン第2回団体交渉報告
4月24日にロイヤルリムジンとの2回目の団体交渉が行われました。
状況を報告します
ようやく組合員に3月分の賃金が支払われる
金子社長は団体交渉の冒頭、「今日は時間がないので団交は30分しかできない」と言い、「親戚から金を借りることになっていて、18時に目黒駅で皆さんの給与を渡したい」と言いました。
組合側一同は唖然としましたが、10日も支払いが遅れているので、受け取らなければならないと思い、承諾しました。
組合員に4月15日に支払われるべき賃金がようやく支払われました。
組合員以外の多くの労働者には15日に支払っていたのですから、支払いは当たり前のことで、金子社長が資金を作るのに、さも一生懸命金策に動いているようなパフォーマンスを見せていても、組合としては成果でもなければ、社長の言動に何も感情は動きません。
労評の強い要求に押されて、組合員に対する差別を是正しただけのことです。
組合員に対して賃金の支払いを遅らせて諦めさせようという会社のやり方は通りませんでした。
いずれにしても、事前に連絡もなく、団交時間を突然30分にするなど、金子社長の態度は極めて不誠実です。
社長が事業再開についての見解を述べる
団交の議題は、組合員らの保証給を支払えという要求でした。
金子社長は
「それは約束したものの、今の状況では支払えない」と言い、
「休業補償も助成金は2か月以上たたないと入ってこないので、銀行からも融資を断られているので原資がない」
と述べてきました。
助成金が入るまで「貸してくれないか」とも言いました。
つまり賃金支払いを猶予してもらいたいと言ってきました。
助成金が入るまで立て替えればよいではないかと言っても、金がないの一点張りでした。
指宿弁護士からも保証給は会社に支払い義務があると通告しましたが、法律は詳しく分からないと言い、認めませんでした。
労評からは、前回雇用が継続していることを認めたのであれば、事業再開を目指し努力をするべきであり、再開の見通しを示してほしいと要求しました。
これに対し社長は「事業再開はやらないといけない」と答えました。
決定ではありませんが、事業再開ができる基盤はあるということがあきらかになりました。
それでいて、当初「解雇」と触れ回り、労働者をとにかく辞めさせていたのですから、今までいかにでまかせを言ってきたのか明らかです。
金子社長は、今日の団交では「働いてもらうのが一番」と言いながら、
「根本的に売り上げが上がらず、人件費にも届かないので、やる意味がない」
「緊急事態宣言が延びるので、一人当たりの一日の売上げが2万円しか上がらない状況で出ていく(勤務する)のはちょっと」
「運転したくない人の休業補償もするべきか。補償すべきかそうではないかの議論がある」
など一方的にいろいろなことを述べてきました。
しかし、まずはこの間指摘しているように、雇用調整助成金の申請手続きを急いでやるべきです。
労評は、労働者に雇用継続の意思があるのであれば、可能な限りを尽くして事業の維持存続をし、もし売り上げが上がらず仕事がないなら休業補償をすることを要求します。
労評では、今後の交渉で、事業再開を巡ってどのような形、計画でいつからやるのか、組合としての要求も出し、詰めた交渉を継続していきます。
また、今回の団交では社長は決算資料を出してきたので、これについても精査します。
保障給の問題
社長は保障給全額の支払い義務があることを認めていません。
保障給とは、新人の労働者について会社が3か月間の賃金の最低保障額を約束したものです。
会社が自らの判断で事業を休止し、そのために労働者が仕事が出来なくなったのですから、会社は保障給を支払う法的義務があります。
また、他の労働者の場合、会社は平均賃金全額の休業手当を支払う義務があります。
会社は、この100%の支払い義務も認めていません。
社長は、支払い義務があったとしても、支払うことのできる資金繰りができないと述べています。
これは、経営者の責任として、一刻も早く資金繰りを行い、また、雇用調整助成金を利用して支払いを準備するべきです。
ロイヤルリムジン資本との次回団交29日13時から開催
次回の団体交渉は4月29日13時から目黒自動車で行われます。
先日18日に相談ホットラインを開設しましたが、連日ロイヤルリムジングループをはじめ、タクシー乗務員の労働者から相談が寄せられています。
納得のいかない解雇、休業手当の不払いなどは、労評にご相談ください。
〇連絡先〇
日本労働評議会(労評)
TEL:080-7560-3733
(労働相談専用電話番号)
メールはこちらから
日本労働評議会(労評)中央本部
TEL:03-3371-0589 FAX:03-6908-9194