不合理な「労働強化」「非正規差別」と闘う労評スリーエス分会、2・28緊急団交を開催へ
前回の記事で報告した通り、昨年からスリーエス分会は、会社による不合理な「労働強化」「非正規差別」と闘っています。
組合は現場の深刻な人手不足解決のため、新たな人員の雇用を強く求め、会社の言う外注政策正常にここまで機能していないこと、人手不足による現場の混乱を客観的なデータや証拠をもとに追及してきました。
会社は、1月に行った団交では、繁忙期が間近に迫るなかでの改善策として、具体的なところは示さず、何とかなるから協力を求め、2月には現場の管理職社員と相談し、データも含め、繁忙期に過重労働にならない根拠を明確に回答するという対応でした。
こういう対応自体が、無責任極まりないですが、組合が団交までに管理職社員と協議する場を設けることで了承し、複数回、執行部を中心に、現場の適正作業人員数を決め、人手不足のなかでも過重労働にならないように協議を重ねました。
迎えた2月20日の団体交渉。組合としては、会社が根拠を明らかにすると言うので、当然それを聞くため、ほぼすべての組合員が団交に参加し、会社の回答に耳を傾けました。
繁忙期を前にして、”無責任な” 会社の乗り切り策
冒頭、会社は3月繁忙期の乗り切り策としていくつか方法を示してきました。
しかし、そもそもの話として、今年の繁忙期に、「どのくらいの仕事を受注して、実際に作業をしなければならないのか」を示されなければ、組合としても会社の回答を判断できませんし、当然納得もできません。
会社は、そのような資料を何一つ示さず、「まだ現場が確定していないから、はっきり出せない」と誤魔化そうとしたため、組合は怒り心頭、会社の不誠実な対応を厳しく追及し、団交は一旦休憩となり、会社は資料を取りに一旦戻るという一幕がありました。
しばらくして再開し、会社から現場数の資料が出されて、改めて繁忙期の乗り切り策についての回答がありました。
内容としては、
①3月に限り本社から応援の社員を呼ぶ
②営業社員も3月は工事作業に当たらせる
③現場の朝礼にはアルバイトは全員必ずしもでなくてもよい
④現場への直行直帰も考える
の大きく4つでした。
いかにも万全な策で乗り切るようなことを言ってきましたが、組合員からすれば、何一つ目新しいことではありません。
①、②については、例年、繁忙期には行っていることで、今年だけ特別に行われるものでもありません。
営業社員も元々は工事部としての経験がありますが、現在は当然営業の仕事も並行してやらなければならないので、いくら3月は工事をやると言っても、作業の途中で電話対応があれば、現場が一時ストップし、効率的とは言えません。
④については、一部が直行直帰すれば、その分、誰かが道具の片づけを会社に戻ってやらなければならない懸念があるがそれについてはどうするのかと1年ほど前の団交でも組合から指摘したところであるにもかかわらず、平然と繁忙期対応策に織り交ぜてきたのです。
つまり、会社は、人手不足で36協定を超える残業をせずに乗り切る自信が無いので、できるだけ誤魔化そうとしているのではないかと推測します。
無期転換後の非正規雇用の待遇改善は、実質ほぼ ”ゼロ回答”
また、無期転換後の雇用条件についても要求をしていますが、これについても回答がありました。
会社は「一時金やボーナスには応じられないが、休職制度は私傷病に限り、6ヶ月間認める。だからゼロ回答ではない」と述べてきました。
もちろん休職が認められることはいいですが、こちらが求めている、正規と非正規の格差を是正するための内容としては、実装性がないものであり、ほぼゼロ回答に等しいものです。組合としては当然了解できませんので、拒否しています。
経営陣も、弁護士も「社員とアルバイト契約とでは職務も労働条件も違うので不合理な差別はしていない。」「社員は転勤がある」などといい、組合の要求には応じない姿勢を貫いていますが、今回の団交で「これまでも散々指摘しているように、現場の業務内容を客観的に見れば、アルバイト契約も現場責任者をやり、作業工程の指揮監督、取引先や顧客とのやり取りをやり、その実質は差などない。百歩譲って転勤の有無だけを取り上げて差があるというのなら、それこそが不合理な差別だ」と会社に対し「差」についての合理的な理由があるのなら出せと迫りました。
社長は
「皆さんには生活するだけの給料を支払っているはずなんですけどね」「頑張った分は査定で評価しているし」
と傍観的に述べましたが、組合としては、その日生活するだけのお金を求めているのではありません。
年齢を重ねれば、結婚や育児など生活環境が変わる人も当然出てくるものであり、そういう不確定な要素も含めて、「この会社の待遇なら長く安心して働き続けられるな」という待遇を求めているのです。
そもそも査定は、上限が決まった頭打ちのシステムで運用されており、頑張った分が正当に評価されているものではありません。
社長の頭の中には、労働者の生活のことを本当に気遣った考えは全くないことがよくわかります。
結局、会社も現場の実態は、社員と変わらない戦力として、仕事をしていることは否定できず、「そうだと思う」と認めました。
となれば、会社の説明の根拠がどこにいったのでしょうか。
結局、組合の質問に答えられないまま、時間切れとなりました。
2月28日に緊急団交開催が決定
以上、大きく2つの争点は、どちらも曖昧な返答のままで3月繁忙期に繁忙期に突入させるわけにはいきません。
特に人員不足による労働強化の問題は、人命にも関わる重大な問題です。
繁忙期も、当然繁忙期後も安心して仕事ができる根拠が示されなければ納得はできません。
2月28日に緊急で団体交渉の開催が決まりました。
ギリギリの闘いとなりますが、また報告します。