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鹿島臨海産業のパワハラ問題 その2

栄養士の資格と経験を活かすため入社

鹿島臨海産業株式会社に社員として勤務している主婦でもあるAさんは、一大決心で入社しました。
 

怒鳴りちらす社長、不衛生な環境、仕事の引継ぎもなく

しかし、入社してみるとそこには予想もしなかった衝撃的な光景が多々ありました。社長はよく大きな声で従業員を怒鳴り、叱責していました。時には新人社員が1,2時間立ったまま社長から説教されている姿も見かけました。いてしまう新人女子社員に向かって「わしはパワハラやが、泣くのはセクハラや」と怒鳴っていたそうです

そして食品を扱う工場であるにも関わらず、衛生環境も決して良い状態とは言えませんでした。一部の従業員は仕事に追われ、エアシャワーを通らず、裏口から工場に入ることが黙認されていました。また常に求人募集をしてるため、人の出入りが多く、気付くと知らない人が工場や社員食堂で働いていたりします。本来、食品を扱う作業者は保菌検査(検便)が義務づけられていますが、面接の時点で「すぐに来てほしい。」と言われ、翌日から仕事に入る人もいました。

そしてAさんの前任の栄養士はAさんの入社と入れ替わりで退職してしまい、仕事の引継ぎはほとんどありませんでした。また会社にはタイムカードもなく、不払い残業があること、新しく人が入っても社長のパワハラで次々人が辞めていくなどの衝撃の事実を入社して間もなく同僚から聞かされて知りました。

 

仕事内容は「わしも何もわからず一人で行ったんや!」

そしてAさんは「栄養士」として入社したにも関わらず、いわゆる「栄養の指導に従事する」ような栄養士らしい仕事をすることはありませんでした。お弁当や社員食堂、社員寮の一日3000食前後もある献立作成などの一般的な栄養士の業務は、栄養士や調理師の資格のない社長と社長の奥さんが担っていました。そして社長は「栄養士は献立など立てる必要はない。管理表(献立表)も見なくて良い。栄養士は渉外活動だけやっていればいい」と言い、栄養士は食材の発注業務などの渉外担当を任されていました。しかも客先を回る頻度も入社時の「週2箇所」が、入社1か月後位には「一日2箇所」に変更されました。その上、会社と客先との関係性や、具体的に何をしに行くのかなどの業務内容について何も教えてもらえませんでした。

次々と人が入れ替わるため、周囲に聞いても誰もやり方を知らず、社長に聞くよう言われました。しかし社長に聞いても「わしも何もわからず一人で行ったんや!」などと言われるのみで、暗闇の中を手探りで仕事をする日々が続きました。他にも客先の宴会、イベントの見積もりなど未経験の仕事を色々任されました。顧客から「担当者がすぐ辞めてしまい引継ぎもしないで代わるので、毎年同じことを説明しなければならない」と批判、指摘を受けるほどでした。

そして社長は何度もAさんに「管理表(献立表)は見る必要ない」と言い、別の業務をやらせていたにも関わらず、数か月後には、突然「管理表(献立表)の見方もわからないのか!」とAさんを叱責しました。

 

新しく入ってもどんどん辞める労働者

そのような社長の態度に付いていける人がそう多くいるわけもなく、Aさんが入社した翌年には栄養士、管理栄養士を含む8名が新規に採用されましたが、そのうち、直接社長と関わりのある5名は、1年以内に退職していきました。中には入社して1日~1週間程度で退職していく人もいました。そして、ついに社長のパワハラの矛先がAさんに向かってきたのです。Aさんの受けた退職勧奨(パワハラ)については次号に掲載します。

 

※パワハラとは:「パワハラ」とは、「パワーハラスメント」の略で厚生労働省「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義しています。(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000126546.html)パワハラ行為を行った上司は、不法行為責任(民法709条)を負います。また、会社ぐるみでやっていたり、パワハラ上司への指導をきちんとしていなかった場合には、会社自体が法的責任を負います。

 

 

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