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トールエクスプレスジャパン第1回裁判報告

8月19日、第一回裁判行われる

8月19日(金)に残業代未払いの第一回目の裁判が大阪地裁で行われました。いよいよ裁判開始です。

当日、労評トール広島分会からは分会長が原告代表として参加し、また労評の仲間が全国から傍聴へ駆けつけてくれました。約20名の傍聴席は満席となりました。

裁判では、原告側から意見陳述をしました。原告代表として分会長と、弁護団長の指宿弁護士から意見陳述を行いました。

力強い意見陳述、聞き入る裁判長

分会長は「どう転んでも残業をしなければ終わらない仕事をさせて、事実上残業代を支払わない、こんなことがまかり通ったらどうなるでしょうか。会社は、人件費のことを気にせずに私達をいくらでも長時間働かせることができます。こんなことが許されるでしょうか。」と、怒りを込めてトールの現状を告発し、「交通運輸業界では、深刻なドライバー不足が問題になっています。それは、長時間労働低賃金だからです。このような会社の姿勢を変え、日本の交通運輸業界の為にも、本件訴訟の速やかな進行と、公正な判決をお願いして、陳述としたいと思いまうす。」と堂々と、かつ力強く訴えました。裁判長は真剣な顔つきで分会長の顔をじっと見て聞き入っていました。

指宿弁護士から本裁判の争点は「使用者に、割増賃金の支払いを強制している労働基準法37条1項の脱法行為(法による規制をかいくぐって一定の目的をなしとげようとする行為)が許されるのかどうか、ということです。」と争点を明確にし、「憲法27条2項は、勤務条件に関する基準を法律で定めることとして、労働条件を人たるに値するものとすることを保障することを国家に義務付け、そのもとで労働基準法が制定されました。その中でも、法定労働時間を「1日8時間、1週40時間」とした労働基準法32条は、きわめて重要な規定です。労働時間規制のなかった時代に、労働者は長時間労働により、健康を害し、命を失うこともありました。労働時間規制は、労働運動と労働法の原点ともいうべき重要なものです。そして、この法定労働時間を超えた労働を抑制し、また、時間外労働をした労働者に対する補償を行うために、時間外労働の場合に使用者に割増賃金の支払いを義務付けたのが労働基準法37条1項です。同条に違反して、割増賃金を支払わなければ、使用者には刑事罰が科されます。

労働者の健康と生命を守るために、きわめて重要な条文である労働基準法37条1項をすり抜けて、脱法行為を行うことを絶対に許してはなりません。給与明細に「時間外手当A」という文字があっても、賃金総額の計算においては、それと同じ金額が差し引かれるのであれば、時間外労働に対する割増賃金は支払われたことにはなりません。」と法律論から簡潔に陳述しました。

裁判長は指宿弁護士の意見陳述も真剣に聞き入っていました。

トール労働者のみなさん

実務上、第一回目は書類の受け渡しだけですので、法廷での闘いはこれからです。会社からの反論の答弁書も提出されました。これから本格的な論戦が始まります。労評トール広島分会は、この裁判を通じて、残業代の差し引きがいかに不法なのかを明らかにし、毎日汗水を流して現場で働いているトール労働者の全体の利益を実現していきたいと思っています。ぜひ皆さんの応援よろしくお願いします。

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