【スリーエス分会】活動報告 “非正規労働者にも賞与を!”
非正規労働者にも賞与を!
スリーエス分会から闘争の近況を報告します。
現在、分会の第一目標は「非正規労働者にも賞与を!」です。 2021年4月からパート有期労働法が中小企業にも適用され、非正規労働者である事を理由に一切の一時金を支給しない事が、不合理な格差であると明確にされました。
しかし、スリーエスコーポレーション資本は、全ての正規労働者には年3回の賞与が支給する一方で、組合員を含むアルバイト労働者には無支給とされています。 資本は、「正社員とアルバイトでは仕事に対する責任が違う」「アルバイトにしては十分な給料を支払っている」 だから「アルバイトに一時金を支給しないのは不合理な格差ではない」と主張します。
しかし実態はそうではありません。資本ですら団交において、「現場でやっている仕事はほとんど同じ」であることを認めています。
詳しく述べると 仕事の内容は、実際にはほとんど一緒です。むしろアルバイト、とりわけ労評の組合員は、仕事に対する責任、姿勢、情熱、誇りは正社員以上であると自負しています。
違いは年間12日間の労働日数の違いだけ。(だからわたしたちは短時間労働者とされています。)資本は「責任の度合いが違う」と言い張りますが、やってる仕事は本当はほとんど同じです。
9月1日に団体交渉が行われる
(リモート団交の様子)
9月1日に団体交渉の状況にも触れます。
資本側は、「ガイドラインの本文に基づく主張が強い、給与の決定基準が違う場合の一時金において同一又は割合的な支給をするスキームが当社には当てはまらない」と無茶苦茶な主張し賞与の支給を拒みました。更に「アルバイトには精一杯の処遇をしているという「自負心」がある」と言い、アルバイトの最高時給の労働者と、正社員の最低月給の労働者を比較して年収ベースで100対89となるから不合理性はないという独自の論理を展開します。
ガイドラインでは「自負心」などの主観的、抽象的な説明では足りないと説明しています。つまり、100対89を合理化する客観的且つ合理的な説明が必要です。 その比率の根拠を求めると、資本は、「差はあってはならないと言うことですか?」と論点をずらしたり、職務内容の差、責任の程度の差、配転の有無、の三項目を上げるも中身について客観的且つ合理的な説明は一切できませんでした。
労評は新しい法律が施行された今、労使で協力して建設的に事を運ぶべきだと訴えかけても視野を広げようとしませず、あげく社長は「判例がないから支給できない、今の格差は不合理では無い、スリーエスの条件下で何割かの一時金を支払わなければいけませんと判例が出たら喜んで一時金を支払います」と発言しました。
労評側からはさらに行政ADRの援助などを受けるつもりはありますかと質問すると、「そんな中途半端なものでは済まされない、司法でしか納得できない」という発言しました。 行政すら蔑ろに扱うのです。 時代の流れに沿って健全な経営を目指すのであれば、このような発言は出るはずがありません。組合は資本に対して ・パートタイマー・有期雇用労働者法、ガイドラインに基づく主張を”丁寧に”に長い時間をかけて行ってきました。
しかし今回の団交で会社はこれらを蔑ろにし、司法の判断のみにしか従わないと主張したことは、法律を軽んじ、変化を拒み、古い価値観にしがみつき、自ら掲げた経営理念に反した発言であり、何よりも現場を支える我々労働者の労働を軽んじ、自らの欲望にまみれたいい加減な資本であることを明らかにしています。
我々は不誠実交渉を重ねても何とも思っていない会社の態度を断じて許しません。「非正規に賞与を!」 このスローガンの元、様々な闘いを繰り広げていきたいと考えています。
非正規雇用労働者への差別は個別の問題ではない!
ここまで個別の状況を報告してきましたが、我々の闘いはスリーエス個別の問題ではありません。日本中の多くの非正規労働者が「自己責任」の掛け声のもと置かれてきた立場であると思います。今年の4月には、正規・非正規の間で不合理な格差を禁止する「パートタイマー・有期雇用労働者法」がスリーエスコーポレーションのような中小企業を含めて全面的に施行されました。
法律は具体的に「基本給」・「賞与」・「各種手当」の不合理な格差を禁止しています。 行政基準となる「同一労働同一賃金ガイドライン」も出されています。 今こそ、ずっと続いてきた非正規労働者に対する差別を一掃するときです。 私たちはもうこれ以上「ちゃんと働いても食っていけないから」という理由で離職する仲間を増やしたくありません。仕事の責任だけ負わされ賃金は半人前で良い、というこの社会の偏見を労働者の力で変えて行きたいと思います。
労評スリーエス分会の組合員は、女性用更衣室の設置に始まり、偽装請負からの雇用 契約、違法な残業制度の是正(正社員も含めて全員残業代750円均一)、現場あたりの必要最低 人数を労働協約で決定するなど、正期・非正規の垣根を超えて、会社で働く全ての労働者のため に会社を働きやすい場所に変えてきました。 この「非正規に賞与を!」闘争も絶対に負けません。全労働者のおよそ40%にも及ぶ非正規労働 者の皆さん、手を取り合って、この理不尽な生きづらさを強制する社会を変えてしまいましょう!