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【日本交通分会】活動報告

 

前回の団体交渉から5ヵ月が経過しました。その間、私たちは新型コロナウイルス感染症対策を中心に賃金問題や安全衛生問題を解決するために活動をしてきました。私たちはこれまでもコロナ禍において発生した労働問題を団体交渉や抗議行動、当局への指導要請などを通していくつも解決してきましたが、日交資本のコロナ対応は依然として十分とは言えず、新たな問題も発生しています。今回は、直近5か月の活動を報告させていただきます。

団体交渉の結果を尊重しないつもりか!? 日交資本、労働協約化を拒否

2021年8月19日、第1回から第6回までの団体交渉において、労使間で合意に達した事項を労働協約化するため、確認書を作成し日交資本に提出しました。

210819日本交通 確認書(労働協約書)

【日交資本の回答】

「本社労務と顧問弁護士に確認したところ、単独労組とこれまで労働協約を締結したことが無いため、協約することを前提に考えていない。質問があれば次回団交で説明する」

【当組合の見解】

団体交渉で合意した事項について、労働組合から労働協約とすることを求められたにも拘らず、使用者が相当な理由なくこの合意を無視して労働協約の書面作成を拒否することは、団体交渉の結果を尊重しないということに他ならず、不当労働行為として許されません。

【日交資本の対応】

現在、日交資本は10月末までに最終回答をすると言っていますので、その時の回答次第では、東京都労働委員会に救済申し立てします。

 

※参考判例・命令等

〇 大阪貨物事件・中労委命令昭48.3.7命令集49集

〇 日本鉄線事件・松江地裁判決昭27.11.14労民集3巻6号

〇 石塚証券事件・東京地裁判決平成5年1月21日

※参考文献

「労働組合実践マニュアル」日本労働弁護団・2011.11.11 99頁。

 

特定の時期にまとまって感染者が発生しなければコロナ対策は御座なりで良いのか?

2021年9月6日、東京労働局に指導要請しました。

【通報の概要】

会社がコロナ感染対策をしてくれないため、コロナ感染者が何人も出ている。労働安全衛生法第三条に抵触するため、日本交通に改善するよう指導して頂きたい。

【通報の詳細】

三鷹営業所の所長は、我々が団体交渉や安全衛生委員会でコロナ対策を取るよう要請しても、表面上の対応を取るだけで、問題を根本から解決する対応は取ってくれない。因果関係は分からないが、職場で18人ほどコロナ感染者が出ている。そのうちの1人が9月1日に亡くなった。会社は「特定の時期にまとまって感染者が発生していないからクラスターではない」と断言しているが、現在も3人の乗務員がコロナに感染し休んでいる。所長は、保健所からも何も指導されていないと言っているが、現在保健所は忙しくて、濃厚接触者を調べられる状況に無いことは周知の事実である。今回亡くなった乗務員も、点呼中に具合が悪くなり1時間半ほど会社で休んでいた。その間に接触した乗務員も多くいる。彼を病院から自宅まで送迎した職員も、常識で考えたら濃厚接触者だが、保健所の担当者が「濃厚接触者ではない」と言ったことを根拠に勤務を続けている。また、乗務員が感染してから発症するまでの期間、同じ車に乗っていた乗務員には、PCR検査を促すなどの対応も必要だと我々は考えている。しかし、同所長は、「車を消毒したから問題ない」として、当該乗務員に対し、感染者が載っていた車両であることを伝えていない。

当組合が日交資本に対し団体交渉や安全衛生委員会で要請したのは、「集団点呼は密状態であるため、個別点呼に変えるように」である。しかし、所長は「個別点呼は非効率であるため点呼時間を短くすることで対応する」と回答。乗務員が亡くなった後に再度、個別点呼の実施を要請した際も、「今よりさらに点呼時間を短くする」と回答している。また、点呼場の換気に至っては、「花粉症の人もいるから開けられない」と、十分な換気を行っていない。現在も、二カ所ある出入り口は、どちらも空いている時間より閉まっている時間の方が長い。さらに、仮眠室の布団も交換用のシーツが不足していることがあり、新しいシーツが補充されるまでは汚れたシーツを使い続けることになる。また、アルコールチェックをする際に使用する使い捨てのストローも、導入時に会社がハサミで2つに切って使うよう指導していたこともあり、ハサミを介して感染している疑いも拭えない。我々が「ハサミを撤去しろ」と言っても、聞く耳を持たない。

以上の事から、会社が安全配慮義務を欠いていることは明らかであり、労働安全衛生法第三条に抵触する。日本交通に改善するよう指導して頂きたい。

※安全衛生法第三条

「事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない。」

 

【東京労働局の回答】

安全衛生法第3条は、違反したからといって罰則がある条文ではない。まずは、「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を予防するためのチェックリスト」に照らし、該当項目があるか確認してもらいたい。

チェックリストに該当する、点呼時の密、点呼場の換気については、三鷹労働基準監督署に伝えておく。チェック項目に該当しないが、仮眠室のシーツ、ストローを切るハサミについても伝えておく。

 

【日交資本の対応】

10月5日現在、個別点呼は実施されていないが、点呼場にある棚の位置を壁側に寄せ点呼スペースを広くしている。これに加え、点呼の回数を増やしてくれたことで密状態は若干解消された。換気に関しても、正面玄関のドアを全開にしている。仮眠室のシーツ類も、不足が発生しないよう業者に依頼したらしい。冬場にかけて新型コロナウイルス感染症の第6派が来るとの予測もあるため、対応してくれたことに感謝したい。

個人情報は金なり!

2021年9月6日、個人情報保護委員会に指導要請しました。

要請1 車内カメラの映像の運用方法について

【要請内容】

日本交通はタクシーの車内を撮影した映像を本来の目的とは違うことに利用しています。これが個人情報保護法に抵触すると思われるため、指導していただきたく通報をした次第です。

これまでの経緯と具体的な事例を挙げますと、日本交通では、7~8年前に防犯目的で車内カメラを導入しましたが、その後、映像の活用方法や管理方法について労使間で話し合い、事故・違反・苦情があった際に、次長以上の管理責任者と労働組合の役員と当該乗務員の3者が立会いのもとチェックできることに決まりました。しかし、先日、オリンピックが開催された際に、会社はオリンピック関係者を乗せる前と乗せた後、それぞれ10分間、車内消毒をしているか映像を観てチェックしていました。映像の管理者いわく、「オリンピック委員会から確認するよう要請があった」とのことですが、衛生目的であれば、いつでも好き勝手に映像をチェックできるということになると、オリンピック後も「車内換気をしているか確認していた」と理由を付けて、チェック可能になってしまいます。この件は個人情報保護法15条と16条に抵触すると思います。また、車内カメラの映像を取り扱う人間の中には、試採用の職員や班長といった情報管理スキルが低い者が含まれています。彼らは常に車内カメラ管理責任者の管理下にいるわけではない為、映像を自宅に持ち帰ることも可能です。この件は個人情報保護法20条と21条に抵触すると思います。

 

【当局の回答】

ワクチンが人々に行き渡っていない中、会社が公衆衛生上の目的で情報収集したということであれば、個人情報保護法の例外規定に該当するため違反ではない。

要請2 ワクチン接種状況の確認方法について

【要請内容】

現在、日本交通では全乗務員に対し、コロナワクチンの接種状況を確認しています。確認方法は、記入用紙に名前とワクチンを接種済みか接種していないか、これから接種する予定があるかについて記入するようになっています。問題は、他の乗務員の接種状況も見えるようになっていることに加え、個人情報を収集する目的や、記入を拒否できるかについて一切説明していないことです。私は骨折して自宅療養中でしたが、自宅に試採用の従業員から連絡があり、口頭で質問されました。私はその場で三鷹営業所の副所長に収集の目的を確認しましたが、「多分、職域接種をするために状況を把握しておくためではないか」との回答でした。しかし、先日職域接種した際は、接種希望者だけリストに記入する方式でやっていました。今回もその方法で可能なはずです。

本社の指示でやっているとのことでしたので、本社の労務部にも利用目的を確認しましたが、労務部長いわく「従業員の健康状態を確認するのは安全衛生上当然のことであり、何ら問題はない」との回答でした。しかし、私が調べた限りでは、社員のワクチン接種に関する情報は、労働者の健康に関する個人情報として、要配慮個人情報に該当するため、個人情報を収集する際は利用目的を明らかにしたうえで行うことになっています。根拠法令は(個人情報保護法16条、17条、18条、20条、23条)になります。日本交通に指導してください。

また、日本交通グループの会長であり、業界団体のトップである川鍋氏が、9月1日にコロナに感染し亡くなった乗務員のワクチン接種状況をツイッター上に発信した。この行為は目的外利用にならないか?

【当局の回答】

ワクチン接種状況は要配慮個人情報ではないというのが当機関の統一見解である。また、利用目的が安全衛生上ということであれば、ワクチンの接種状況を確認すること自体に問題はない。本人が回答した時点で同意を得たことになる。他人の接種状況が見える状態になっていたことについては、社内での個人情報共有が法令で認められているため違反ではない。ただ、プライバシー上の問題があるとして会社にやり方を変えるよう提案してみてはどうか。それでも解決しないときは、法務省管轄の「みんなの人権110番」に相談してほしい。

相談者が懸念しているように、会社が大口顧客に対し、ワクチン接種済みの乗務員を配車しているのであれば、一般利用者と差別的な取り扱いをするための個人情報収集として目的外利用にあたる可能性がある。その時は、調査を検討するので情報提供してほしい。

亡くなった人の個人情報は個人情報保護法の対象ではない。遺族のプライバシーを侵害したとして会社に損害賠償請求するなら分かるが、こちらの管轄ではないため対応できない。

【日交資本の対応】

10月5日現在、日交資本は、ワクチン接種のアンケート調査の目的について「従業員の接種状況を把握するため行った」と回答しています。また、「無線センターと情報共有していない」ということで、目的外利用もしないとのこと。ただ、利用目的の周知については回答を拒否しています。

要請3 モビリティーテクノロジーズの他社アプリデータの侵害について

【質問】

日本交通のグループ会社である株式会社モビリティーテクノロジーズにおいて、日本交通の担当者が他のタクシー会社のアプリ配車情報を閲覧できるアカウントを作成し3623名分の顧客情報を閲覧していました。この件は個人情報不正取得や、目的外利用として個人情報保護法20条と21条に抵触すると思います。

日本交通に指導をお願いします。

【当局の回答】

この件に関しては、会議で話し合って調査するか決める。指導が必要と判断した際はこちらでしかるべき手配をする。進捗状況については守秘義務上お知らせできない。ただ、モビリティーテクノロジーズはホームページで原因と対策を発表しているため、これ以上こちらで何かやる必要は無いと思う。この件の詳細が書かれた業界紙についてはこちらで確認するので、FAXしてもらう必要は無い。

 

【株式会社Mobility Technologies】

2021.04.20 お知らせ

個別アプリ配車情報等の取り扱い不備についてのお知らせ

https://mo-t.com/news/info/2021/04/20/05213b80-dde6-5fdf-99e0-5db00f0a385a/

株式会社Mobility Technologiesは、ホームページ上で日本交通の担当者が他社の個人情報を不正取得していたと認めながら、現在も経緯を調査中として、不正を指示した人間を特定していません。また、責任者を処分したとの報告もありません。再発防止策としては不十分と言わざるを得ません。別件ではありますが、同社は、タクシーが10分間停車すると一律休憩時間としてカウントする自動日報システムも開発・販売しています。この件についても、当組合は労基法に抵触するシステムを開発・販売している会社として問題視しています。なお、同社と日本交通のトップを務めるのは、業界団体のトップでもある川鍋一郎会長です。

不正競争防止法に抵触している疑いもある事から、近く、経済産業省にも通報します。

 

喫煙者の権利と従業員の健康、どちらが大事?

9月13日、「新型コロナウイルス感染症対策に関する要求書」を提出

210913日本交通分会 新型コロナウイルス感染症に関する要求書

10月4日時点で日交資本から回答はありません。

私たちは、日本で新型コロナウイルス感染症が確認された初期段階で日本交通分会を立ち上げました。それからというもの、日交資本に対しコロナ対策に関する要求書をいくつも提出してきましたが、彼らの対応は、常に後手後手でした。そのため、今回、未対応となっている要求を洗い出し再提出しました。

これらの要求は、三鷹営業所の安全衛生委員会でも議題として取り上げ、風呂場の衛生問題に関しては労評がルールを策定し、すでに実施されています。その他の要求に関しては、日交資本の委員と日交労の委員が「現状問題が生じていない」「組合員から、そのような要望は出ていない」と、反対していました。いつもながら呆れます。仕方ないため、喫煙所の問題に関しては9月27日に多摩府中保健所に受動喫煙防止法の観点から通報しました。近く、三鷹営業所の喫煙所は移動すると思います。また、更衣室と脱衣所の空気清浄機については、「原資が無いため検討させてほしい」と、お決まりの逃げ口上。仕方なく、労評の分会長として空気清浄機を4台寄付させてほしいと申し出ました。この件については、次回までに、会社で購入するのか労評から寄付してもらうのか、双方について検討し回答するということになりました。

 

ご冥福をお祈りいたします

2021年10月4日、「コロナに感染し亡くなった乗務員に関する要求書」を提出

211004日本交通分会 コロナに罹患し亡くなった乗務員に関する要求書

この要求書は提出して間もないため、日交資本からの回答はありません。

10月5日に団体交渉がありますので、その報告と併せてお知らせ出来ると思います。

大切な人を失わないためにも、みんなで力を合わせて、安心して働ける職場環境を作っていきましょう。


〇連絡先〇

日本労働評議会(労評)

TEL:03-3371-0589 FAX:03-6908-9194

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