熊谷アクア代行裁判和解で終了
運転代行で働く労働者の権利を認めさせた
3年前に、熊谷駅周辺で運転代行を営むアクア代行センターで働く労働者が労評に加盟し、偽装委託という形で労働者性を奪われてきたことに対して、まずは団体交渉で追及し、その後裁判に移行して、未払い賃金を請求してきた事件は、去る4月9日に和解で終了しました。労評はこの和解は勝利的和解であり、裁判に起ちあがった組合員の権利と利益を確保できたと同時に、運転代行で働く労働者にとっても有益な結果をもたらしたものと思います。
それは、労働者性を認めて不払い賃金の支払いに準じた金額を支払わせたこと、過酷な労働条件で組合員が健康の被害が発生したことも考慮されたこと、途中で一方的に解雇したことの損害賠償的な要素も加味されていることなどがあげられるでしょう。勿論、これは労評の見解であり和解条項にそれらのことが記されているわけではありません。和解条項に明記されているのは労働者性を認めることのみですが、和解金額の意味するものは、これまでの会社の対応についての責任を問うものであったと思います。
運転代行で働く労働者への光明
運転代行業はほとんど委託契約や請負契約になっていることが多く、実際は会社の指揮命令で働いているにも関わらず、売上の歩合だけで賃金が決定されて、最低賃金の保証もなく、雇用保険もなく、有休も与えられません。この度のアクア代行裁判は偽装請負、偽装委託に対してハッキリと違法であると判断されました。このことは大きな成果です。しかし、裁判で勝ち取った成果も使わなければ意味がありません。運転代行で働く労働者はぜひ労評に加盟して、会社と交渉する必要があります。皆さんのご連絡をお待ちしています。ぜひ、労評に加盟し、労働時間に応じた賃金を請求し、雇用保険の加入や年次有給休暇の請求をしましょう。