3/20 トールエクスプレスジャパン裁判いよいよ判決! 運輸業界の「いくら残業しても稼げない仕組み」に司法の判断が下る!
日本郵便の子会社であるトールエクスプレスジャパン㈱で 、歩合給から残業代を差し引き、長時間の残業を強いられているに、実質的に残業代を支払っていないことの是非を問う裁判の判決が、 いよいよ、2019年3月20日に大阪地裁で下されます。
労評がこれまで報告してきたトールエクスプレスジャパンに対する取り組みをまとめました。
★提訴時の記事
裁判の争点は「いくら残業しても稼げない賃金体系」
交通運輸業界は物流、旅客の業種は違っても長時間労働が蔓延し、低賃金で使われ、人手不足は深刻です。
なかでも、今回の裁判で争点になっている「いくら残業しても稼げない賃金体系」はトールに限らず、他の会社でもかなり似た賃金体系を敷いているところが多く見られます。
賃金体系の問題点についてはこちら⇒『トールエクスプレスジャパン賃金規則の問題点』
そのため業界に低賃金と長時間労働が蔓延していますが、既存の労働組合の多くはこの問題に取り組みません。
こうした中で労働者は不満や怒りを持ちながらもどうしていいのかわからない状態に置かれています。
提訴から約2年半、いよいよ判決
裁判が進行するにあたって、争点である「いくら残業しても稼げない賃金体系」に留まらず、会社の労務管理政策の実態についても明らかにされてきています。
賃金体系については、既存の労働組合の多くはこの問題に取り組んでいません。
しかし、物流を担い、日本の産業を支えるトラック運転手の待遇改善、交通運輸業界全体の改善へ、今回の判決は重要な意味があります。
トラックドライバーの権利を守る「本当の労働組合」を結成し、活動しています。
今回の裁判に至るきっかけはそもそもどこにあったのか。
原告であるトール広島支店で働く労働者は、毎月の給料明細を見て、残業時間が多い月も、少ない月も給料がほとんど変わらないことに疑問を持ち、社内労組に相談に行きました。
しかし、取り合ってもらえず、曖昧の返答しか返って来ず、疑問は募るばかり。
そこで、社内労組が頼りにならないなら自分たちで会社に疑問をぶつけようと労評に加盟して新しい労働組合として「労評交運労トール労働組合」を結成に至りました。
労評交運労トール労働組合は、現在も、裁判で争っている問題以外にもトール社内の様々な問題を扱いに会社と交渉しています。
会社による組合活動への妨害、弾圧も行われていますが、労評は敢然と闘っています。
ちなみに、会社の組合に対する「不当労働行為」の是非を問う今年の初夏頃に出る見通しです。
『労評交運労トール労組 10月2日より「集荷残業」「トラック 車検時の搬送業務」拒否闘争を開始』
『トールエクスプレスの不当労働行為に東京都労働委員会から要望書出される!』
『11月19日 都労委でトールエクスプレスジャパンの不当労働行為をめぐる審問』
3月20日に大阪地裁で出される判決に注目
情報をひとまとめにしましたが、まずは、3月20日に大阪地裁で出される判決に注目してください。
裁判の原告は、労評トール広島分会を結成し、「残業代を支払え」と裁判を起こすとともに、集配労働者の地位向上と待遇改善を求めて闘って来ました。
トールの全国の支店で集配労働者の人手不足が深刻化しています。
荷物を運ぶ労働者が居なければ、会社は成り立ちません。
配達時間帯、集荷時間帯を守るよう必死で努力している集配労働者に対し、支店外でサボる可能性があるなどというのは、われわれ労働者に対する侮辱です。
このような会社に未来はありません。誰が稼いでいるのか、現業労働者が稼いで会社は成り立っています。
労評と共に、このような会社の考え方を変え、働き甲斐のある会社に変えていきましょう。
〇連絡先〇
日本労働評議会(労評)
TEL:03-3371-0589 FAX:03-6908-9194
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