1. HOME
  2. お知らせ
  3. 【労評アート労組】7月5日団体交渉報告!

NEWS

お知らせ

News

【労評アート労組】7月5日団体交渉報告!

皆さんこんにちは労評アート労組です。私たちは引越作業の全般を担っている生産職労働者が誇りを持って働ける職場の実現を目指して、会社と交渉しています。7月5日(水)に柏支店で団交を行いましたので、報告します。

団体交渉は7月5日(水)16:30~18:30、アート柏支店内会議室にて行われました。会社側出席者は、総務1名 千葉ブロック長1名、 柏支店長1名の計3名、組合側出席者は組合員1名(柏支店生産職)、本部役員3名です。議題は以下の通りです。内容について抜粋して連載でご紹介します。

賃金改定について

改定内容ほぼ全員の、生産職の本給が2万円アップ!

改定の理由:アートの労働は労働集約型で、人の代わりに機械やシステムでまかなえないから

団交の冒頭で、7月からの本給アップの内容と理由を会社に確認したところ、会社からは上記内容の回答がありました。他には「給料を上げてほしいという声が現場からもちらほら出ていた」「やらないと人的資本の新規の取り入れや既存従業員の流出も」などの理由も述べていました。

今年の5月から新型コロナが「5類感染症」になり、これまでは控えていた人の移動が再開し、全体の仕事量が増えている中で、生産職(特にドライバー)不足が全国的に深刻になっているようです。組合もこれまで低賃金の是正と人手不足の解消について交渉してきましたが、経営者もようやく人手不足の問題が賃金と密接に結びついていることについて気付き始めたようです。

会社の売り上げを生み出しているのは、まぎれもなく生産職の労働者の労働によるものです。組合側からは、2万円アップという今回の判断について評価した上で、常勤アルバイトの昇給制度など、今後さらなる賃金の底上げについて要求していくことを伝えました。

 

欠員手当について

組合側は、当日欠勤により作業員の人数が予定よりも少ない場合に、出勤した労働者への過重負担に対して、その労を報いるために欠勤手当を支給することを求めています。今回の会社の回答は以下の通りです。

欠員したところは人を送り込もうという最大限努力している。」「大きな問題は発生していない。何とかうまくいっている。」「6月は作業手当を支払った」

引っ越し作業は梱包から運搬、トラックへの積み込みから接客まで、経験と技術が必要な仕事です。それを一日のスケジュールや移動ルートも考えながら、トラブルが起きてもその場で対処しなければならないことも多く、頭も体もつかう大変な仕事です。

しかしアートでは夏休みなどを利用した高校生のアルバイトを多数採用しており、人手不足から傭車ドライバーに仕事を依頼することもあります。そのため、仕事に慣れている社員や常勤アルバイトは、常に新人と一緒に仕事をする機会が多く、重く負担がかかっています。その上、仕事の増加と人手不足から連日深夜までの作業など、生産職労働者に過重な負担がかかっています。そして連日のこの暑さです。このような環境の中で当日欠勤が増え、残った労働者にますます過重な負担がかかっている状態なのです。組合はこの状態の是正と、過重負担に対する保障として、欠勤手当の創設を求めています。

会社は「努力している」「何とかうまくいっている」と回答していますが、うまくいっているのは生産職が必死でカバーしているからであり、引っ越し現場では毎日てんてこまいです。人員配置については業務職も努力はしているのかもしれませんが、生産職の実感としては、必要な作業が終わった後にヘルプが来たり、時間内に終わらず、深夜まで引っ越し作業が続く現実から、「遅すぎる!」「足りない!」というのが正直なところです。支店長も現場がどんなに大変でも応援にすら来ないし、時間になったらさっさと帰ってしまいます。団体交渉で指摘したところ、急に定時以降も会社に残るようになりました

そういうところから見て、今回の会社の回答は「軽い」です。しかも労働者に対しての感謝や申し訳なさよりも「手当もらっているでしょ」という言葉が先に来るところが傲慢です。現場労働者を下に見る、アートの社風が現れています。労評アート労組では、団体交渉を通じて、こういう会社の体質も変えていきたいと思います。

欠員手当の創設は生産職の総意です。組合としては今回の会社の回答には納得できないこと、引き続き協議を続けていくことを会社に伝えました。生産職が誇りを持って働ける職場を実現するため、引き続き現場の実情を訴え、会社と交渉していきます。

皆さんの意見も聞かせてください。

一緒にアートを改革していきましょう!

 


 

〇労評アート労組 はこれまでどんな活動をしてきたの?

2017年に横浜都筑支店で働く生産職3名の組合員が原告となり、労評の支援のもと、横浜地裁に未払い残業代と引越事故賠償金返還の請求の裁判を起こし、2020年に一部勝訴の判決を勝ち取りました。他にも葛西支店、北見支店、横浜青葉支店、相模原支店、世田谷支店など、会社の不条理と闘い、現場労働者の利益と人間性を回復させる闘いは時空を超えて、脈々と引き継がれています。

〇なぜ労働組合が必要なの?

経営者は、金と権力を持っているため、労働者が死ぬまでこき使われないように、「労働基準法」が存在し、労働時間や賃金についてのルールがあります。またその中にある「労働組合法」は、労働者が団結して労働者の利益を守る労働組合を作り、会社と交渉することを保障しています。しかし、法律が労働者を守ってくれるわけではなく、会社が違法行為をしてきたら、それと闘う労働者の組織が必要になります。それが労働組合です。労働組合は法律を武器に会社と交渉し、会社の不条理と闘うことができます。

たとえば、労働者が1人で上司に文句を言っても、見せしめとしてイジメられたり、嫌がらせで仕事を干されたりするかもしれませんが。仲間と団結して労働組合を作って会社と交渉すれば、会社は拒否をしたり、圧力をかけることはできません。労働組合活動を理由としたイジメやパワハラは不当労働行為という違法行為となります。労働組合は団体交渉を通じて会社と交渉したり、会社が不当労働行為を行ってきた場合は、労働委員会などの第三者機関を通じて、会社に謝罪命令や金銭支払いなどの圧力をかけることもできます。

最新記事