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【中商分会】労災事故多発!会社の安全配慮義務違反を訴え提訴

株式会社中商の現場で多発する労働災害を断じて許さない!
左手を損傷し後遺症を負った分会長が安全配慮義務違反を訴え会社を提訴

10月26日、労評中商分会は奥浜分会長の労災事故について、中商資本に対し、安全配慮義務違反として、横浜地裁川崎支部に損害賠償請求の提訴を行いました。

奥浜分会長は、煤(細かな粉塵)を送り出すためのスクリューコンベアに左手が巻き込まれ、指の神経を切断し障害が残る労災事故の被害に遭いました。我々は団体交渉で安全配慮義務違反であると主張しましたが、資本は一切認めなかったため、提訴に移行しました。

(イメージ図:スクリューコンベア。らせん状の刃を回転させ、進行方向に粒状の物質を送り出す装置)

株式会社中商とは?

中商(なかしょう)とは、神奈川県川崎市内に4つの事業所を構える一般・産業廃棄物処理業を担う会社です。病院から出る感染性廃棄物の焼却処理をはじめ、汚泥、廃酸、廃アルカリ等の化学物質の無害化処理や、廃棄物の資源化のための選別、破砕、圧縮、溶融等も行っています。

従業員数は約5~60名の中小企業ですが、人命にかかわるような大きな労災事故を繰り返し起こしており、判明しているだけでも令和元年から現在までの5年間で8件の事故が発生しています。

会社HP:https://my-nakasho.co.jp/

度重なる労災事故の数々

本件労災事故は今年4月22日に発生し、5ヶ月弱の休業期間を経て復職しましたが、重い荷物が持てなかったり、中指、薬指が思うように動かないなどの後遺症を患いながら働いています。このような事故は氷山の一角であり、過去の労災事故にいたっては、中商は組合に対し、労災認定されたのか、被災者の被災状況を問いかけたところ「プライバシー」を理由にして明らかにしませんでした。

本件事故で中商は「被災者が自ら手を入れたことが直接の原因」と主張しましたが、手を入れて煤を除去することは、中商の現場では一般的に行われていた作業方法なのです。

団体交渉の中で①事故発生時に作業マニュアルを作成しておらず②設備の取扱説明書があるにもかかわらず周知せず、研修等も行っていないことが判明しました。また、開示された設備の取扱説明書の表紙には「必ずよく読んでから使用してください」と書いてありましたが、中商は「作業の進め方、操作盤や保護具の取扱い等についてはOJTを中心に教育していた」と主張しました。

このことから、経営者として必要な教育や研修はしておらず、全て現場でおる工場に教育を丸投げしていたことが判明したのです。

安全大会での代表取締役社長の発言

中商では、今年7月に「安全大会」という、労災撲滅に向けて従業員を集めた大会を行いました。そこで、代表取締役である中嶋達夫氏は「①災害を起こした人が一番大変、②起こすことで工場がストップし、会社が閉鎖する。会社も安全対策をやりますが、一人ひとりが行うことが重要」という主旨のスピーチをしました。

しかし、本件事故で明らかになったように、実際の現場では安全対策を行っていません。実質的には労災事故が自己責任であると発言しているようなものです。

これからの裁判闘争にむけて

これから始まる裁判闘争にむけて、奥浜分会長と沼田分会員から産業廃棄物処理業で働く労働者へメッセージがあります。

入院から一週間は指のしびれ、手の平の激痛が時々起こり、怪我したことに会社への怒り、虚しさ、悔しさが一日一日思うようになっていました。
四か月たっても回復に乏しい状態です。それでも私は早期の職場復帰を心掛け先月9月11日復職に至りました。現在、仕事は上司の指示により荷下ろし、荷揚げ、フォークリフトの運転がメインです。
運転中に左手のしびれ、痛みが走ることがあります。しかし工場長は、普通通り行ってくれとか、仕事が増えても配慮せず、私は無理強いを受けていると実感しています。
今後、会社との付き合い方を真剣に考え行動することは大切なことだと思い、労働組合員として裁判闘争に踏み込み、資本・会社に対し、労働者全員のためにも安全配慮義務違反を認めさせる闘いをしていきます。 

奥浜分会長

 

私は産業廃棄物の適切な処理を行うエッセンシャルワーカーです。運ばれてくる廃棄物はこれから世に出る製品ではありません。役目を果たした油、液体、汚泥などが代表的なものです。病院から出される注射器や感染性廃棄物もあります。常に危険と隣り合わせの廃棄物処理に日夜向き合っています。
中商では人命にかかわる労災事故が、五年間で8件発生しています。労基署監督官も、中商は規模からしてとても多いとの見解です。
今回、組合は「労働者全員、明日は我が身、事故は人命にかかわる重大問題」との認識を共有するため裁判闘争に持ち込みました。
廃棄物処理業界が抱える深刻な労災事故問題に真正面から立ち向かいます。
会社に安全配慮義務違反を認めさせ、労働者が安全な職場環境で安心して働ける労働環境の実現に向け声を上げました。

沼田分会員

 

中商の再三再四に渡る労災事故絶対に許さじ!

労働者の道理を通し、利益を守る闘いに挑戦し続けます!

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