【日本交通分会 】第5回団体交渉報告

2021-02-28


 

(東京・北区 日本交通株式会社赤羽営業所)

 

2021年2月22日、日本交通分会第5回団体交渉が行われました。

参加者は資本側から顧問弁護士、本社管理部部長2名、三鷹営業所所長、三鷹営業所次長の計5名。組合側から顧問弁護士、労評役員2名、分会長の計4名でした。

 

(関連記事:『【日本交通分会】第4回団体交渉が行われる!』

 

前回団交での約束反故、データ出さず 資本に都合の悪いことが判明したか?

私達は団交を効率的に行うため、日交資本に対しあらかじめ「今回、会社が回答すべき事項」を50項目ほど提出していました。

これらの項目は、前回の団交で資本側が回答すると約束したものや、すでに他労組に回答しているものが大半で、資本に負担を強いるものではありません。

しかし、日交資本は「質問事項が多すぎる」「質問を見落としていた」などと言い訳をして、ほとんどの質問にまともな回答をしませんでした。

特に酷かったのが、指定 LPG スタンドの検証データを出してこなかった件です。

これは、資本が燃料費削減のためリッター単価の安いスタンドで給油するよう指定したものの、営業所や繁華街から遠いスタンドを指定したため、仕事の効率が悪くなってトータルコストでマイナスになっていることを検証するためのデータです。

前回の団交で資本が提出すると約束していたにもかかわらず「スタンド指定は、長期的に安いスタンドで入れていくという考えで決めたことだから、短期的なデータでは判断できない」と前言撤回し、組合が抽出依頼した7項目全てのデータを出してきませんでした。

また、組合が要請していた、スタンド指定の真の目的が「自腹給油」である事を立証するためのアンケート調査案については、「会社にメリットが無いからやらない」と、自腹文化を変える気がないとしか思えない回答があり、一時団交が紛糾しました。

しかし、この点については、労評顧問弁護士から「給油スタンドを指定することに合理性があるのかについて検証するデータが出せないということなら、長期的にメリットがある事を具体的に説明してもらわないと誠実に回答したことにならない」と注意して頂き、引き続き討議していくことになりました。

 

「重症化しやすい高齢者や持病持ち乗務員の休業」拒否!

最優先議題であるコロナ禍での休業については、「平均営収が4万円台後半まで回復してきている」「早朝に無線の取りこぼしがある」ことなどを理由に、フル稼働を継続すると回答。私たちが人道的見地から要請していた「重症化しやすい高齢者や持病持ち乗務員の休業」についても、明確な理由を示さず拒否しました。

 

労評員には差額支払う!!-公休出勤時の賃金未払い差額

乗務員の経費負担の問題については、組合が要求していた「嘔吐された際の賃金補償」や「自腹高速使用分の領収書」を、何の法的根拠も示さず拒否しました。

一方、公休出勤時の賃金計算については、さすがに逃げ切れないと観念したのか未払いがある事を認め、労評員に対しては差額分を計算して支払うと約束しました。

ただ、同じ賃金未払いでも洗車時間分の賃金については、全乗務員から請求されると恐れたのか「1乗務につき1000円の洗車手当を認めてしまうと会社が潰れてしまう」とブラック経営者の常套句を口にすると、「洗車と納金は終業時間の20分でできる!」と顔を真っ赤にして一歩も譲らぬ姿勢を見せました。

組合側としても本社労務部長のド根性にいつまでも付き合っていられないため、この件については、実際の作業風景を録画して本社と労基署に確認してもらうことにしました。

 

掲示スペースの貸し出しを拒否!不当労働行為として都労委へ

今回の団交で最も呆れた回答が、組合掲示物を張り出すスペースの貸し出しを拒否してきた件です。

資本側顧問弁護士は「新しくできた労組に簡単にスペースを貸し出すと、闘争の歴史の中で勝ち取ってきた既存労組が動揺しかねない。労使関係に支障をきたす」と、欲しけりゃ闘って勝ち取れ!と言わんばかりの回答。

日本交通は格闘団体なのかと問いたくなるような回答に、組合側参加者は皆失笑しました。掲示板は、第1回団交から要求している項目です。前回の団交では、労務部部長が「最低限必要な掲示スペースはどのくらいか?」と組合側に確認したうえで、「では、そのスペースで調整するしかないだろう」と三鷹営業所の所長に指示を出して終了しています。

このような経緯から私達はこれ以上交渉しても時間の無駄と判断し、「明らかな支配介入だ」と弁護士から伝えてもらい、決裂という形で終了しました。近く、都労委に不当労働行為として救済命令の申し立てを行います。

その他にも、退職金の復活要求や無線の B 空転廃止要求など、多岐にわたり交渉しましたが、資本側は合理的な回答が用意できなかったのか、頭を抱え込んで沈黙する場面が多かったです。また、資本が多数派労組と締結したと主張していた労働協約書(労基法に抵触している)も結局見つからず、昔の就業規則をコピーして持ってくる始末でした。

 

歪な労使関係を暴露し狡猾な搾取構造を正す!

以上の報告からも分かる通り、日交資本は御用労組と結託し、長期にわたり労働者から搾取をしています。その手口は巧妙で、労働者から不満が出ない程度に、ありとあらゆるところから少しずつ搾取しています。

当分会は5回にわたる団体交渉を通しそのことを暴露してきました。

そして今、資本が逃げ切れないと観念するところまで追い詰めています。それは、今回参加した会社側顧問弁護士が、私達の主張に対し、法的観点から反論することができず、感情論に終始していたことからも明らかです。

労評は物取り主義ではないため、引き続き団交で賃金規定や労働条件の改善も求めていきます。しかし、日交資本が、沈黙を貫き、事実関係を否定し、改善する姿勢を完全に放棄した問題については、労基署、都労委、裁判所などの公的機関を活用し解決を図っていく方針です。

 

利益至上主義の経営陣に見切りをつけ退職者続出!

また、コロナ禍において、一切の休業措置を講じなかった件や、(業務提携会社の)女性乗務員が凶悪犯罪に巻き込まれたにもかかわらず何の対策を取ろうとしていない件からは、いまだに、日交資本が人命を軽視した利益至上主義であることが垣間見えました。

現在、そんな日本交通に見切りをつけ辞めていく乗務員が後を絶ちません。その多くが「こんな賃金では生活できない」「乗務員のことを大事にしない会社だ!」と、経営陣に対する恨み節を口にして辞めていきます。しかし、川鍋会長は「今ほど採用が楽な時はない」と、代わりはいくらでも入ってくると言わんばかりにTVで発言しています。心底呆れます。

労評は「人命はすべてに優先する」「乗務員の生活が第一」と考えていますので、これらの件も、引き続き要請を行っていきます。

 

最後に

日本交通は図体ばかり大きくて、コンプライアンスの水準は中小企業以下です。

それは、既存労組が資本と癒着して本来の機能を果たしてこなかったからに他なりません。

労評は、労働問題を根本から解決すべく団交に臨み、日本交通を真のリーディングカンパニーに生まれ変わらせるつもりです。それが、すべてのタクシー労働者の経済的・社会的地位の向上に繋がるからです。

そのためには一人でも多くの方の協力が必要です。もちろん日本交通以外にお勤めの方や異業種の方でも労評に加入できます。ご協力いただける方は下記の労評事務所までお電話ください。

 

次回団交期日は調整中です。

 

【団体交渉議事録】

労評日本交通分会第5回団交議事録 (1)

労評日本交通分会第5回団交議事録(2)

 

【メモ】

過去に、ハイヤーが凍結した道路でスリップ時事故を起こし顧客を死亡させてしまった際も、タクシー部門では 4 輪のうち 2 輪にしかスタッドレスタイヤを履かせずに運行を続けていたのは記憶に新しいところです。近年、組合役員から猛抗議され、4輪すべてにオールシーズンタイヤを履くようになりしましたが、それは、人命軽視の経営姿勢を改めたのではなく、ただ単に、経費削減とタイヤ保管場所の有効活用の観点から導入したのだと、今回の件で確信しました。

 

【次回要求事項】

燃料が半分を切っていた時は、指定スタンド以外でも 10Lまでなら給油して良いこととする。会社に連絡が付かないときは事後報告で良いこととする。

*現在、会社は、事前報告を行えば、このような対応をしていると説明しているが、会社に電話連絡をしても連絡がつかない場合があることから、分会としてこれを要求するものである。

 

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