【筑波大学分会】11月28日、団体交渉を行います!
10月9日に公開した記事で、労評筑波大分会結成以来2年以上、7度の団体交渉拒否を重ねて来た筑波大学が、ついに、初めて、団体交渉に応じると回答してきたことを報告しました。 団体交渉は、明日、11月28日(火)に行われます。
組合の要求(8月2日)に対して大学の回答があり(8月10日)、それに対して組合からさらに再質問を出しています(11月23日)。団交の議題としている二つの要求についてそれぞれこの流れを整理すると、以下のようになります。団体交渉当日は、基本的にこの組合からの再質問に基づいて進めることになります。大学がどう答えたか、団体交渉後にここで報告します。楽しみにお待ちください。
議題一、定年前2年間の給与が30%減とされることについて
(組合の要求)
定年前2年間(「新たに63歳に達した日後の最初の4月1日以降」)の給与がそれまでより30%減額されて支給されるのは不利益変更であり、以下の理由により合理性がない。今後、これによる減額を組合員に対し行わないことの確認を求める。
① 賃金が30%減額されるのであり不利益の程度が極めて大きい
② 大学経営上の変更の必要性が大きいとは言えない
③ 所定勤務時間をそれまでの8時間から6時間とする措置については、以下の問題がある。
ア)必ずしも不利益の代償または緩和措置とは言えない(それを望まない労働者もいる)
イ)労働時間の減少は約23%程度であり、賃金の減少の割合(30%)よりも少ない
ウ)裁量労働制の下ではこれが実質的な労働時間の減少をもたらすとは言えない
④変更前に労働者に対して説明がなされ、理解を得るための努力がなされたとは言えない
(大学の回答)
本来63歳定年制だったのを、大学教員については2010年から65歳まで常勤とし、俸給は7割支給、所定勤務時間を一日6時間とすることとした。これは定年年齢を引き上げたものであり、高齢者雇用として合理的なものである。また、就業規則改定には過半数代表や学内の労組に対し説明をし、意見聴取や協議を経て、納得いただいたうえで改正している。
(組合からの再質問)
ア
組合は、2010年の定年年齢延長ではなく、2015年に「新たに63歳に達した日後の最初の4月1日以降の大学教員」を一律に年俸制に移行させたことを不利益変更だと主張している。年俸制への移行により、扶養手当、教育研究連携手当、住居手当、期末手当など一部の手当について支給が受けられなくなる。このことについてどう考えているのか、答えよ。
イ
この63歳以上の大学教員を一律に年俸制へと移行させる2015年の規則ないし規程の改定について、過半数代表者の選出手続きや労基署への届出、過半数代表者等の意見聴取等の手続きは行ったのか、答えよ。
ウ
この不利益変更について、どのような形で周知を行ったのか、答えよ。組合は、周知は甚だ不十分と考えている。大学のウェブサイトで規則や規程を閲覧することはできるが、これだけでは、いつどのような変更がされたのか、知ることができない。実際、組合員も、このような重大な変更について、大学より説明を受けたことがない。この点をどう考えるかも、答えよ。
エ
所定勤務時間を6時間とする措置(2016年)については、これによる労働時間の減少は23%にとどまり、給与の30%減額と釣り合っていない。このことについてどう考えるのか、答えよ。また、この措置のとおりに実際の労働時間を減らすために必要な、担当コマ数を減らす、委員会等の学内運営業務の免除等の対応を行っているのか、答えよ。
オ
筑波大学と同様に定年年齢引き上げ・年俸制への移行を行った他の国立大学(北海道大学、京都大学など)では、従来の定年年齢以降の期間も、基本給の減額や手当の削減等を行っていない。このように他学と比較して給与面で不利益となっていることについてどう考えているのか、説明せよ。
カ
来年からこの給与減額措置の適用となる組合員について、その給与の計算方法と具体的な金額について、答えよ。また、定年前2年間の年俸額の決定について定める規定の記述のみでは、具体的な給与の計算方法が分からないので、具体的な計算方法について記載しているのか、しているのであれば、その規定について、答えよ。この点、組合は、定年前2年間の給与(年俸)額が具体的にいくらになるのか、手当の支給についてどう変わるのかが極めて分かりにくく、また説明もされていないことは、周知として甚だ不十分であると考えている。この点についてどう考えているのか、答えよ。
キ
定年前2年間に年俸制へと移行した大学教員について、「任命権者が教育研究上特に顕著な業績を有すると認めた大学教員にあっては、その業績により」30%減すなわち従前の給与の70%ではなく、85%、100%、115%の額を支給することとされている。この特例に当たるかどうかを判断する際の具体的な基準を答えよ。また、科研費の獲得がこの「業績」に当たるのかどうかについても、答えよ。
議題二、休日労働が事実上無償労働となっていることについて
(組合の要求)
休日に入試業務を命ぜられ従事した場合に、賃金を支払われていない。これを支払え。また、今後このような場合に賃金を支払うことを約束せよ。
なお、大学が教員に振替え休日の取得を「要請」し、教員がこれに応じることを強いられている。しかし振替休日とした日にも実際は教員は働いている。このような、事実上無償労働を強いるやり方は直ちにやめること。
(大学の回答)
入試業務については、振替え休日取得を原則としているが、業務の都合上振替え休日を取ることが難しい者には休日給を支給している。
(組合からの再質問)
ア
「振替え休日取得を原則としている」「業務の都合上振替え休日を取ることが難しい者には休日給を支給している」という運用の根拠を答えよ。
イ
実際には、休日給の支給を希望する教員に対しても振替え休日を取るようプレッシャーがかけられるため、休日給の支給を受けることが困難になっている。このような事実上の休日振替命令を行う根拠を答えよ。