【労評中商分会】横浜地裁川崎支部第一回口頭弁論期日報告!
12月22日に「株式会社中商」の裁判闘争第一回期日が行われましたので、報告いたします。
中商裁判闘争は「再三再四にわたる労災事故絶対に許さじ」のテーゼのもとで、中商資本に対し安全配慮義務違反を追及しています。
裁判闘争に至った経緯はこちらの記事をご覧ください!
https://www.rouhyo.org/news/nakasho01/
株式会社中商で、労災事故がなぜ多発しているのか?
労評は中商資本の労災事故についての問題意識を問うています。労評は団体交渉で何度も問題提起しましたが、労災事故が起きる前、起きた後の対処に共通することとして、社長や専務といった経営者が、現場を全く見ていないのです。
現場での危険個所などは、各工場の工場長から経営者である専務、社長に報告される形となっています。また、中商資本は定例で安全協議会を設け、労働者に「意見を言ってください」と提起しているので、安全対策はしていると主張してきました。
専務・社長は、実際の現場での危険個所を視察したり、危険と思われる実際の現場を肌身で感じて改善すべき事項を自力更正で改めていく考えが全くないのです。つまり、日常的な業務における危険個所を自ら調査することもなく、現場に丸投げし、問題が出てから対応する体制は変わっていないのです。
こんな労働環境で労働者の命と尊厳、生活が守られるのか?労評はハッキリとNoと断言します。このままでは、労働者は生産手段の一部、つまり「利潤を生むための道具」としてしか扱われず、人間としての尊厳もあったものではありません!
現場労働者の意見を会社に反映し、危険な労働環境を具体的に改善をしていくためには、労評労働組合で労働者が団結し、一丸となって中商資本と交渉していくしかないのです。それが労働の誇りにもつながり、物質的な生産力も向上していくことになると考えています。
第一回口頭弁論期日の中商資本の対応
中商は答弁書を提出しましたが、原告の主張に対して反論は「追ってする」としただけで、提訴から1か月半以上あったにもかかわらず、なにも反論しませんでした。さらに、第一回期日に中商資本と代理人弁護士は一人も姿を現さなかったのです。
「安全配慮義務違反はない」というなら、正々堂々と理由を主張してほしいものです。労評は中商資本がどのような反論をしてくるか楽しみにしています。
原告の奥浜分会長から意見陳述!
第一回期日では、原告である奥浜分会長から裁判官に対し、意見陳述が行われました。奥浜分会長は凛々しく正々堂々と証言台に立ち、一字一句の言葉に当時の労災の痛みを表すように意見を述べました。
意見陳述書
2023年12月22日
原告 奥浜 正仁私は、2023年4月22日、会社の設備(サイクロン・コンベア点検、清掃)作業にて左手を巻き込まれ、左手の手の平がえぐられる怪我を負い、関東労災病院に緊急搬送で手術し、入院しました。入院から一週間は、手指のしびれや手の平に激痛が走ったりしていました。これまで多くの労災事故を経験しておきながら、労災事故の防止に努めなかった会社への怒り・虚しさ・悔しさが募るばかりです。今回の事故から8カ月が経った現在においても、怪我の状態が良くなったとは言いにくい状態です。それでも私は、周りの労働者が人手不足な中でも頑張っている姿を見て、力になりたいと思い、早期の職場復帰を目指し、事故から5カ月も経っていない9月11日に復職に至りました。
現在は、荷下ろし、荷上げ、フォークリフトの運転を上司から指示され行うことを中心に業務にあたっています。私は復職前に中嶋専務に職場復帰の日を連絡し、怪我の状態を工場長に連絡して作業面にての配慮をお願いしました。9月11日の職場復帰当日に工場長は、私に対して「まず普段通り作業を行ってください。何か問題があれば言ってください。」と言いました。私は、唖然としました。怪我を負った労働者に対する配慮もありません。それだけではなく、管理者である工場長は、日々現場には1~2回足を運ぶ事しかなく、様子を見ているだけで、今まで何回も労災事故を起こしているのに、言い訳的な発言しかしていません。今まで起こった労災事故は、会社のトップである社長、専務、工場長等の管理者が、労働者が怪我を負わないようにする対策を怠って、自らの責任を労働者に押し付けようとの考えのもと生じたこととしか思えません。
私は怒りがこみ上げてくる日々です。今後、会社との付き合い方を真剣に考え行動することは大切なことだと思いました。そこで私は、労働者全員が安心安全に働ける職場を目指すために、会社に「安全配慮義務違反」を認めさせるために、労働組合員として裁判に臨もうと決意しました。裁判所において、公正で適正な審理と、判決をお願いたします。
奥浜分会長の意見陳述に対し、裁判官も傍聴人も皆頷いて聞いていました。労働者であれば、誰しもが納得できる意見陳述だと確信しています。
再三再四に渡る労災事故絶対に許さじ!
労災のない職場をつくるために労評は闘い続けます!
第2回期日のお知らせ
2月7日(水) 14:00~
2回期日は法廷ではなく、Teamsを使ってオンラインで行います