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ロイヤルネットワーク(うさちゃんクリーニング)で労働者のサービス残業支払いをさせました

クリーニング業界というのは、ほとんどが小規模経営ですが、大手の企業もいくつかあります。ロイヤルネットワーク(本社 山形県酒田市)は業界第2位といわれる大手のクリーニング会社です。東日本では400店舗近い規模を誇ります。うさちゃんクリーニングという名前の店舗ですから、見たことのある人もいると思います。労評ではこの間、ロイヤルネットワークで働いていた労働者の加盟を受けて、会社と団体交渉を行ってきました。その結果、うさちゃんクリーニングで働いていた期間(2年7か月)に、サービス残業をしていた不払い賃金と自腹で立替ていた店舗の費用(日常品など)、お客さんに弁償した(紛失した商品)代金などを支払ってもらうことを確認しました。その総額は約60万円です。

なぜ、そのような不払い賃金などが発生したのでしょうか。クリーニングの代金というのは30年近くもほとんど変化していません。いくらデフレの時代が長かったと言っても、原料費も人件費も上がるので、価格を現状維持するというのは本当は大変なことなのです。いわば薄利多売で商売をしていかないと利益が上がらないという環境もあって、ロイヤル社は半額セールなどを頻繁に行い、客寄せに必死になっていました。そして、そのしわ寄せを現場で働く店員(女性のパート労働者)に対するサービス残業で補ってきたのです。繁忙期やセール期間は店舗を二人で対応しないとこなせないのですが、会社はダブり時間(二人で仕事をする)は月20時間しか認めないと言い、実際には50時間~100時間の残業をしても一切残業代を支払ってきませんでした。さらには、店舗の経費やセール期間の飾りつけの費用も店員が自腹で購入するというありさまで、パート労働者に犠牲を強いて利益を上げるというとんでもない経営をしてきました。

この度の団体交渉に並行して、労評は全国の店舗にビラを郵送してアンケートを取ったところ、会社が必死に回収しようとした間隙をぬって、50名上の労働者から強い不満と怒りの声が寄せられました。その中には、10年以上働いても時給が一円も上がらないことや、残業申請しても売上が少ない時は認めないと言われたこと、昼休みもとれずご飯もまともに食べられないのに休憩1時間を引かれていること等々、過酷な労働条件で働いている、もって行き場のない怒りの声が上がってきました。今回の団体交渉でこの労働者の声を会社に通知しました。会社の一部の役員は貴重な意見であり改革に努めると言いましたが、この会社は一族経営でありはたして、一つの労働問題だけで改善につながるのかどうかというならば、それはまず難しいでしょう。ロイヤル社で働く労働者が本当に労働条件を改善しようと思えば、労働組合を作ることしかないと思います。

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