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労評組合員がアートコーポレーション(アート引越センター)提訴に至るまで

2017-10-11

アートコーポレーション(アート引越センター)を提訴

2017年10月11日、アートコーポレーション(株)横浜都筑支店に務めていた元社員3名が、未払残業代の支払い、引越事故賠償金の返還、加盟していない労働組合費の天引き分の返還等を求めて横浜地裁に提訴しました。

3名の訴額は、376万円余ですが、引越事故賠償金返還については、今後会社から資料を提出させた上でさらに請求を拡大する予定です。

長時間働いても残業代が少ないことに疑問

原告3名が労評に加盟したきっかけは、「残業代がどうも少ない。会社が操作しているのではないか?」と疑いを持ち、ビラを配っていた労評員に相談をしたことが始まりでした。

労評で事情を聞いてみると、残業代の不正操作以外にも様々な違法行為が行われている実態が明らかになり、3名が労評に加入し、アート資本と団体交渉を行うことにしました。

 

3度の団体交渉を行うも決裂

団体交渉は3回に渡って行われました。アート資本は、未払残業代については、残業時間の改ざんを行っていたことを認めた上で、「別の手当に付け替えて支払っているので、基本的に未払いはない。」と回答してきました。

また、引越事故賠償金については、「会社が決めた制度通りに運用がなされていなかったので、返還するが、会社が顧客に弁償した分については、別途賠償金を請求する。」「引越事故賠償金の返還請求は、労働債権なので2年分までしか返還しない。」と回答してきました。
まず、未払残業代については、「別の手当に付け替えて支払っているので、基本的に未払いはない。」との回答でしたが、会社が提出した資料の始業・終業時間に基づいて計算しても、会社が主張する業務時間よりも1日当たり20分~数時間程度多い時間働いていたことがわかりました。つまり、1日当たりの労働時間を少なくして賃金計算をしていたことになります。

この時間の差については、なぜそのような計算になるのかを訴訟の場で明らかにしていきます。

アート引越センターの「引越事故損害賠償請求」という大問題

次に、アート(株)の引越事故損害賠償請求については、大きな問題があります。

第1に、使用者は、業務の通常の課程で生じた損害については、労働者に対して損害賠償を請求できないとするのが判例実務上の取り扱いです。

例えば、ファミレスでアルバイトする学生が、コップ1個、お皿1枚を割ったとしても、弁償しろとはいわれないのが通常の会社です。

それは、業務の通常の過程で生じる損害は、経営上の費用として計上するのが当たり前だからです。

そしてこの原則からすると、「業務の通常の課程で生じた損害」よりも大きな損害が生じたとしても、全額を労働者に負担させることはできず、労働者の過失の程度や労働環境、使用者側の配慮の程度等が総合的に勘案されて、かなりの程度労働者に請求できる賠償額が制限されます。

ところが、アート(株)では、36協定で決められた残業時間の上限が、1ヶ月195時間を年2回、1ヶ月110時間を年4回、年間で1100時間(平成26年度、27年度)という過労死ラインを遙かに超える異常な長時間残業が労使間で決められていました。

さらに現実には、原告3名の年間残業時間は、各自1250時間を超えており、36協定に違反するような過酷な長時間労働が日常化していました。

原告のAさんが語った当時の状況では、「忙しい時期ではなくても朝7時から仕事を始め、夜は9時、10時までかかるのが当り前。繁忙期には午前2時、3時まで仕事をして、寝る時間がない。子どもと遊ぶことも出来ず、妻からは“辞めてくれ”と言われた。体もキツイ」と過酷な労働実態が日常化していました。

このような労基法に違反する異常な長時間残業を強いておきながら、引越作業で物を破損すると1件あたり3万円の限度で賠償金を徴収することは絶対に認められません。

第2に、アート(株)の引越事故損害賠償請求では、「リーダー」に責任があることを確認しないまま、顧客から引越事故のクレームがありアート(株)が顧客に損害賠償金を支払うと、賠償金を徴収されていました。

つまり、法律的には、原告らが損害賠償をアート(株)にする必要がない場合にまで、事実上強制的に賠償金を支払わされていたという事です。

アート(株)では、その場合、業務リスクの負担を全て労働者に追わせて、自分が支払うべき賠償金相当額の負担を組織的に免れていた訳です。

第3に、アート(株)では、原告ら労働者へ引越事故損害賠償金の請求を、「引越事故責任賠償制度」という社内で規定した制度に基づいて行っていました。

ところがその制度の規程によると、「引越事故に関し、リーダの責任と権限を明確にする」、「当該引越作業のリーダーに責任がある場合に限り、リーダーは・・・・損害賠償を一定の限度で負担する」とされているにもかかわらず、リーダーに本当に責任があるのかどうか、リーダーが賠償責任を負うような故意・過失がある引越事故なのかを問うことなく、責任賠償金を支払わされていました。さらに、事故処理手続きとして、「事故報告書」を作成し、「リーダーは責任賠償金の支払いに同意するときは、『事故報告書』に、自己の責任を認めて責任賠償金を支払う旨を記載し、署名、捺印の上、会社に提出する。」ことになっていました。

しかし、実際には、アート(株)にはそのような「事故報告書」は存在せず、この手続きが欠けていました。

つまり、アート(株)では、自社が定めたルールを無視して、原告ら労働者に「引越事故責任賠償」金を支払わせていたのです。これは明らかに無効な損害賠償金の徴収です。

第4に、「責任賠償金の支払い方法」は、アート(株)の「引越事故責任賠償制度」の規定上は、「その都度現金で支払うものとする」のが原則で、例外として「本人の申出により給料からの天引き」により清算する場合には、「引越事故責任賠償金・天引き依頼書」を作成し、人事総務課に提出するものとされています。

原告らが勤務していた横浜都築支店では、「引越事故積立金」なる名目で、1日当り500円を月の給与から天引きして、強制的に徴収していました。これはもちろん賃金全額払いの原則(労基法24条1項本文)に違反する違法な取り扱いです。
アート(株)で行われている引越事故の損害賠償請求は、アート(株)だけの問題ではなく、引越業界全体で広く行われています。労働者に帰責性があるか否かをに関係なくい、一定額を損害賠償として徴収するなど、民法の判例実務が築き上げてきた使用者の労働者に対する損害賠償求償権の制限を無視するとんでもない暴挙です。

労働者の労働により利益を上げておきながら、リスクは労働者に負担させようという厚かましさを許しておくことはできません。

アート引越センターで働く皆さん! 他の引越会社で働く皆さん!ご相談ください!

労評では、毎週水曜日と金曜日の午後6時~9時まで、「無料相談」を行っています。 些細なことでも大丈夫です。 ぜひ一度、ご相談ください。
労評 無料労働相談(秘密厳守)

毎週水曜日と金曜日の午後6時~9時

電 話:03-3371-0589

 

アートコーポレーション(アート引越センター)を提訴

2017-10-11

昨日、「アート引越センター」で知られる引越し業界大手のアートコーポレーション株式会社に対し、未払い残業代、給料から天引きされた引っ越し事故の賠償金、天引き同意のない組合費の返還を求めて裁判を起こしました。

長時間労働が横行、給料から勝手に天引き

今回原告となった元従業員の3人は、長時間労働が横行し、しかも残業代の誤魔化す、作業中に破損等の事故が発生すればすべて自己責任で給料から天引きされるなど、これらのことが普通の環境だと思って入社から懸命に働いてきました。

しかし、そんな労働環境では当然働き続けることはできず退職するに至りましたが、退職後にやはり職場に残った仲間のため、アートの改革に立ち上がりました。

この間、会社と3回団体交渉を重ねてきましたが、会社から誠実な回答が得られず今回の提訴に至りました。

昨日は、提訴後に記者会見も行い、各メディアで報道されました。

朝日新聞

産経ニュース

弁護士ドットコムニュース

レイバーネット日本

 

提訴の詳細や、昨日の様子などは、追って報告いたします。

 

「アート引越センター」で働く皆さん、ご相談ください!

労評では今回の提訴をきっかけにアート引越センターでの健全な労働環境を目指して取り組んでいきます。

賠償金の天引きはありませんか? 残業代は払われていますか? 勝手に組合費を天引きされていませんか?

過去の分も不当なものは取り戻せるかもしれません。些細なことでも大丈夫です。ぜひ一度ご相談ください。

労評 無料労働相談

TEL:03-3371-0589

 

労評交運労トール労組 10月2日より「集荷残業」「トラック 車検時の搬送業務」拒否闘争を開始

2017-10-03

9月22日 団体交渉決裂!

9月22日 団体交渉決裂!
2017年9月22日、日本労働評議会、労評交運労トール労働組合、及び東京中央支店分会は会社との団体交渉を行いました。
主要な議題は8月30日付要求書の第1項、集配員に対する「集荷残業」拒否、第2項「トラック車検時の搬送業務廃止」についてです。会社は第1項について「裁判にもなっているが、残業代は支払っている」とし、第2項については「トラック車検時の搬送業務はなるべくなくすよう努力する」と回答しましたが、今後、具体的に制度を廃止するとの確約まではしませんでした。

トールの残業代は最低賃金法に違反する、違法・異常な低賃金

集配労働者が「終業」時間後に集荷を行っても1時間あたりの時給単価は通常わずか数百円にしかなりません。会社は最低賃金法にも違反する違法・異常な低賃金で集配労働者に残業をさせています。さらに集配労働者の本来の業務ではない車検時の搬送業務残業についても同様です。
このような車両管理業務は集配職の業務ではなく、しかも通常の業務が終了した後に行われるため、業務終了時刻が極端に遅くなります。車検等の為の業者への車両搬入や代車受領は、本来車両管理業務として就業時間中に行うべきもので、通常の業務終了後に集配職が行わなければならない必然性はありません。人員、車両の予備を用意する等、管理を工夫し、対処すべきです。

「集荷残業」、「トラック車検時の搬送業務」拒否闘争の目的とは

会社はこれまで自らの経営責任、経営努力を棚上げにし、本来労働者に支払うべき残業代を支払わず、すべての責任を労働者に押し付け、低賃金を強いてきました。
 今回、組合が「違法な集荷残業」拒否、「トラック車検時の搬送業務」拒否闘争に取り組む目的は「残業代未払い」「低賃金・長時間労働」という労務政策により、若い優秀な労働者が次々と辞めていき、その結果、高齢化と労働力不足が慢性化している交通運輸業界における「負のスパイラル」を打ち砕く第一歩とすることです。会社側交渉担当者自らが「試算をしたら10年後には労働者がいなくなる」と語るほど深刻な状況を打破しない限り、トールに未来はありません。
 トールの職場を働きやすく、働き甲斐のある職場に変えていくために労評交運労トール労働組合トール広島分会、同トール東京中央分会の仲間は「集荷残業」、「トラック車検時の搬送業務」拒否闘争に突入します。

※9月29日組合が会社に通知した通知書の抜粋

2017年9月22日の団体交渉において、「集荷残業」の残業代支払い要求が認められなかったので、「集荷残業」等の拒否闘争に入ることを通知します。

                                      記

1.拒否する「集荷残業」等の対象について

① 担当業務を終了して帰店した後、および帰店していなくても定時間を過ぎた後に命令される集荷残業

② 代行残業

③ 車両整備搬送業務

2.拒否理由

  上記1の対象の残業指命令は、残業時間とその残業時間によって増額した賃金との関係が明白です。すなわち残業によって増額する賃金が、最低賃金に達しないことを判別できます。

したがって、このような労働基準法に違反した残業指示・命令は、法的に無効です。

3.拒否開始日

2017年10月2日より開始します。

4.なお、本残業拒否闘争は違法な残業命令を拒否する正当な組合活動であり、この残業拒否闘争に対する支配介入は、職制統の介入であっても不当労働行為となることも合わせて通告します。

 労評交運労トール労働組合に未加入の心ある労働者は、労評交運労トール労働組合に加入し、トールを働きやすく働き甲斐のある職場に変えていく闘いに合流し、ともに起ち上りましょう!!

「2018年問題」へ取り組み

2017-09-25

2018年4月、いよいよ改正労働契約法18条の適用開始

いわゆる「2018年問題」と言われている労働問題があります。

これは、2013年4月の労働契約法18条が改正により定められている

「有期雇用契約を5年以上継続した労働者が希望した場合は、使用者は無期契約に転換しなければならない」

という、いわゆる「5年ルール」が、2018年4月、いよいよこの改正労契法18条の適用が始まることを指してこのように呼ばれています。


改正法の3ルール

Ⅰ 無期労働契約への転換

有期労働契約が反復更新されて5年を超えたときは、労働者の申し込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。

Ⅱ「雇止め法理」の法制化

最高裁判例で確立した「雇止め法理」が、そのままの内容つので法律に規定されました。一定の場合には、使用者による雇止めが認められないことになるルールです。

Ⅲ 不合理な労働条件の禁止

 有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の相違を設けることを禁止するルールです。

 

2015年9月30日の派遣法改正により、派遣労働者の「2018年問題」もあります。

派遣先の同一事業所に対して派遣できる期間は3年となり、同一の労働者を派遣先の事業所における同一の組織単位に対して派遣できる期間も3年が限度となるため、2018年9月30日が抵触日になります。労働契約法改正の影響との相乗効果で、2018年に派遣社員を含めた多くの有期契約労働者が雇い止めされる可能性が懸念されています。


改正労働契約法18条の適用による変化と問題点

例えば、2010年位から1年契約でずっと働いてきた非正規労働者は2018年4月を過ぎたら、無期契約を申し込むことができます。

この法改正の背景には非正規労働者の地位の改善などの名目はあるものの、法律が定めているのは、有期雇用契約から定めのない無期契約に転換するだけであり、労働条件などの待遇面については一切触れられていません。

つまり、会社側は労働者の申し入れがあった場合は拒めないことから、できるだけ労働条件に触れずに契約だけを無期に変えるだけで終わらせようとする懸念があります。

一方、労働者側はこれを契機に待遇面の改善を要求し、2018年に入ったら労資間での熱い交渉が始まることが予想されます。

とある大手企業では、2000名の有期雇用社員を全員正社員にしたという情報もあります。

しかし、実情は労資双方において「2018年問題」の認知度があまり高くなく、準備を意識的に取り組んでいる労資は少ないのが実情ではないでしょうか。

このようななかで、悪賢い会社はすでに、労働契約法18条が改正された段階で、5年以内の雇用契約を締結し、2018年4月以前に契約満了で終わらせていることも考えられます。

労評の「2018年問題」への取り組み

労評に加盟する組合員の中にもパートやアルバイト労働者が多数おり、この2018年問題をしっかりと取り組んでいなければなりません。

例えば、A分会は組合員の過半数は5年以上有期雇用契約(形式上は偽装請負)で働いてきたことから、「2018年問題」が大きなテーマとなってきます。

まだ、これから取り組む段階ですが、A分会の組合員は、業務内容はほぼ社員と同じであることから、無期契約と同時に社員への登用を定めるかどうかなどの議論も必要となってきます。

また、日給制から月給制(いわゆる月給日給)への転換、1年位の休職期間の設定、特別休暇(冠婚葬祭)の増大など、無期契約の転換に伴って労働条件や待遇などについてしっかりと話し合って準備しておかなければなりません。

この無期転換に伴う労働条件の検討に当たって、労働契約法20条の規定を適用する必要があります。

労働契約法20条は「正規労働者と非正規労働者が同じ業務を行っている場合は、その待遇に差別的取り扱いをしてはならない」という趣旨であり、いわば同一労働同一賃金の原則に基づく援用を示したものです。

つまり、有期雇用契約から無期雇用契約に転換する際には、この労働契約法20条の規定に基づいて、業務内容や労働形態が正社員とほぼ変わらないのであれば、無期転換に関わる労働条件や待遇を正社員並みにすることを要求すべきであると考えています。

 

労働組合の経済闘争は単純に経済要求をぶつけるということではありません。

法制度を活用し、法の定めた範囲だけでなく、労働者の階級論理から経済要求を組み立て、資本側との闘いを通して権利を獲得することに尽力しなければならないと考えます。

 

 

【大阪府本】 弁護士による無料労働相談会を開催します

2017-09-21

労評大阪府本で無料労働相談会を開催します。

「解雇された」、「残業代が支払われない」、「有給休暇が取れない」、「パワハラ・セクハラ等を受けた」などの問題がありませんか?

しかし、どこに相談してよいか分からないと泣き寝入りしていませんか。

労働問題専門の弁護士が無料相談に応じます。

泣き寝入りせずに気軽に相談してください。専門の弁護士が無料で相談を受けます。

電話相談も受け付けます。遠方の方もぜひご相談ください。

 

【開催日程】
9月30日(土)14時~16時
10月28日(土)13時~15時
11月18日(土)14時~16時
12月23日(土)14時~16時

場所 暁法律事務所(大阪)
弁護士 中井雅人

〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満4丁目5−5 マーキス梅田601号室

TEL 06-6948-6105 FAX 06-6948-6103

行き方はこちらから

地下鉄南森町・JR大阪天満宮から当事務所までのご案内

 

【労働相談会に関するお問い合わせ】
日本労働評議会 大阪府本部
TEL 06-7174-4523

http://rohyoosaka.blog.shinobi.jp/

【東京都本】9・16ネギシ・マタハラ裁判報告集会を開催しました。

2017-09-19

さまざまな分野の方々の参加

当日は、原告Aさん、労評弁護団、そしてこの間、ネギシ事件高等裁判所判決の不当性について論評して頂いた大学教授の方、

また外国人を中心とする労働組合の東ゼン労組の役員の方、マタハラ被害の当事者の方など様々なところで女性差別、マタハラ、セクハラと闘っている人達の参加を得て、活発な議論が交わされました。

東京高裁の不当判決、最高裁の不当決定は男女雇用機会均等法9条4項を有名無実化する許しがたい判決だ!

集会の初めに弁護団から、高等裁判所の判決の不当性ついて解説されました。

 

<ネギシ(マタハラ)事件 東京高裁判決のポイント>

①そもそも事実認定がおかしいこと

②裁判所は、従業員全員が陳述書を書くなどあり得ないということも無視していること

③数年間勤務してきていて、いきなり協調性がないなどということ自体が妊娠報告後のことであり、妊娠を契機とした解雇であることが明らかであること

 

以上の点がありながらも今回の判決が出されたのは、裁判官自体が均等法9条4項の意味を理解していないと言わざるを得ないということが、語られました。

 

二度と司法の判断においてネギシ高裁判決のような事態を生み出さないために

参加者らも活発な意見交換がありました。

「もっと国会議員などに動いてもらい、社会問題化させた方がいい。」「ILOへの提訴も考えたほうがいい」などという意見もありました。

労評からも、この間取り組んだ事例として、妊娠して退職強要を受けた労働者が、団体交渉で退職強要があったことを認めさせ、産休、育休を取った例を紹介しました。

また、労働組合としてマタハラ問題にしっかりと取り組んでいくことを表明しました。

 

「マタハラ被害対策プロジェクト」 を立ち上げます!

労評では、今回の集会を出発点として、マタハラ被害者に対する支援と男女雇用機会均等法の理解と普及を目的としてマタハラ被害対策プロジェクト」 を立ち上げます。

具体的には大きく3つの活動を行っていきます。

①労働相談を受け、具体的相談にのること。

内容によって団体交渉を行ったり弁護士を紹介するまた、行政機関へ同行する。

②マタハラをはじめとする女性労働者の問題の学習・研究会を開催

③マタハラ問題の啓発、普及のための交流会・集会の企画

 

マタハラ問題は、まだまだ社会的には取り組まれていない課題であり、真に労働者の立場からの取り組む運動はほとんどないのではないでしょうか。

今後、一人でも多くのマタハラ被害に遭われている方の解決の力になれればと思います。

お問い合わせ先は事務局へ  

https://rouhyo-matahara.localinfo.jp/

目的に賛同する方は誰でも参加できます。ご案内をお送り致します。

【連絡先:03-3371-0589か 担当携帯番号:08068079750へ】

9・16 ネギシ・マタハラ裁判報告集会を開催します。

2017-08-22

来る9月16日、労評弁護団、労評東京都本部共催で「ネギシ・マタハラ裁判報告集会」を開催します。多くの方の参加を呼びかけます。

   ネギシ・マタハラ裁判報告集会

 

   <日時> 2017年9月16日13時~
  

   <場所> KIZUNA会議室 高田馬場
        新宿区高田馬場1-26-12高田馬場ビル406号室
       (高田馬場駅下車1分)

    ※入場無料

 

 

 去る7月4日付で、最高裁は、ネギシ・マタハラ事件の上告を棄却しました。3月4日に「上告申立理由書」を提出してからわずか4カ月での決定でした。
この決定は妊娠中の女性労働者に対する解雇を容認する不当決定であり均等法9条4項を有名無実化するものです。
均等法9条4項「妊娠中・産後1年以内の解雇は「妊娠・出産等による解雇ではないことを事業主が証明しない限り無効となる」 が2006年新設された背景には、妊娠中の解雇が横行していたことがあります。
 妊娠しても解雇の心配をせず、女性が、安心して働き、子育てができる環境を作るための法的整備でした。上告理由書にも記載されていますが、この均等法改正での国会審議では、どのような場合が「有効」な解雇であると認められるのかという質問に対して、①整理解雇により所属部門の労働者が全て整理解雇されるような個別事情を考慮できない場合や、②明白に懲戒解雇規定に該当するような服務規律違反を犯した場合などが想定されるという返答をしています。
 このように、妊娠中・産後1年以内の解雇は、原則禁止であり、今回のネギシ・マタハラ事件に対する高裁判決、そして最高裁の決定は、均等法9条4項
の存在意義を否定するもので、まさに歴史の逆戻り、司法の反動化を証明する何物でもありません。

 

引き続きマタハラ問題に取り組もう!

今回の判決を受けて原告のAさんは、「裁判は負けたが、はっきりとした結果が出て、後悔はしていない。女性差別、外国人差別とか社会の問題は簡単には変わらない。でもいろんなことを経験して後悔はしていない。今後もできるところでやっていきたい。」と前を向いています。このAさんの言葉は現実から出発しなければならないということを私達に教えています。

願望や期待ではなく、私達自身ができるところから、地道にこのマタハラ問題に取り組んでいかなければなりません。そういう現実があると同時に、共に闘う仲間も存在しています。

今回の裁判報告集会を次への運動への出発点としたいと思います。
多くの方々の参加を呼びかけます。

【宮城県本】北上京だんご本舗分会 仙台地裁で完全勝訴判決 分会長の懲戒解雇は無効

2017-07-31

これまでの裁判の経緯

北上京だんご本舗分会では、昨年2月22日の分会公然化の後、会社側が分会長の不当解雇等を行ったため、以下の2つの法廷闘争を闘ってきました。

①宮城県労働委員会での不当労働行為救済申立事件
分会長の不当解雇(不利益取扱い)や団体交渉拒否などについて、昨年4月13日に申立をしました。現在は結審して、命令が出るのを待つ状況にあります。
②仙台地裁での労働審判
分会長の不当解雇に対して、労評顧問弁護士の指宿弁護士中井弁護士を代理人とし、昨年6月22日に労働審判を申立しました。

こちらは昨年11月に、分会長の懲戒解雇を無効とする組合側全面勝利で決着し、分会長は北上京だんご本舗において労働契約上の権利を有する地位にあることが確認されました。

このうちの②の労働審判の後、北上京だんご本舗の経営者側が異議申し立てを行ったため、これまで仙台地裁にて裁判で争ってきました。

組合側の完全勝利の判決が下る

そして本日7月28日、仙台地裁にて組合側の完全勝利の判決が下りました。

裁判所は、労働契約法16条「解雇は,客観的に合理的な理由を欠き,又は社会通念上相当であると認められない場合は,その権利を濫用したものとして無効になる」に照らし合わせて、

「被告は,原告に対して,本件解雇を通知するに際し,原告が労評に所属して組合活動を行っていることを問題にした上,原告に対し,本件解雇を回避する条件として,労評を脱退し,組合活動への参加を中止することを繰り返し要求したものであり,被告は,原告に対し,組合活動の中止及び労評からの脱退と本件解雇の二者択一を執拗に迫ったものであるから,本件解雇は,原告が組合に所属して組合活動を行っていることを理由としたものといわざるをえないところ,不当労働行為性を判断するまでもなく,客観的に合理的な理由があり,社会通念上相当なものとは認められないから,解雇権の濫用として無効である。」

と判断しました。

分会長は職場復帰後に何を目指すか

勝訴判決の確定後、分会長は職場復帰して職場改善を目指していきます。

分会長は元々、自分個人の抱えている問題を個人的に解決するために労評分会を結成したわけではありません。

北上京だんご本舗は過去に全国推奨観光土産品審査会において厚生労働大臣賞を受賞し、「ずんだ」を仙台の名物として全国に広めたという功績があります。その一方で、会社内部には労働基準法違反等の問題が多々あります。分会長は、そんな職場で長年働いてきた中で、「これからの若い世代の方のために、会社を持続・発展させるために、労働者全員が協力して気持ちよく働ける環境にしていくため、このまま歳を取るわけにはいかない」、「会社商品は人気があり売れているのに社内に問題があるから会社が発展しないというのはもったいない、どうにかしたい」という思いから組合を立ち上げました。その思いの実現に向けて、分会長は職場復帰したら、労働者と力を合わせて、すぐさま本格的な職場改善に取り組んでいきます!

鹿島臨海産業のパワハラ問題 その3

2017-07-30

第二回団体交渉開催!! 社長、またしても逃亡

7月19日、第2回団体交渉が開催されました。組合が団交議題を社長のパワハラとし、事前にパワハラをした本人である社長の出席を再三要請していました。しかし、社長はまたしても逃亡し、前回と同じく、2名の管理職と、社労士(※)だけが出席しました。そして、欠席理由として、社長の診断書を持参し見せてきました。組合としては、当事者がいなくては事実確認のしようがないので、社長を出さない会社側の対応に対し不誠実団交として強く抗議したうえ、要点と要求のみ伝え、この日は終わりました。社長は、弱い立場の従業員に対しては偉そうに威張り散らしますが、団体交渉となって対等な立場で組合と対峙しなければならなくなると決まって病気になるようです。

※この社労士は、前回団交でほとんどの応答を行ったため、組合が非弁行為として懲戒請求を行った社労士です(6月12日付の記事をご覧ください)。もちろん、社長の行ったパワハラについて事実を知るはずもありません。

さて、以下は、前回のブログの続きです。

パワハラ社長の口癖は「いらん!」

お弁当工場に「栄養士」として入社したAさんですが、入社時には会社から業務の一貫として「週2回」客先を回るよう説明を受けていました。しかし、入社後には、「1日2か所」回る、という指示に変わりました。また、会社は次々と新しい栄養士を雇い入れ、そして社長のパワハラと職場環境の悪さから次々と人は辞めていきました。社長は気に入らない労働者に対しては「(お前なんか)いらん!明日から来るな!」と皆の前で平然と言ってのけ、何か問題が起こると社労士などを立てて問題をもみ消す、そのようなことが常態化していました。そんな中、事件は起こりました。

 

「いらん、現場に行け!」突然の配転命令 Aさんへの退職勧奨始まる
2015年8月、導入したての新しいシステムの研修を一緒に受けた同僚が退職し、未経験の仕事を、サッカー合宿用の弁当注文などが増える繁忙期の中で行い、受注ミスが起きました。しかも複数の電話回線が同時に鳴り、1人で対応できなかったため、さらにクレームとなりました。Aさんがクレームを上司に報告したところ、上司からそれを聞いた社長が激怒し、Aさんに対して「いらん、現場へ行け!」と怒鳴りました。Aさんが理解できずに聞き返したところ、社長は続けて「明日から工場に入って盛り付けと掃除をしろ!」と怒鳴りました。Aさんはこれまで現場仕事の経験はありませんでした。一方的な配置転換です。これがAさんに対する社長の退職勧奨の始まりでした。
その後、社長は自らの勘違いに気が付いたのか、社労士も間に入れてAさんに対して別の「配置転換の理由」を探そうと、Aさんの仕事に難癖をつけ、何人かから事情聴取を行いましたが、誰からも証拠なる証言を引き出せませんでした。しかし社長は「Aが悪くないのはわかった。でもAには明日から一日中工場に入ってそれなりの給料でそれなりの仕事をしてもらう。」と、Aさんの行っていた業務は翌日から別の従業員に担当するよう指示し、無理やりに配置転換を強行しました。

 

20リットル塩素をタンクに投入「男女平等」「女だからできない、は許さない」
その後、Aさんは、それまでは男性が行っていた、井戸水を消毒する用の20Lの塩素(12%)をタンクに投入する作業をやるよう指示されました。その際、社長と上司Wは「男女平等」「女だから力がないからできないとは許さない」といったことを細身で小柄なAさんに向かって言いました。明らかなパワハラです。

また会社は、2~3名で行っていた弁当の盛り付け作業をAさんが1人でやるようにと指示し、周囲の調理師が手伝おうとすると、その調理師が社長から怒られました。
さらに記録簿の作成はパソコンを使わずに「手書きで書け」「事務所には来るな」等の嫌味を会議で全体の前で言われ、Aさんが抗議すると社長は「そんな意味ではない」などと弁解してごまかしました。このように社長のAさんに対する陰湿ないじめ、嫌がらせは日々エスカレートしていきました。Aさんの懲戒処分と昨年末の団体交渉に至る過程は次号に掲載します。

 

 配転命令権の範囲とその濫用について

「配転命令」とは、使用者が労働者の職務内容や勤務場所について長期間の変更をする命令を出すことで、根拠は労働契約にあるとされます。したがって使用者の配転命令権の範囲は、労働契約の内容によります。多くの場合、使用者側は就業規則等に基づき広汎な配転命令権を主張し、労働者側は労働契約において職種・勤務地限定の合意があったとして争うことになります。

当然、職種・勤務地限定の合意があるのにこれに反した配転命令を出すことは許されませんが、それだけでなく、配転命令権が認められる場合であっても、➀業務上の必要性がない場合や、②不当な動機・目的があったり、労働者に通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせたりといった特段の事情のある場合にも、配転命令が権利濫用として許されない場合があります(判例)。Aさんの場合は、Aさんが質問をしたところ、社長が配転命令の必要性について「自分が決めたから」以上の説明ができなかったことから(また、自分から退職するよう追い詰める目的も疑われます)、権利濫用であることは明らかと思われます。

7月4日付でネギシ・マタハラ事件の上告棄却・上告不受理を決定。妊娠中の女性に対する解雇を認容する不当決定である!

2017-07-18

去る7月4日付で、最高裁は、ネギシ・マタハラ事件の上告を棄却しました。3月4日に「上告申立理由書」を提出してからわずか4カ月での決定でした。この決定は、妊娠中の女性労働者に対する解雇を容認する不当決定であり、均等法9条4項を有名無実化するものです。

 

均等法9条4項の存在意義はどこに?        

均等法9条4項「妊娠中・産後1年以内の解雇は「妊娠・出産等による解雇ではないことを事業主が証明しない限り無効となる」 が2006年新設された背景には、妊娠中の解雇が横行していたからです。妊娠しても解雇の心配をせず、女性が、安心して働き、子育てができる環境を作るための法的整備でした。
この法律の特徴は、ひとつには期間を定めて解雇を禁止していること。当該期間内の解雇を強く禁止しているということです。
これは労働基準法19条「業務上災害による休業期間とその後30日間もしくは産前産後休業期間とその後日間の解雇禁止」についても同じです。

もうひとつは、「解雇を無効とする法律効果が与えられているものを覆す立証が求められている。」つまり、労働契約法16条「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする」の適用場面よりも一層高い立証が求められているということです。均等法9条4項は、違法な解雇が行われない「抑止力」として新設されたのです。
ところが、最高裁は、わずか4か月という速さで上告棄却を決定しました。
一審ですら、解雇には当たらないとした事案に対し、二審では、会社が従業員を総動員して作ったシナリオを鵜呑みにし、均等法9条4項の存在意義を考えることもなく、形式的に上告人Aさんの解雇を有効とし、マタハラ解雇ではないという判決を出したのです。そして同じように最高裁も均等法9条4項の存在意義を考えることもなく、それを追認したのです。このままでは、均等法9条4項が新設された意味がありません。
労評では、今回3月31日の最高裁上告報告集会を皮切りに、署名活動等の取り組みを行いましたが、これからという時点で、棄却されてしまいました。

 

司法の反動化を許さず、継続して妊娠中の女性労働者を守り、解雇禁止の法律を定着させよう!

しかし、労評はこのような司法の反動化を許すことなく、これからも継続して女性労働者が安心して働ける職場を目指し、職場で、街頭で運動を進めていきます。上告人Aさんも最高裁の決定があった後も、「自分の問題をきっかけに、マタハラについて考えてもらいたい」と運動を続けていく気持ちをしっかりと持っています。署名活動にご協力をいただいた方々、ありがとうございました。またこの問題に注目していただいた方々、これからも労評より発信を続けていきます。よろしくお願いします。

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