1. HOME
  2. お知らせ
  3. 【労評スリーエス分会】非正規労働者の「差別的待遇の改善」のため、 ストライキを通告

NEWS

お知らせ

News

【労評スリーエス分会】非正規労働者の「差別的待遇の改善」のため、 ストライキを通告

私たち、労評スリーエス分会は、株式会社スリーエスコーポレーション(本社:京都府宇治市、支社:東京都新宿区・建設業(内装仕上工事業))の非正規雇用の社員で結成した労働組合です。

正規労働者と非正規労働者の格差、差別の是正を求めて闘っています。

(※これまでの闘争経緯はこちらから)

昨日、会社に対してストライキを通告しました。

【労評スリーエス分会】争議行為通告書

なぜ私たちがストライキを行うに至ったのか、経緯と理由を以下にまとめました。

正規、非正規の不合理な差別を無くしたい!

2021年4月に「パート有期労働法」が中小企業にも施行され業務の内容、業務の範囲など労働実態に照らして、正規労働者と非正規労働者の賃金、一時金などの労働条件を検討することが求められました。私たちは法律に則り、正社員と比較して賃金決定のルールが根本的に異なることを問題とし、改善を要求しました。

しかし会社の回答は 私たちの働き方と会社への貢献の実態を正面から検討することを避けた上で「採用時の入口が違うから差別ではない」というものでした。

私たちの労働の実態は「アルバイト」という名前でありながら、現場に出れば施工責任者としての役割があり、勤続年数も20年近い組合員もいます。むしろ正社員がやらない新人教育や現場でのきめ細やかな対応を担っているのです。このような実態に照らして「現場においては正社員と差がない」ということは過去の団体交渉でも会社側は認めています。それにも関わらず会社が差別的待遇に固執する背景には、労働者を「稼ぐための道具」としか見ない会社の姿勢があるのです。これは既存の正社員への働き方にも影響を与えています。正社員も正当な待遇を受けられず、退職者が出る中で人手不足が常態化し、「責任」の二文字のもとに労働が強化され疲弊しているのです。

私たちが「正社員化」を求める理由

問題を解決するにはどうしたら良いのか。会社が「アルバイト」の呼称にとらわれ、仕事の実態ではなく「見せかけ」にこだわるのであれば、私たちが正社員になり抜本的に改革をしなければ解決しないと考えました。

私たちが正社員となれば、既存の正社員が抱えさせられてきた超過業務を分散し、労働環境の改善にも繋がります。働きやすい環境と正当な評価の実現、これらの変化は労働者の定着に繋がるものと考えています。さらに新たな事業展開の余地も生まれます。全ての労働者の評価の適正化と、各自が納得した働き方が出来るようになるための改革の端緒に着くことだと捉えています。

いずれにせよ、労働者がいなくなれば会社は存続出来ません。「会社あっての労働者、労働者あっての会社」であり、私たちにとって、会社が存続することはとても重要なことです。私たちの要求は物取り主義で掲げているのではなく、会社にとっても将来を考えればメリットのあることです。このような理由から私たちは覚悟を決めて「正社員化」を求めました。

私たちには”愛社精神”がない? 野田茂樹社長の「会社の私物化」、「不当労働行為」は許さない!

2022年8月2日の団体交渉で野田茂樹社長の回答は、「正社員化の要求は認めない」「(労働組合結成以来)7年間の(団体交渉の場における)言動であったりを見て会社に対して協力的な気持ちが見えなかった」「愛社精神が大事。愛社精神があったらもうちょっと協力的で(交渉の場で)激しい、厳しくなるものか」というものでした。

つまり、団体交渉で会社に敵対して発言、対応をすることが会社に協力的ではないからというのを理由にあげているのです。

言語道断、これは労働組合の正当な権利を行使したことに対する不利益取り扱いを禁止した労働組合法違反(不当労働行為)であるだけでなく、会社を私物化し、自分の言いなりにならない労働者は排除するという宣言そのものです。

私たちは労働組合として、道理を持って要求を掲げ、交渉してきました。

当然、根拠なく会社を誹謗中傷したり、まして日々の労働の質を下げてサボタージュするなど一切ありません。

むしろ労働においては徹底してきました。「愛社精神」がなくて労働ができるでしょうか。私たちは、労働者として誇りと矜持を持って日々仕事をしています。野田社長は我々労働者のことを全く尊重していないどころか労働力商品以下に見下した独善的で差別的な見方しかしていません。会社側にも法人企業としての社会的公共性、社会的責任があって然るべきです。

この点を野田社長は真剣に考えているのか疑わしく定かではありません。

私たちは、自分たちの経済的な要求のためにわがままをいっているのではありません。野田社長の組合の要求に耳を傾けず、あまりにも労働者を馬鹿にした態度に怒り、ストライキを決断しました。

私たちは、野田社長が「会社あっての労働者、労働者あっての会社」の労使互恵、対等な立場で話し合うまで道理を通し徹底して闘います。

私たち個別の闘いではありません!非正規労働者は団結しよう!!

日本社会においては非正規労働者が労働者全体の4割近くになろうという状況です。政府は「社会から非正規という言葉を無くす」と言いますが、現実に同一労働同一賃金に反しても罰則はありません。「多様な働き方」「働き方改革」の空文句は、労働現場の実態からみれば、資本がいかに労働者を搾取しやすくするかの隠れ蓑でしかありません。

2020年10月の労契法20条裁判の最高裁判決(大阪薬科大、メトロコマース)の反動性を見ても、格差是正などどこ吹く風であり、パート有期法も実際には現場で効力はありません。非正規労働者の深刻な経済要求は巨大なマグマのように潜性化した憤怒として爆発寸前なのです。

この度の労評スリーエス分会のストライキ闘争は非正規労働者の怒り、要求を代表した闘いでもあると考えています。

全国の同じく差別、抑圧されている労働者と連帯し闘っていきます!

 


〇連絡先〇

日本労働評議会(労評)

TEL:03-3371-0589 FAX:03-6908-9194

メールはこちらから

最新記事